関数 $f(x)$ が与えられています。 $f(x) = \begin{cases} 0 & (x \in \mathbb{Q}) \\ x & (x \in \mathbb{R} \setminus \mathbb{Q}) \end{cases}$ このとき、$f(x)$ が $x=0$ で連続であることを示し、$x \neq 0$ で連続でないことを示してください。

解析学連続性関数極限実数有理数無理数
2025/6/4

1. 問題の内容

関数 f(x)f(x) が与えられています。
f(x)={0(xQ)x(xRQ)f(x) = \begin{cases} 0 & (x \in \mathbb{Q}) \\ x & (x \in \mathbb{R} \setminus \mathbb{Q}) \end{cases}
このとき、f(x)f(x)x=0x=0 で連続であることを示し、x0x \neq 0 で連続でないことを示してください。

2. 解き方の手順

(1) x=0x=0 での連続性を示す。
任意の ϵ>0\epsilon > 0 に対して、ある δ>0\delta > 0 が存在し、x0<δ|x-0| < \delta ならば f(x)f(0)<ϵ|f(x) - f(0)| < \epsilon となることを示せば良い。
f(0)=0f(0) = 0 である。
f(x)f(0)=f(x)|f(x) - f(0)| = |f(x)| であるから、f(x)<ϵ|f(x)| < \epsilon を示せば良い。
xQx \in \mathbb{Q} のとき、f(x)=0f(x) = 0 より f(x)=0<ϵ|f(x)| = 0 < \epsilon が成り立つ。
xRQx \in \mathbb{R} \setminus \mathbb{Q} のとき、f(x)=xf(x) = x より f(x)=x|f(x)| = |x| である。
したがって、x<δ|x| < \delta ならば f(x)<ϵ|f(x)| < \epsilon となる δ\delta を見つければよい。
δ=ϵ\delta = \epsilon とすれば、x<δ|x| < \delta ならば、f(x)=x<ϵ|f(x)| = |x| < \epsilon が成り立つ。
よって、x=0x=0 で連続である。
(2) x0x \neq 0 での非連続性を示す。
x00x_0 \neq 0 とする。x0x_0 が有理数の場合と無理数の場合に分けて考える。
(i) x0Qx_0 \in \mathbb{Q} のとき、f(x0)=0f(x_0) = 0 である。
任意の δ>0\delta > 0 に対して、区間 (x0δ,x0+δ)(x_0 - \delta, x_0 + \delta) には無理数が存在する。
そのような無理数 xx を選ぶと、xx0<δ|x - x_0| < \delta である。
このとき、f(x)f(x0)=x0=x|f(x) - f(x_0)| = |x - 0| = |x| である。
x00x_0 \neq 0 であるので、xxx0x_0 に近づけていくと、x|x|x0|x_0| に近づいていく。
x0>0|x_0| > 0 より、ϵ=x0/2\epsilon = |x_0|/2 とすれば、f(x)f(x0)>ϵ|f(x) - f(x_0)| > \epsilon となる xx が存在する。
したがって、x0x_0 で連続ではない。
(ii) x0RQx_0 \in \mathbb{R} \setminus \mathbb{Q} のとき、f(x0)=x0f(x_0) = x_0 である。
任意の δ>0\delta > 0 に対して、区間 (x0δ,x0+δ)(x_0 - \delta, x_0 + \delta) には有理数が存在する。
そのような有理数 xx を選ぶと、xx0<δ|x - x_0| < \delta である。
このとき、f(x)f(x0)=0x0=x0|f(x) - f(x_0)| = |0 - x_0| = |x_0| である。
x00x_0 \neq 0 であるので、x0>0|x_0| > 0 である。ϵ=x0/2\epsilon = |x_0|/2 とすれば、f(x)f(x0)>ϵ|f(x) - f(x_0)| > \epsilon となる xx が存在する。
したがって、x0x_0 で連続ではない。
よって、x0x \neq 0 で連続ではない。

3. 最終的な答え

x=0x=0 で連続であり、x0x \neq 0 で連続ではない。

「解析学」の関連問題

(13) $\lim_{x\to 0} \frac{1 - \cos{\frac{x}{2}}}{x^2}$ と (14) $\lim_{x\to 0} \frac{1-\cos^2 x}{(1-\c...

極限三角関数テイラー展開ロピタルの定理
2025/6/5

$a>0$ とする。関数 $y = ae^{\frac{x}{a}}$ と $y = ae^{-\frac{x}{a}}$ のグラフと、$y$ 軸に平行な直線との交点をそれぞれ $P, Q$ とすると...

軌跡指数関数双曲線関数積分弧長
2025/6/5

$\lim_{x \to 0} \frac{1 - \cos(2x)}{x^2}$ の極限値を求めます。

極限三角関数ロピタルの定理
2025/6/5

問題が複数あるようなので、一つずつ解いていきます。

極限三角関数ロピタルの定理
2025/6/5

テーラーの定理(n=1)の証明と教科書p.45の(n: 一般)の証明を参考に、テーラーの定理(n=2)を証明する。

テーラーの定理微分剰余項平均値の定理
2025/6/5

$f(x) = \log(1-x)$ の $x=0$ における3次までのテイラー展開を求める問題です。

テイラー展開マクローリン展開導関数対数関数三角関数
2025/6/5

$f(x) = \sin x$ の $x = \frac{\pi}{3}$ における2次の有限テーラー展開を求める。

テイラー展開三角関数微分
2025/6/5

関数 $f(x) = 3x^2$ について、導関数 $f'(a)$ を求め、さらにグラフ上の点$(1, 3)$における接線の傾きを求めよ。

微分導関数接線関数の微分
2025/6/5

関数 $f(x) = x^2$ の、指定された $x$ の値における微分係数を求める問題です。 (1) $x=2$ のときの微分係数を求めます。 (2) $x=-1$ のときの微分係数を求めます。

微分係数導関数関数の微分
2025/6/5

関数 $f(x, y) = \frac{\sqrt{x+y}}{xy}$ と $f(x, y) = e^x \sin(y)$ が与えられています。この問題は、おそらくこれらの関数に対して何らかの計算や...

偏微分多変数関数微分
2025/6/5