$a>0$ とする。関数 $y = ae^{\frac{x}{a}}$ と $y = ae^{-\frac{x}{a}}$ のグラフと、$y$ 軸に平行な直線との交点をそれぞれ $P, Q$ とするとき、次の問いに答えよ。 (1) 線分 $PQ$ の中点 $M$ の軌跡を求めよ。 (2) $x_0>0$ とする。$x$ 座標が $0 \leq x \leq x_0$ の範囲内にある点 $M$ の軌跡の長さを求めよ。

解析学軌跡指数関数双曲線関数積分弧長
2025/6/5

1. 問題の内容

a>0a>0 とする。関数 y=aexay = ae^{\frac{x}{a}}y=aexay = ae^{-\frac{x}{a}} のグラフと、yy 軸に平行な直線との交点をそれぞれ P,QP, Q とするとき、次の問いに答えよ。
(1) 線分 PQPQ の中点 MM の軌跡を求めよ。
(2) x0>0x_0>0 とする。xx 座標が 0xx00 \leq x \leq x_0 の範囲内にある点 MM の軌跡の長さを求めよ。

2. 解き方の手順

(1) yy 軸に平行な直線の方程式を x=tx = t とおく。ただし、tt は実数である。このとき、PP の座標は (t,aeta)(t, ae^{\frac{t}{a}})QQ の座標は (t,aeta)(t, ae^{-\frac{t}{a}}) となる。PQPQ の中点 MM の座標を (x,y)(x, y) とおくと、
x=t+t2=tx = \frac{t+t}{2} = t
y=aeta+aeta2=aeta+eta2=acosh(ta)y = \frac{ae^{\frac{t}{a}} + ae^{-\frac{t}{a}}}{2} = a \cdot \frac{e^{\frac{t}{a}} + e^{-\frac{t}{a}}}{2} = a \cosh\left(\frac{t}{a}\right)
となる。したがって、x=tx = t なので、
y=acosh(xa)y = a \cosh\left(\frac{x}{a}\right)
これが MM の軌跡である。
(2) MM の軌跡の長さを求める。y=acosh(xa)y = a \cosh\left(\frac{x}{a}\right) より、
dydx=a1asinh(xa)=sinh(xa)\frac{dy}{dx} = a \cdot \frac{1}{a} \sinh\left(\frac{x}{a}\right) = \sinh\left(\frac{x}{a}\right)
したがって、求める軌跡の長さ LL は、
L=0x01+(dydx)2dx=0x01+sinh2(xa)dxL = \int_0^{x_0} \sqrt{1 + \left(\frac{dy}{dx}\right)^2} dx = \int_0^{x_0} \sqrt{1 + \sinh^2\left(\frac{x}{a}\right)} dx
ここで、1+sinh2u=cosh2u1 + \sinh^2 u = \cosh^2 u なので、
L=0x0cosh2(xa)dx=0x0cosh(xa)dxL = \int_0^{x_0} \sqrt{\cosh^2\left(\frac{x}{a}\right)} dx = \int_0^{x_0} \cosh\left(\frac{x}{a}\right) dx
cosh(kx)dx=1ksinh(kx)+C\int \cosh(kx) dx = \frac{1}{k} \sinh(kx) + C
より、
L=[asinh(xa)]0x0=asinh(x0a)asinh(0a)=asinh(x0a)a0=asinh(x0a)L = \left[ a \sinh\left(\frac{x}{a}\right) \right]_0^{x_0} = a \sinh\left(\frac{x_0}{a}\right) - a \sinh\left(\frac{0}{a}\right) = a \sinh\left(\frac{x_0}{a}\right) - a \cdot 0 = a \sinh\left(\frac{x_0}{a}\right)
となる。

3. 最終的な答え

(1) y=acosh(xa)y = a \cosh\left(\frac{x}{a}\right)
(2) asinh(x0a)a \sinh\left(\frac{x_0}{a}\right)

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