実質所得 $Y = 1$ を得る消費者の効用関数が $U(c_1, c_2) = 100 + 0.9c_1^{0.7} c_2^{0.3}$ のとき、効用最大化問題 $\max_{\{c_1, c_2, s\}} U(c_1, c_2)$ 制約条件 $Y = c_1 + s$, $(1+r)s = c_2$ を解き、現在の消費 $c_1$ を求める。

応用数学効用関数最適化ミクロ経済学
2025/5/28

1. 問題の内容

実質所得 Y=1Y = 1 を得る消費者の効用関数が U(c1,c2)=100+0.9c10.7c20.3U(c_1, c_2) = 100 + 0.9c_1^{0.7} c_2^{0.3} のとき、効用最大化問題
max{c1,c2,s}U(c1,c2)\max_{\{c_1, c_2, s\}} U(c_1, c_2)
制約条件 Y=c1+sY = c_1 + s, (1+r)s=c2(1+r)s = c_2
を解き、現在の消費 c1c_1 を求める。

2. 解き方の手順

まず、制約条件を効用関数に代入して、sを変数とした最大化問題を解く。
Y=c1+sY = c_1 + s より、c1=Ys=1sc_1 = Y - s = 1 - s
(1+r)s=c2(1+r)s = c_2
これらを効用関数に代入すると、
U(s)=100+0.9(1s)0.7((1+r)s)0.3U(s) = 100 + 0.9(1-s)^{0.7} ((1+r)s)^{0.3}
ラグランジュ乗数法を使うよりも、限界代替率と価格比率が等しいという条件を使う方が簡単。
効用関数を U(c1,c2)=100+0.9c10.7c20.3U(c_1, c_2) = 100 + 0.9c_1^{0.7} c_2^{0.3} とする。
Uc1=0.90.7c10.3c20.3=0.63c10.3c20.3\frac{\partial U}{\partial c_1} = 0.9 * 0.7 c_1^{-0.3} c_2^{0.3} = 0.63 c_1^{-0.3} c_2^{0.3}
Uc2=0.90.3c10.7c20.7=0.27c10.7c20.7\frac{\partial U}{\partial c_2} = 0.9 * 0.3 c_1^{0.7} c_2^{-0.7} = 0.27 c_1^{0.7} c_2^{-0.7}
MRS=U/c1U/c2=0.63c10.3c20.30.27c10.7c20.7=0.630.27c2c1=73c2c1MRS = \frac{\partial U / \partial c_1}{\partial U / \partial c_2} = \frac{0.63 c_1^{-0.3} c_2^{0.3}}{0.27 c_1^{0.7} c_2^{-0.7}} = \frac{0.63}{0.27} \frac{c_2}{c_1} = \frac{7}{3} \frac{c_2}{c_1}
予算制約は c1+c21+r=1c_1 + \frac{c_2}{1+r} = 1
したがって、p1p2=1+r\frac{p_1}{p_2} = 1+r
最適消費条件は、MRS=p1p2MRS = \frac{p_1}{p_2}
73c2c1=1+r\frac{7}{3} \frac{c_2}{c_1} = 1+r
c2=3(1+r)7c1c_2 = \frac{3(1+r)}{7} c_1
これを予算制約に代入する。
c1+3(1+r)7(1+r)c1=1c_1 + \frac{3(1+r)}{7(1+r)} c_1 = 1
c1+37c1=1c_1 + \frac{3}{7} c_1 = 1
107c1=1\frac{10}{7} c_1 = 1
c1=710=0.7c_1 = \frac{7}{10} = 0.7

3. 最終的な答え

c1=0.7c_1 = 0.7

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