半径 $r$ の滑らかな円弧（1/4を切り取ったもの）に沿って、質量 $m$ の物体を点Aから滑らせる。重力加速度の大きさを $g$ とする。 (1) 初速度0で滑らせたとき、最下点Bでの物体の速さと、そのときの垂直抗力の大きさを求める。 (2) 初速度 $v_0$ で滑らせたとき、最下点Bでの物体の速さと、そのときの垂直抗力の大きさを求める。 (3) 初速度 $v_1$ で滑らせたとき、物体が壁から離れずに点Cまで滑るための、$v_1$ の条件を求める。

1. 問題の内容

半径 $r$ の滑らかな円弧（1/4を切り取ったもの）に沿って、質量 $m$ の物体を点Aから滑らせる。重力加速度の大きさを $g$ とする。

(1) 初速度0で滑らせたとき、最下点Bでの物体の速さと、そのときの垂直抗力の大きさを求める。

(2) 初速度 $v_0$ で滑らせたとき、最下点Bでの物体の速さと、そのときの垂直抗力の大きさを求める。

(3) 初速度 $v_1$ で滑らせたとき、物体が壁から離れずに点Cまで滑るための、$v_1$ の条件を求める。

2. 解き方の手順

(1) 初速度0の場合

- エネルギー保存則より、点Aから点Bまでの落下で、位置エネルギーが運動エネルギーに変換される。

位置エネルギーの変化は $mgr$。

運動エネルギーの変化は $\frac{1}{2}mv^2 - 0$。

エネルギー保存則より、

$mgr = \frac{1}{2}mv^2$

よって、点Bでの速さ $v = \sqrt{2gr}$。

- 点Bでの垂直抗力 $N$ は、向心力と重力の合力に等しい。

運動方程式は、

$N - mg = m\frac{v^2}{r}$

$N = mg + m\frac{2gr}{r} = 3mg$

よって、垂直抗力は $3mg$。

(2) 初速度 $v_0$ の場合

- エネルギー保存則より、

$mgr + \frac{1}{2}mv_0^2 = \frac{1}{2}mv^2$

よって、点Bでの速さ $v = \sqrt{v_0^2 + 2gr}$。

- 点Bでの垂直抗力 $N$ は、向心力と重力の合力に等しい。

$N - mg = m\frac{v^2}{r}$

$N = mg + m\frac{v_0^2 + 2gr}{r} = mg + \frac{mv_0^2}{r} + 2mg = 3mg + \frac{mv_0^2}{r}$

よって、垂直抗力は $3mg + \frac{mv_0^2}{r}$。

(3) 初速度 $v_1$ の場合

- 点Cで垂直抗力が0となる条件を考える。点Cでの速さを $v_C$とする。

点Cでは、重力の水平方向成分が向心力となる。

$mg = \frac{mv_C^2}{r}$

$v_C = \sqrt{gr}$

- エネルギー保存則より、点Aから点Cまでで、

$\frac{1}{2}mv_1^2 = \frac{1}{2}mv_C^2 + mgr$

$\frac{1}{2}mv_1^2 = \frac{1}{2}mgr + mgr = \frac{3}{2}mgr$

$v_1^2 = 3gr$

$v_1 = \sqrt{3gr}$

3. 最終的な答え

(1) 点Bでの速さ: $\sqrt{2gr}$

垂直抗力: $3mg$

(2) 点Bでの速さ: $\sqrt{v_0^2 + 2gr}$

垂直抗力: $3mg + \frac{mv_0^2}{r}$

(3) $v_1 = \sqrt{3gr}$