与えられた時間関数 $f(t)$ のフーリエ変換を行い、周波数スペクトラム $F(\omega)$ を求める問題です。ここで、$f(t)$ は $-2 \mu s \le t \le 2 \mu s$ の範囲で値5をとり、それ以外の範囲では0となる矩形関数です。また、求めた$F(\omega)$のグラフを作成します。

1. 問題の内容

与えられた時間関数 $f(t)$ のフーリエ変換を行い、周波数スペクトラム $F(\omega)$ を求める問題です。ここで、$f(t)$ は $-2 \mu s \le t \le 2 \mu s$ の範囲で値5をとり、それ以外の範囲では0となる矩形関数です。また、求めた$F(\omega)$のグラフを作成します。

2. 解き方の手順

(1) フーリエ変換の定義式に従って、周波数スペクトラム $F(\omega)$ を計算します。フーリエ変換の定義式は以下の通りです。

$$F(\omega) = \int_{-\infty}^{\infty} f(t) e^{-j\omega t} dt$$

(2) 与えられた関数 $f(t)$ を定義式に代入します。$f(t)$ は $-2 \mu s \le t \le 2 \mu s$ で $f(t)=5$、それ以外で0なので、積分範囲は $-2 \times 10^{-6}$ から $2 \times 10^{-6}$ になります。

$$F(\omega) = \int_{-2\times 10^{-6}}^{2\times 10^{-6}} 5 e^{-j\omega t} dt$$

(3) 積分を計算します。

$$F(\omega) = 5 \left[ \frac{e^{-j\omega t}}{-j\omega} \right]_{-2\times 10^{-6}}^{2\times 10^{-6}} = \frac{5}{-j\omega} \left( e^{-j\omega (2\times 10^{-6})} - e^{-j\omega (-2\times 10^{-6})} \right)$$

$$F(\omega) = \frac{5}{j\omega} \left( e^{j\omega (2\times 10^{-6})} - e^{-j\omega (2\times 10^{-6})} \right)$$

(4) オイラーの公式 $e^{jx} - e^{-jx} = 2j\sin(x)$ を用いて式を整理します。

$$F(\omega) = \frac{5}{j\omega} \left( 2j\sin(\omega (2\times 10^{-6})) \right) = \frac{10 \sin(2\times 10^{-6} \omega)}{\omega}$$

$$F(\omega) = 10 (2\times 10^{-6}) \frac{\sin(2\times 10^{-6} \omega)}{2\times 10^{-6} \omega} = 2\times 10^{-5} \frac{\sin(2\times 10^{-6} \omega)}{2\times 10^{-6} \omega}$$

$$F(\omega) = 2\times 10^{-5} \mathrm{sinc}(2\times 10^{-6} \omega)$$

ここで、$\mathrm{sinc}(x) = \frac{\sin(x)}{x}$ です。

(5) $F(\omega)$ のグラフを作成します。$F(\omega)$ は sinc 関数に比例します。

3. 最終的な答え

周波数スペクトラムは以下のようになります。

$F(\omega) = 2\times 10^{-5} \frac{\sin(2\times 10^{-6} \omega)}{2\times 10^{-6} \omega}$

グラフの作成については、sinc関数を描画します。横軸を$\omega$、縦軸を$F(\omega)$とします。

$\omega = 0$ のとき、 $F(0) = 2 \times 10^{-5}$ となります。

sinc関数の最初のゼロ点は $2 \times 10^{-6} \omega = \pi$ より、 $\omega = \frac{\pi}{2 \times 10^{-6}} = \frac{10^6 \pi}{2} = 500000\pi$ 付近に現れます。

グラフは $\omega=0$ で最大値 $2\times 10^{-5}$ をとり、$\omega$ が増加するにつれて減衰振動するような形になります。