関数 $f(x) = x|x|$ が与えられています。 (1) 導関数 $f'(x)$ を求めます。 (2) 導関数 $f'(x)$ が $x=0$ で微分可能でないことを示します。

解析学導関数微分可能性絶対値関数極限
2025/6/4

1. 問題の内容

関数 f(x)=xxf(x) = x|x| が与えられています。
(1) 導関数 f(x)f'(x) を求めます。
(2) 導関数 f(x)f'(x)x=0x=0 で微分可能でないことを示します。

2. 解き方の手順

(1) 導関数 f(x)f'(x) を求める。
まず、f(x)f(x) を場合分けして表現します。
x0x \geq 0 のとき、x=x|x| = x なので、f(x)=x2f(x) = x^2
x<0x < 0 のとき、x=x|x| = -x なので、f(x)=x2f(x) = -x^2
したがって、f(x)f(x) は次のように書けます。
$f(x) = \begin{cases}
x^2 & (x \geq 0) \\
-x^2 & (x < 0)
\end{cases}$
次に、各場合について微分します。
x>0x > 0 のとき、f(x)=2xf'(x) = 2x
x<0x < 0 のとき、f(x)=2xf'(x) = -2x
x=0x=0 での微分可能性を調べます。
右側極限: limh+0f(0+h)f(0)h=limh+0h20h=limh+0h=0\lim_{h \to +0} \frac{f(0+h) - f(0)}{h} = \lim_{h \to +0} \frac{h^2 - 0}{h} = \lim_{h \to +0} h = 0
左側極限: limh0f(0+h)f(0)h=limh0h20h=limh0h=0\lim_{h \to -0} \frac{f(0+h) - f(0)}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{-h^2 - 0}{h} = \lim_{h \to -0} -h = 0
したがって、x=0x=0 においても微分可能であり、f(0)=0f'(0)=0 です。
よって、導関数 f(x)f'(x) は次のように書けます。
$f'(x) = \begin{cases}
2x & (x \geq 0) \\
-2x & (x < 0)
\end{cases}$
これは f(x)=2xf'(x) = 2|x| と表すことができます。
(2) 導関数 f(x)f'(x)x=0x=0 で微分可能でないことを示す。
f(x)=2xf'(x) = 2|x| であり、これは x=0x=0 で微分可能かどうかを調べます。
微分可能性を調べるためには、右側極限と左側極限が一致するかどうかを調べます。
右側極限: limh+0f(0+h)f(0)h=limh+02h0h=limh+02hh=2\lim_{h \to +0} \frac{f'(0+h) - f'(0)}{h} = \lim_{h \to +0} \frac{2|h| - 0}{h} = \lim_{h \to +0} \frac{2h}{h} = 2
左側極限: limh0f(0+h)f(0)h=limh02h0h=limh02hh=2\lim_{h \to -0} \frac{f'(0+h) - f'(0)}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{2|h| - 0}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{-2h}{h} = -2
右側極限と左側極限が一致しないため、f(x)f'(x)x=0x=0 で微分可能ではありません。

3. 最終的な答え

(1) f(x)=2xf'(x) = 2|x|
(2) f(x)f'(x)x=0x=0 で微分可能ではない。

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