問題1は、2つの二次方程式 $x^2 + kx + \frac{k}{4} + 3 = 0$ (①) $x^2 - 2kx + k + 6 = 0$ (②) について、以下の問いに答える問題です。 (1) ①が異なる2つの実数解をもつときの $k$ の範囲を求めよ。 (2) ②が正と負の解をもつときの $k$ の範囲を求めよ。 (3) ①が異なる2つの正の解をもち、②が異なる2つの負の解をもつときの $k$ の範囲を求めよ。 問題2は、2次不等式 $x^2 + mx + m < 0$ について、以下の問いに答える問題です。 (1) $x^2 + mx + m < 0$ が実数の解をもたないとき、定数 $m$ の値の範囲を求めよ。 (2) $x^2 + mx + m < 0$ の解が区間 $0 \leq x \leq 1$ を含むような定数 $m$ の値の範囲を求めよ。

代数学二次方程式二次不等式判別式解と係数の関係
2025/6/3

1. 問題の内容

問題1は、2つの二次方程式
x2+kx+k4+3=0x^2 + kx + \frac{k}{4} + 3 = 0 (①)
x22kx+k+6=0x^2 - 2kx + k + 6 = 0 (②)
について、以下の問いに答える問題です。
(1) ①が異なる2つの実数解をもつときの kk の範囲を求めよ。
(2) ②が正と負の解をもつときの kk の範囲を求めよ。
(3) ①が異なる2つの正の解をもち、②が異なる2つの負の解をもつときの kk の範囲を求めよ。
問題2は、2次不等式 x2+mx+m<0x^2 + mx + m < 0 について、以下の問いに答える問題です。
(1) x2+mx+m<0x^2 + mx + m < 0 が実数の解をもたないとき、定数 mm の値の範囲を求めよ。
(2) x2+mx+m<0x^2 + mx + m < 0 の解が区間 0x10 \leq x \leq 1 を含むような定数 mm の値の範囲を求めよ。

2. 解き方の手順

問題1
(1)
①が異なる2つの実数解をもつためには、判別式 D1>0D_1 > 0 であればよい。
D1=k24(k4+3)=k2k12>0D_1 = k^2 - 4(\frac{k}{4} + 3) = k^2 - k - 12 > 0
(k4)(k+3)>0(k-4)(k+3) > 0
よって、k<3k < -3 または k>4k > 4
(2)
②が正と負の解をもつためには、解と係数の関係より、解の積が負であればよい。
x22kx+k+6=0x^2 - 2kx + k + 6 = 0 の解の積は k+6k+6 なので、
k+6<0k + 6 < 0
よって、k<6k < -6
(3)
①が異なる2つの正の解をもつためには、
(i) 判別式 D1>0D_1 > 0
(ii) 解の和 >0> 0
(iii) 解の積 >0> 0
である必要がある。
(i) は (1) より、k<3k < -3 または k>4k > 4
(ii) 解の和は k-k なので、k>0-k > 0 より k<0k < 0
(iii) 解の積は k4+3\frac{k}{4} + 3 なので、k4+3>0\frac{k}{4} + 3 > 0 より k>12k > -12
(i), (ii), (iii) を満たす kk の範囲は 12<k<3-12 < k < -3
②が異なる2つの負の解をもつためには、
(i) 判別式 D2>0D_2 > 0
(ii) 解の和 <0< 0
(iii) 解の積 >0> 0
である必要がある。
D2=(2k)24(k+6)=4k24k24=4(k2k6)=4(k3)(k+2)>0D_2 = (-2k)^2 - 4(k+6) = 4k^2 - 4k - 24 = 4(k^2 - k - 6) = 4(k-3)(k+2) > 0
より、k<2k < -2 または k>3k > 3
(ii) 解の和は 2k2k なので、2k<02k < 0 より k<0k < 0
(iii) 解の積は k+6k + 6 なので、k+6>0k + 6 > 0 より k>6k > -6
(i), (ii), (iii) を満たす kk の範囲は 6<k<2-6 < k < -2
①と②を両方満たす kk の範囲は、共通部分を考える。
12<k<3-12 < k < -36<k<2-6 < k < -2 の共通範囲は 6<k<3-6 < k < -3
問題2
(1)
x2+mx+m<0x^2 + mx + m < 0 が実数の解をもたないということは、x2+mx+m=0x^2 + mx + m = 0 が実数解を持たない、または重解を持つことを意味する。よって判別式 D0D \leq 0
D=m24m0D = m^2 - 4m \leq 0
m(m4)0m(m - 4) \leq 0
よって、0m40 \leq m \leq 4
(2)
f(x)=x2+mx+mf(x) = x^2 + mx + m とおく。
x2+mx+m<0x^2 + mx + m < 0 の解が区間 0x10 \leq x \leq 1 を含むためには、少なくとも f(x)=0f(x) = 00x10 \leq x \leq 1 に解を持つ必要がある。
(i) f(0)0f(0) \leq 0 かつ f(1)0f(1) \leq 0 の場合
f(0)=m0f(0) = m \leq 0
f(1)=1+m+m=2m+10f(1) = 1 + m + m = 2m + 1 \leq 0
よって、m12m \leq -\frac{1}{2}
f(x)=x2+mx+m=(x+m2)2m24+mf(x) = x^2 + mx + m = (x + \frac{m}{2})^2 - \frac{m^2}{4} + m
x=m2x = -\frac{m}{2}
(ii) 0m210 \leq -\frac{m}{2} \leq 1 のとき、すなわち 2m0-2 \leq m \leq 0 のとき
f(0)0f(0) \leq 0 または f(1)0f(1) \leq 0 であれば条件を満たす。
m0m \leq 0 は既にわかっているので、f(x)=0f(x) = 00x10 \leq x \leq 1 に解を持つ場合を考える。
f(0)f(1)0f(0)f(1) \leq 0 であればよい。
m(2m+1)0m(2m + 1) \leq 0
12m0-\frac{1}{2} \leq m \leq 0
(iii) 判別式 D=m24m>0D = m^2 - 4m > 0 のとき、異なる2つの実数解を持つ。
m<0m < 0 または m>4m > 4
解を α,β\alpha, \beta とすると α<0<1<β\alpha < 0 < 1 < \beta または α<0<β<1\alpha < 0 < \beta < 1 または 0<α<1<β0 < \alpha < 1 < \beta
のいずれかを満たせばよい。
上記(i), (ii), (iii) を考慮すると、12m0 -\frac{1}{2} \leq m \leq 0 または m>4 m>4 を満たす必要がある。

3. 最終的な答え

問題1
(1) k<3k < -3 または k>4k > 4
(2) k<6k < -6
(3) 6<k<3-6 < k < -3
問題2
(1) 0m40 \leq m \leq 4
(2) m12m \leq -\frac{1}{2}

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