$a$ を正の定数とする。不等式 $|x-2| < a$ を満たす整数 $x$ がちょうど5個存在するような $a$ の値の範囲を求める。

代数学不等式絶対値整数解
2025/6/1
## 問題21(1)

1. 問題の内容

aa を正の定数とする。不等式 x2<a|x-2| < a を満たす整数 xx がちょうど5個存在するような aa の値の範囲を求める。

2. 解き方の手順

まず、不等式 x2<a|x-2| < a を解く。
これは a<x2<a-a < x-2 < a と同値である。
したがって、2a<x<2+a2-a < x < 2+a となる。
この不等式を満たす整数 xx が5個存在するということは、xx が整数であるため、
x=22,21,2,2+1,2+2x = 2-2, 2-1, 2, 2+1, 2+2, つまり x=0,1,2,3,4x = 0, 1, 2, 3, 4 となることが考えられる。
このとき、2a<02-a < 0 かつ 4<2+a4 < 2+a となる必要がある。
さらに、2a12-a \ge -1 または 52+a5 \ge 2+a が成立すると、整数解が6個以上になってしまうので、2a12-a \ge -1 および 52+a5 \ge 2+a は成立しない必要がある。
xxが0,1,2,3,4の5つの整数であるためには
12a<0-1 \le 2-a < 0 かつ 4<2+a54 < 2+a \le 5
である必要がある。
それぞれの不等式を解く。
まず、12a<0-1 \le 2-a < 0 より、
3a<2-3 \le -a < -2
2<a32 < a \le 3
次に、4<2+a54 < 2+a \le 5 より、
2<a32 < a \le 3
これらを合わせた範囲は 2<a32 < a \le 3 となる。

3. 最終的な答え

2<a32 < a \le 3
## 問題21(2)

1. 問題の内容

aa を正の定数とする。不等式 x14<a|x - \frac{1}{4}| < a を満たす整数 xx がちょうど5個存在するような aa の値の範囲を求める。

2. 解き方の手順

まず、不等式 x14<a|x - \frac{1}{4}| < a を解く。
これは a<x14<a-a < x - \frac{1}{4} < a と同値である。
したがって、14a<x<14+a\frac{1}{4} - a < x < \frac{1}{4} + a となる。
この不等式を満たす整数 xx が5個存在するということは、
xx が整数であるため、その5つの整数を n,n+1,n+2,n+3,n+4n, n+1, n+2, n+3, n+4 とすると、
14a<n\frac{1}{4} - a < n かつ n+4<14+an+4 < \frac{1}{4} + a
を満たす必要がある。
また、n114an-1 \le \frac{1}{4} - a または 14+an+5\frac{1}{4} + a \le n+5 が成立すると、整数解が6個以上になってしまうので、n114an-1 \le \frac{1}{4} - a および 14+an+5\frac{1}{4} + a \le n+5 は成立しない必要がある。
したがって、n1>14an-1 > \frac{1}{4} - a かつ n+4<14+an+4 < \frac{1}{4} + a の必要がある。
n1>14an-1 > \frac{1}{4} - a より、a>54na > \frac{5}{4} - n
n+4<14+an+4 < \frac{1}{4} + a より、a>n+154a > n + \frac{15}{4}
また、nx<n+1n \le x < n+1 となるような整数 xx が5つ存在するので、
14a<n\frac{1}{4} - a < n かつ n+4<14+a<n+5n+4 < \frac{1}{4} + a < n+5である。
n114an-1 \le \frac{1}{4} -a および n+514+an+5 \le \frac{1}{4} + a を満たしてはならない。
n14<a<n+114n - \frac{1}{4} < a < n+1 - \frac{1}{4}とすると、5つの解が存在するとき
n14<an54n - \frac{1}{4} < a \le n - \frac{5}{4} である。
整数xがn,n+1,n+2,n+3,n+4の5つであるとき、aの条件は
n+4<14+a<n+5n+4 < \frac{1}{4} + a < n+5 かつ n1<14a<nn-1 < \frac{1}{4} - a < n となる。
この条件を変形すると
n+154<a<n+194n + \frac{15}{4} < a < n + \frac{19}{4} である。
解が5個となる条件は
14a<n<n+1<n+2<n+3<n+4<14+a\frac{1}{4}-a < n < n+1 < n+2 < n+3 < n+4 < \frac{1}{4}+aである。
xxの整数解が5個であるとき、
n+154<an+194for some nZn + \frac{15}{4} < a \le n + \frac{19}{4} \qquad \text{for some } n \in \mathbb{Z}.
n14+a<n+5n \le \frac{1}{4} + a < n+5
a=n+4+14a=n+4+\frac{1}{4}とすると、xxn,n+1,n+2,n+3,n+4n,n+1,n+2,n+3,n+4の5個だから、x(n,n+5)x \in (n, n+5).
51/4<a5-1/4 < a. 19/4=4.7519/4 = 4.75.
整数解 xx が5個であるための条件は、nnを整数として
n+414=n+154<an+514=n+194n+4-\frac{1}{4} = n + \frac{15}{4} < a \le n+5-\frac{1}{4} = n + \frac{19}{4}.
このとき x=n,n+1,n+2,n+3,n+4x = n, n+1, n+2, n+3, n+4 が解となる。
特に、一番小さい解が n=2n = -2 の場合、(2,1,0,1,2)(-2, -1, 0, 1, 2) が解となり、
1542<a1942\frac{15}{4} - 2 < a \le \frac{19}{4} - 2
74<a114\frac{7}{4} < a \le \frac{11}{4}.
a=2.75a=2.75のとき、解は(2.5<x<3)(-2.5 < x < 3) で整数解は-2,-1,0,1,2,3の6個となり条件を満たさない。
3.75<a <= 4.75
x-1/4 = aとなる整数xが5個の場合
n, n+1, n+2, n+3, n+4
5214<a<154+14\frac{5}{2} - \frac{1}{4} < a < \frac{15}{4}+\frac{1}{4}
154<a194\frac{15}{4} < a \le \frac{19}{4}.

