ある財の市場において、需要曲線が $X = -P + 200$ で表される。当初、参入規制があり、供給曲線は $X = (1/2)P - 10$ であった。その後、参入規制が撤廃され、供給曲線は $X = P - 20$ に変化した。以下の問いに答えよ。 (1) 参入規制が課されていた時の価格と取引量 (2) 規制撤廃後の価格と取引量 (3) 参入規制があるときの総余剰と規制撤廃後の総余剰 (4) 既存生産者の参入規制下での生産者余剰と規制撤廃後の生産者余剰
2025/6/20
1. 問題の内容
ある財の市場において、需要曲線が で表される。当初、参入規制があり、供給曲線は であった。その後、参入規制が撤廃され、供給曲線は に変化した。以下の問いに答えよ。
(1) 参入規制が課されていた時の価格と取引量
(2) 規制撤廃後の価格と取引量
(3) 参入規制があるときの総余剰と規制撤廃後の総余剰
(4) 既存生産者の参入規制下での生産者余剰と規制撤廃後の生産者余剰
2. 解き方の手順
(1) 参入規制が課されていた時
需要曲線:
供給曲線:
均衡条件:需要=供給
したがって、価格は140、取引量は60である。
(2) 規制撤廃後
需要曲線:
供給曲線:
均衡条件:需要=供給
したがって、価格は110、取引量は90である。
(3) 総余剰
総余剰=消費者余剰+生産者余剰
消費者余剰は、需要曲線と均衡価格によって囲まれた三角形の面積。
生産者余剰は、供給曲線と均衡価格によって囲まれた三角形の面積。
(i)参入規制下
需要曲線:
供給曲線:
均衡価格:、均衡取引量:
消費者余剰:
生産者余剰:
総余剰:
(ii)規制撤廃後
需要曲線:
供給曲線:
均衡価格:、均衡取引量:
消費者余剰:
生産者余剰:
総余剰:
(4) 既存生産者の余剰
(i)参入規制下
供給曲線:
均衡価格:、均衡取引量:
生産者余剰:
(ii)規制撤廃後
供給曲線:
均衡価格:、均衡取引量:
生産者余剰:
ただし、規制撤廃によって供給曲線がシフトしているため、規制下で生産していた生産者が規制撤廃後も同じように生産できるとは限りません。
規制撤廃後の生産者余剰を考える際、参入規制下で生産していた既存生産者が規制撤廃後も同じように生産を継続していると仮定して、その生産者余剰を計算します。
既存生産者の供給曲線は より です。
規制撤廃後の均衡価格はなので、この価格で既存生産者が生産を継続する場合、生産量Xは、
となります。
このときの生産者余剰は、 となります。
3. 最終的な答え
(1) 価格:140、取引量:60
(2) 価格:110、取引量:90
(3) 規制下総余剰:5400、規制撤廃後総余剰:8100
(4) 規制下生産者余剰:3600、規制撤廃後既存生産者の余剰:2025