ある市場におけるチーズの需給曲線が与えられています。 需要曲線: $D = -0.5p + 12$ 供給曲線: $S = p - 3$ 政府がチーズの最低価格を現在の均衡価格より20%増と60%増に設定する場合、それぞれの消費者余剰、生産者余剰と死荷重を求めます。

応用数学経済学ミクロ経済学需要曲線供給曲線消費者余剰生産者余剰死荷重価格規制
2025/6/3

1. 問題の内容

ある市場におけるチーズの需給曲線が与えられています。
需要曲線: D=0.5p+12D = -0.5p + 12
供給曲線: S=p3S = p - 3
政府がチーズの最低価格を現在の均衡価格より20%増と60%増に設定する場合、それぞれの消費者余剰、生産者余剰と死荷重を求めます。

2. 解き方の手順

まず、均衡価格と均衡数量を求めます。均衡点では、需要量と供給量が等しくなります。
D=SD = S
0.5p+12=p3-0.5p + 12 = p - 3
1.5p=151.5p = 15
p=10p = 10
均衡価格は10です。
均衡数量は、需要曲線または供給曲線に均衡価格を代入して求めます。
S=103=7S = 10 - 3 = 7
したがって、均衡数量は7です。
次に、最低価格が均衡価格の20%増の場合を考えます。
最低価格 = 10×1.2=1210 \times 1.2 = 12
この価格での需要量と供給量を求めます。
需要量: D=0.5×12+12=6+12=6D = -0.5 \times 12 + 12 = -6 + 12 = 6
供給量: S=123=9S = 12 - 3 = 9
需要量が供給量よりも少ないため、取引量は需要量に制限されます。したがって、取引量は6です。
消費者余剰 (CS) は、需要曲線と価格レベルの間の領域です。
CS = 12×(2412)×6=12×12×6=36\frac{1}{2} \times (24 - 12) \times 6 = \frac{1}{2} \times 12 \times 6 = 36
生産者余剰 (PS) は、供給曲線と価格レベルの間の領域です。
PS = (123)×612×(3(3))×6=5418=36(12-3) \times 6 - \frac{1}{2} \times (3-(-3))\times 6 = 54-18 = 36
死荷重 (DWL) は、本来取引されるはずだった量が取引されなくなったことによる損失です。この場合、取引量は7から6に減少しました。
DWL = 12×(1210)×(76)=12×2×1=1\frac{1}{2} \times (12 - 10) \times (7 - 6) = \frac{1}{2} \times 2 \times 1 = 1
次に、最低価格が均衡価格の60%増の場合を考えます。
最低価格 = 10×1.6=1610 \times 1.6 = 16
この価格での需要量と供給量を求めます。
需要量: D=0.5×16+12=8+12=4D = -0.5 \times 16 + 12 = -8 + 12 = 4
供給量: S=163=13S = 16 - 3 = 13
需要量が供給量よりも少ないため、取引量は需要量に制限されます。したがって、取引量は4です。
消費者余剰 (CS) は、需要曲線と価格レベルの間の領域です。
CS = 12×(2416)×4=12×8×4=16\frac{1}{2} \times (24 - 16) \times 4 = \frac{1}{2} \times 8 \times 4 = 16
生産者余剰 (PS) は、供給曲線と価格レベルの間の領域です。
PS = (163)×412×(3(3))×4=5212=40(16-3) \times 4 - \frac{1}{2} \times (3-(-3)) \times 4 = 52 - 12 = 40
死荷重 (DWL) は、本来取引されるはずだった量が取引されなくなったことによる損失です。この場合、取引量は7から4に減少しました。
DWL = 12×(1610)×(74)=12×6×3=9\frac{1}{2} \times (16 - 10) \times (7 - 4) = \frac{1}{2} \times 6 \times 3 = 9

3. 最終的な答え

最低価格が均衡価格の20%増の場合:
消費者余剰 (CS) = 36
生産者余剰 (PS) = 36
死荷重 (DWL) = 1
最低価格が均衡価格の60%増の場合:
消費者余剰 (CS) = 16
生産者余剰 (PS) = 40
死荷重 (DWL) = 9

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