この問題は、正弦波が$x$軸の正の向きに伝わる時の、媒質の単振動に関する問題です。特に、以下の内容を求めます。 (1) 原点$(x=0)$における媒質の、時刻$t$における変位$y$を、角振動数$\omega$を用いて表す。 (2) (1)の式を、振幅$A$、周期$T$、時刻$t$を用いて表す。 (3) 原点より$x$だけ離れた点にある媒質は、原点にある媒質と比べて時間がいくら遅れて単振動をするか。 (4) 位置$x$にある媒質の、時刻$t$における変位$y$を表す式を書く。 (5) この正弦波が速さ$v$で$x$軸の負の向きへ進むとき、(4)の式はどのようになるか。
2025/5/23
## 回答
1. 問題の内容
この問題は、正弦波が軸の正の向きに伝わる時の、媒質の単振動に関する問題です。特に、以下の内容を求めます。
(1) 原点における媒質の、時刻における変位を、角振動数を用いて表す。
(2) (1)の式を、振幅、周期、時刻を用いて表す。
(3) 原点よりだけ離れた点にある媒質は、原点にある媒質と比べて時間がいくら遅れて単振動をするか。
(4) 位置にある媒質の、時刻における変位を表す式を書く。
(5) この正弦波が速さで軸の負の向きへ進むとき、(4)の式はどのようになるか。
2. 解き方の手順
(1) 原点における媒質の変位
時刻で原点の媒質が振動の中心を上向きに通過しているので、変位は正弦関数(sin)で表されます。振幅は、角振動数はなので、
(2) (1)の式をで表す
角振動数と周期の関係は、
したがって、(1)の式は、
(3) 原点よりだけ離れた点にある媒質の遅れ
正弦波は速さで伝わるので、だけ離れた点に伝わるまでに、
の時間遅れが生じます。
(4) 位置にある媒質の変位
(3)より、位置の媒質の振動は、原点よりだけ遅れています。したがって、時刻における位置の媒質の変位は、
または、(2)の結果を使って
ここで、は波長に等しいので、より
(5) 正弦波が負の向きに進む場合
正弦波が負の向きに進む場合は、をに置き換えることで得られます。したがって、
または、
または、
3. 最終的な答え
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)