3. 最終的な答え

74<a114\frac{7}{4} < a \le \frac{11}{4}

「代数学」の関連問題

次の連立不等式を解きます。 $\begin{cases} 3x + 8 \ge 4x - 3 \\ 2(3x + 1) > x - 2 \end{cases}$

不等式連立不等式一次不等式
2025/6/3

与えられた方程式 $3x - 4y + 2 = 0$ を $y$ について解く問題です。

一次方程式式の変形連立方程式
2025/6/3

与えられた方程式 $3x - 4 + 20 = 0$ を解き、$x$ の値を求める問題です。

一次方程式方程式の解法移項計算
2025/6/3

与えられた数式 $24xy^2 \div (-6y)$ を計算し、簡略化します。

式の計算単項式多項式割り算
2025/6/3

与えられた漸化式から数列 $\{a_n\}$ の一般項を求める問題です。問題は (1) と (2) の2つの部分に分かれています。 (1) $a_1 = 1$, $a_{n+1} = 2a_n + 7...

数列漸化式特性方程式等比数列
2025/6/3

数列 $\{a_n\}$ が、$a_1 = 0$ および漸化式 $2a_{n+1} - 3a_n = 1$ で定義されているとき、一般項 $a_n$ を求める問題です。

数列漸化式等比数列特性方程式
2025/6/3

$a$ を実数とします。2つの2次方程式 $ax^2 - 4x + 2a = 0$ $x^2 - 2ax + 2a^2 - 2a - 3 = 0$ について、以下の問いに答えます。 (1) 2つの方程...

二次方程式判別式実数解解の範囲不等式
2025/6/3

数列 $\{a_n\}$ が、初期条件 $a_1 = 0$ と漸化式 $2a_{n+1} - 3a_n = 1$ で定義されています。この数列の一般項 $a_n$ を求める問題です。

数列漸化式特性方程式等比数列
2025/6/3

与えられた式を計算し、簡略化せよ。式は $2(x-3)(x+3) + (x-2)(x-9)$ である。

式の展開多項式因数分解簡略化
2025/6/3

数列 $\{a_n\}$ が与えられた漸化式 $a_{n+1} = a_n - 2n + 4$ および初期条件 $a_1 = 1$ を満たすとき、一般項 $a_n$ を求める問題です。

数列漸化式一般項telescoping sum
2025/6/3