母平均 $\mu = 120$、母標準偏差 $\sigma = 30$ の母集団から、大きさ $n = 100$ の無作為標本を抽出する。 (1) 標本平均 $\bar{X}$ の標準偏差を求めよ。 (2) 標本平均 $\bar{X}$ が $123$ より大きい値をとる確率を求めよ。

確率論・統計学標本平均標準偏差正規分布確率
2025/5/22

1. 問題の内容

母平均 μ=120\mu = 120、母標準偏差 σ=30\sigma = 30 の母集団から、大きさ n=100n = 100 の無作為標本を抽出する。
(1) 標本平均 Xˉ\bar{X} の標準偏差を求めよ。
(2) 標本平均 Xˉ\bar{X}123123 より大きい値をとる確率を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 標本平均 Xˉ\bar{X} の標準偏差 σXˉ\sigma_{\bar{X}} は、母標準偏差 σ\sigma と標本サイズ nn を用いて、次のように計算できる。
σXˉ=σn\sigma_{\bar{X}} = \frac{\sigma}{\sqrt{n}}
与えられた値を代入する。
σXˉ=30100=3010=3\sigma_{\bar{X}} = \frac{30}{\sqrt{100}} = \frac{30}{10} = 3
したがって、標本平均の標準偏差は 33 である。
(2) 標本平均 Xˉ\bar{X} は近似的に正規分布 N(μ,σXˉ2)N(\mu, \sigma_{\bar{X}}^2) に従う。つまり、XˉN(120,32)\bar{X} \sim N(120, 3^2)
標準化変数 ZZ は、
Z=XˉμσXˉZ = \frac{\bar{X} - \mu}{\sigma_{\bar{X}}}
で与えられる。Xˉ=123\bar{X} = 123 のとき、
Z=1231203=33=1Z = \frac{123 - 120}{3} = \frac{3}{3} = 1
求める確率は P(Xˉ>123)=P(Z>1)P(\bar{X} > 123) = P(Z > 1) である。標準正規分布表を用いて P(Z>1)P(Z > 1) を求める。
P(Z>1)=1P(Z1)10.8413=0.1587P(Z > 1) = 1 - P(Z \le 1) \approx 1 - 0.8413 = 0.1587
したがって、標本平均が 123123 より大きい値をとる確率は 0.15870.1587 である。

3. 最終的な答え

(1) 標本平均の標準偏差: 33
(2) 標本平均が 123123 より大きい値をとる確率: 0.15870.1587

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