与えられた式 $x^3(y-z) + y^3(z-x) + z^3(x-y)$ を因数分解する問題です。

代数学因数分解多項式交代式
2025/5/23

1. 問題の内容

与えられた式 x3(yz)+y3(zx)+z3(xy)x^3(y-z) + y^3(z-x) + z^3(x-y) を因数分解する問題です。

2. 解き方の手順

この式は交代式であるため、(xy)(x-y), (yz)(y-z), (zx)(z-x) のいずれかを因数に持ちます。
式全体は3次なので、これらの因子の他に1次式が因数として存在すると考えられます。
まず、x=yx=y のとき式が0になることを確認します。
x=yx=yを代入すると
x3(xz)+x3(zx)+z3(xx)=x4x3z+x3zx4+0=0x^3(x-z) + x^3(z-x) + z^3(x-x) = x^4 - x^3z + x^3z - x^4 + 0 = 0
同様に、y=zy=zのときと、z=xz=xのときも式が0になることが確認できます。したがって、(xy)(x-y), (yz)(y-z), (zx)(z-x) を因数に持ちます。
x3(yz)+y3(zx)+z3(xy)=(xy)(yz)(zx)(x+y+z)x^3(y-z) + y^3(z-x) + z^3(x-y) = -(x-y)(y-z)(z-x)(x+y+z)
となることを示します。
x3(yz)+y3(zx)+z3(xy)=x3yx3z+y3zy3x+z3xz3yx^3(y-z) + y^3(z-x) + z^3(x-y) = x^3y - x^3z + y^3z - y^3x + z^3x - z^3y
この式は (xy)(x-y), (yz)(y-z), (zx)(z-x) を因数に持つことが分かっているので、
x3(yz)+y3(zx)+z3(xy)=(xy)(yz)(zx)Q(x,y,z)x^3(y-z) + y^3(z-x) + z^3(x-y) = (x-y)(y-z)(z-x)Q(x, y, z) とおけます。
ここで Q(x,y,z)Q(x, y, z)x,y,zx, y, z についての1次式である必要があります。なぜなら元の式が4次式であり、(xy)(yz)(zx)(x-y)(y-z)(z-x) が3次式だからです。
また、元の式は x,y,zx, y, z について対称なので、Q(x,y,z)Q(x, y, z) も対称式である必要があります。
したがって、Q(x,y,z)=k(x+y+z)Q(x, y, z) = k(x+y+z) (kは定数)の形をしているはずです。
x3(yz)+y3(zx)+z3(xy)=k(xy)(yz)(zx)(x+y+z)x^3(y-z) + y^3(z-x) + z^3(x-y) = k(x-y)(y-z)(z-x)(x+y+z)
x3yx^3yの係数を比較することで、kkの値を求めます。
左辺のx3yx^3yの係数は1です。
右辺を展開してx3yx^3yの項を考えると、x3yx^3yが出てくるのは(xy)(yz)(zx)(x+y+z)(x-y)(y-z)(z-x)(x+y+z)を展開したときだけです。
右辺でx3yx^3yの係数が出てくるのは、k(xy(x)x)=k(x3y)k(x \cdot y \cdot (-x) \cdot x)= k(-x^3y).
したがって、 k=1-k=1なのでk=1k=-1となります。
したがって、
x3(yz)+y3(zx)+z3(xy)=(xy)(yz)(zx)(x+y+z)x^3(y-z) + y^3(z-x) + z^3(x-y) = -(x-y)(y-z)(z-x)(x+y+z)

3. 最終的な答え

(xy)(yz)(zx)(x+y+z)-(x-y)(y-z)(z-x)(x+y+z)

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