ある投資プロジェクトの初期投資が8億円、利子率が10%で、1年後、2年後、3年後と毎年3億円の利益が出ると仮定します。 (1) 1年後から3年後の利益の割引現在価値 $PV_1, PV_2, PV_3$ を計算します。 (2) (1)の結果を使って、投資の割引現在価値を計算し、その投資プロジェクトを実施すべきかどうか判断します。 (3) 利子率と期間が異なる場合の割引現在価値を計算します。

応用数学割引現在価値NPVキャッシュフロー投資金融
2025/6/3

1. 問題の内容

ある投資プロジェクトの初期投資が8億円、利子率が10%で、1年後、2年後、3年後と毎年3億円の利益が出ると仮定します。
(1) 1年後から3年後の利益の割引現在価値 PV1,PV2,PV3PV_1, PV_2, PV_3 を計算します。
(2) (1)の結果を使って、投資の割引現在価値を計算し、その投資プロジェクトを実施すべきかどうか判断します。
(3) 利子率と期間が異なる場合の割引現在価値を計算します。

2. 解き方の手順

(1) 割引現在価値の計算:
割引現在価値は、将来のキャッシュフローを現在の価値に割り引いたものです。割引率は利子率を使用します。
* PV1=31+0.1=31.12.72727...PV_1 = \frac{3}{1+0.1} = \frac{3}{1.1} \approx 2.72727...
小数点第3位以下を切り捨てて、PV1=2.72PV_1 = 2.72 億円
* PV2=3(1+0.1)2=31.212.47933...PV_2 = \frac{3}{(1+0.1)^2} = \frac{3}{1.21} \approx 2.47933...
小数点第3位以下を切り捨てて、PV2=2.47PV_2 = 2.47 億円
* PV3=3(1+0.1)3=31.3312.25394...PV_3 = \frac{3}{(1+0.1)^3} = \frac{3}{1.331} \approx 2.25394...
小数点第3位以下を切り捨てて、PV3=2.25PV_3 = 2.25 億円
(2) 投資の割引現在価値の計算:
投資の割引現在価値は、将来のキャッシュフローの割引現在価値の合計から初期投資を差し引いたものです。
* 割引現在価値の合計 = PV1+PV2+PV3=2.72+2.47+2.25=7.44PV_1 + PV_2 + PV_3 = 2.72 + 2.47 + 2.25 = 7.44 億円
* 正味現在価値 (NPV) = 割引現在価値の合計 - 初期投資 = 7.448=0.567.44 - 8 = -0.56 億円
(3) 投資判断:
割引現在価値が初期投資を下回るため、この投資プロジェクトは実施すべきではありません。
(4) その他の割引現在価値の計算:
(1) 利子率3%とするとき、3年後の200万円の割引現在価値:
PV=200(1+0.03)3=2001.092727183.027...PV = \frac{200}{(1+0.03)^3} = \frac{200}{1.092727} \approx 183.027... 万円
1円未満を切り捨てて、PV=183027PV = 183027
(2) 割引率を10%としたとき、2年後の3000万円の割引現在価値:
PV=3000(1+0.1)2=30001.212479.33...PV = \frac{3000}{(1+0.1)^2} = \frac{3000}{1.21} \approx 2479.33... 万円
1円未満を切り捨てて、PV=24793306PV = 24793306

3. 最終的な答え

* PV1=2.72PV_1 = 2.72 億円
* PV2=2.47PV_2 = 2.47 億円
* PV3=2.25PV_3 = 2.25 億円
* ア = -0.56 億円
* イ = 2.○ 実施すべきでない
* 利子率3%の場合の3年後の200万円の割引現在価値 = 183027 円
* 割引率10%の場合の2年後の3000万円の割引現在価値 = 24793306 円

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