(1) 複素数 $z$ について、$|z|=1$ を満たす点の全体が表す図形と、$|z-1| = |z+1|$ を満たす点の全体が表す図形の交点の値を求める。 (2) 複素数平面上に点 O(0), A($\alpha$), B(2) がある。$\alpha$ は $\alpha^2 - 3\alpha + 3 = 0$ を満たし、$\alpha$ の虚部は正である。このとき、$\angle BOA$ の値と、$\triangle BOA$ の外接円の中心 C($\gamma$) の値を求める。 (3) 無限級数 $\frac{1}{1\cdot3} + \frac{1}{3\cdot5} + \dots + \frac{1}{(2n-1)(2n+1)} + \dots$ の和を求める。

代数学複素数複素数平面無限級数等比数列絶対値
2025/6/3

1. 問題の内容

(1) 複素数 zz について、z=1|z|=1 を満たす点の全体が表す図形と、z1=z+1|z-1| = |z+1| を満たす点の全体が表す図形の交点の値を求める。
(2) 複素数平面上に点 O(0), A(α\alpha), B(2) がある。α\alphaα23α+3=0\alpha^2 - 3\alpha + 3 = 0 を満たし、α\alpha の虚部は正である。このとき、BOA\angle BOA の値と、BOA\triangle BOA の外接円の中心 C(γ\gamma) の値を求める。
(3) 無限級数 113+135++1(2n1)(2n+1)+\frac{1}{1\cdot3} + \frac{1}{3\cdot5} + \dots + \frac{1}{(2n-1)(2n+1)} + \dots の和を求める。

2. 解き方の手順

(1)
z=1|z|=1 は、原点を中心とする半径 1 の円を表す。
z1=z+1|z-1| = |z+1| は、zz と点 1, -1 の距離が等しいことを意味する。これは、線分 -1, 1 の垂直二等分線、つまり虚軸を表す。
z=1|z|=1 と虚軸の交点を求めるには、z=iyz=iy とおき、iy=1|iy|=1 を解けばよい。
iy=iy=y=1|iy| = |i||y| = |y| = 1 より、y=±1y = \pm 1
したがって、交点は z=±iz = \pm i
(2)
α23α+3=0\alpha^2 - 3\alpha + 3 = 0 を解くと、
α=3±9122=3±i32\alpha = \frac{3 \pm \sqrt{9 - 12}}{2} = \frac{3 \pm i\sqrt{3}}{2}
α\alpha の虚部は正であるから、α=3+i32\alpha = \frac{3 + i\sqrt{3}}{2}
α=3(32+12i)=3eiπ/6\alpha = \sqrt{3} (\frac{\sqrt{3}}{2} + \frac{1}{2}i) = \sqrt{3} e^{i\pi/6}
したがって、α=3|\alpha| = \sqrt{3}
arg(α)=π6\arg(\alpha) = \frac{\pi}{6}
B(2) であるから、OB=2|OB|=2
BOA=arg(2)arg(α)=0π6=π6\angle BOA = \arg(2) - \arg(\alpha) = 0 - \frac{\pi}{6} = -\frac{\pi}{6}
よってBOA\angle BOAの絶対値はπ6\frac{\pi}{6}である。
BOA\triangle BOA の外接円の中心 γ\gamma は、線分 OA の垂直二等分線と、線分 OB の垂直二等分線の交点である。
線分 OB の垂直二等分線は、x=1x=1 である。
線分 OA の中点は α2=3+i34\frac{\alpha}{2} = \frac{3+i\sqrt{3}}{4}
OAの傾きは3/23/2=33\frac{\sqrt{3}/2}{3/2} = \frac{\sqrt{3}}{3}なので、OAの垂直二等分線の傾きは3-\sqrt{3}となる。
よってOAの垂直二等分線の式は
y34=3(x34)y - \frac{\sqrt{3}}{4} = -\sqrt{3}(x - \frac{3}{4})
y34=3x+334y - \frac{\sqrt{3}}{4} = -\sqrt{3}x + \frac{3\sqrt{3}}{4}
y=3x+3y = -\sqrt{3}x + \sqrt{3}
x=1x=1を代入すると、y=0y = 0
γ=1+i34\gamma = 1+\frac{i\sqrt{3}}{4}
(3)
1(2n1)(2n+1)=12(12n112n+1)\frac{1}{(2n-1)(2n+1)} = \frac{1}{2} \left( \frac{1}{2n-1} - \frac{1}{2n+1} \right) を利用する。
Sn=k=1n1(2k1)(2k+1)=12k=1n(12k112k+1)S_n = \sum_{k=1}^n \frac{1}{(2k-1)(2k+1)} = \frac{1}{2} \sum_{k=1}^n \left( \frac{1}{2k-1} - \frac{1}{2k+1} \right)
Sn=12[(1113)+(1315)++(12n112n+1)]S_n = \frac{1}{2} \left[ \left( \frac{1}{1} - \frac{1}{3} \right) + \left( \frac{1}{3} - \frac{1}{5} \right) + \dots + \left( \frac{1}{2n-1} - \frac{1}{2n+1} \right) \right]
Sn=12(112n+1)S_n = \frac{1}{2} \left( 1 - \frac{1}{2n+1} \right)
nn \to \infty のとき、12n+10\frac{1}{2n+1} \to 0
したがって、無限級数の和は
limnSn=12(10)=12\lim_{n \to \infty} S_n = \frac{1}{2} (1 - 0) = \frac{1}{2}

3. 最終的な答え

(1) ±i\pm i
(2) BOA=π6\angle BOA = \frac{\pi}{6}, γ=1\gamma = 1
(3) 12\frac{1}{2}

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