ある県の高校生の100点満点の試験の成績は平均60点、標準偏差20点である。この母集団から無作為に50名の標本を抽出したとき、その平均点が65点以上70点以下である確率を小数点以下第4位まで求める。

確率論・統計学標本平均正規分布確率統計的推測
2025/5/27

1. 問題の内容

ある県の高校生の100点満点の試験の成績は平均60点、標準偏差20点である。この母集団から無作為に50名の標本を抽出したとき、その平均点が65点以上70点以下である確率を小数点以下第4位まで求める。

2. 解き方の手順

まず、標本平均の分布を考える。母集団の平均をμ\mu、標準偏差をσ\sigma、標本サイズをnnとすると、標本平均Xˉ\bar{X}の分布は近似的に正規分布N(μ,σ2n)N(\mu, \frac{\sigma^2}{n})に従う。
この問題では、μ=60\mu = 60, σ=20\sigma = 20, n=50n = 50であるから、標本平均Xˉ\bar{X}は近似的に正規分布N(60,20250)=N(60,8)N(60, \frac{20^2}{50}) = N(60, 8)に従う。
Xˉ\bar{X}を標準化するために、Z=Xˉμσ/nZ = \frac{\bar{X} - \mu}{\sigma / \sqrt{n}}を計算する。このZZは標準正規分布N(0,1)N(0, 1)に従う。
Xˉ\bar{X}が65以上70以下である確率は、P(65Xˉ70)P(65 \le \bar{X} \le 70)で表される。これを標準化したZZで表すと、
P(656020/50Z706020/50)P(\frac{65 - 60}{20 / \sqrt{50}} \le Z \le \frac{70 - 60}{20 / \sqrt{50}})
P(520/50Z1020/50)P(\frac{5}{20 / \sqrt{50}} \le Z \le \frac{10}{20 / \sqrt{50}})
P(55020Z105020)P(\frac{5\sqrt{50}}{20} \le Z \le \frac{10\sqrt{50}}{20})
P(504Z502)P(\frac{\sqrt{50}}{4} \le Z \le \frac{\sqrt{50}}{2})
507.071\sqrt{50} \approx 7.071より、
P(7.0714Z7.0712)P(\frac{7.071}{4} \le Z \le \frac{7.071}{2})
P(1.76775Z3.5355)P(1.76775 \le Z \le 3.5355)
ここで、標準正規分布の累積分布関数をΦ(z)\Phi(z)とすると、求める確率はΦ(3.5355)Φ(1.76775)\Phi(3.5355) - \Phi(1.76775)で計算できる。問題文のヒントよりZ3.1Z \ge 3.1 のとき Φ(Z)=1\Phi(Z) = 1と考えるため、Φ(3.5355)1\Phi(3.5355) \approx 1
Φ(1.76775)\Phi(1.76775)を求める。1.76と1.77の間を補完する方法がある。しかし、ここでは近似的に1.771.77の値を使うことにする。標準正規分布表より、Φ(1.77)0.9616\Phi(1.77) \approx 0.9616とする。
したがって、求める確率は10.9616=0.03841 - 0.9616 = 0.0384

3. 最終的な答え

0.0384

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