$|A - \lambda I| = 0$ を解く。 $\begin{vmatrix} 1-\lambda & 5 & 1 \\ 4 & -\lambda & 1 \\ 0 & 0 & -4-\lambda \end{vmatrix} = (1-\lambda)(-\lambda)(-4-\lambda) - 5(4)(-4-\lambda) - 1(0) = 0$ $(-4-\lambda)[(1-\lambda)(-\lambda) - 20] = 0$ $(-4-\lambda)(\lambda^2 - \lambda - 20) = 0$ $(-4-\lambda)(\lambda - 5)(\lambda + 4) = 0$ よって、固有値は $\lambda_1 = -4$, $\lambda_2 = 5$, $\lambda_3 = -4$。
2025/6/4
## 問題の内容
与えられた3つの行列が対角化可能かどうかを判定し、可能であれば対角化せよ。
(1)
(2)
(3)
## 解き方の手順
### (1) の行列
1. **固有値の計算**: 行列 $A = \begin{pmatrix} 1 & 5 & 1 \\ 4 & 0 & 1 \\ 0 & 0 & -4 \end{pmatrix}$ の固有方程式を計算する。
を解く。
よって、固有値は , , 。
2. **固有ベクトルの計算**: 各固有値に対応する固有ベクトルを求める。
* のとき:
。よって固有ベクトルは
と を選ぶ。
* のとき:
かつ かつ
であり、 。 とすると、固有ベクトルは 。
3. **対角化可能性の判定**: 固有ベクトルの線形独立性を確認する。固有値-4の固有空間の次元は2であり、固有値5の固有空間の次元は1である。行列のサイズは3x3なので、3つの線形独立な固有ベクトルが存在する。したがって、対角化可能である。
4. **対角化**:
とすると、
### (2) の行列
1. **固有値の計算**: 行列 $A = \begin{pmatrix} 0 & 1 & -1 \\ -2 & 3 & -1 \\ -1 & 1 & 1 \end{pmatrix}$ の固有方程式を計算する。
を解く。
固有値は , ,
2. **固有ベクトルの計算**: 各固有値に対応する固有ベクトルを求める。
* のとき:
, 。
したがって、。固有ベクトルは 。固有空間の次元は1。
* のとき:
最初の2つの式から、 。 。
より 。
したがって、。
3. **対角化可能性の判定**: 固有値0の固有空間の次元が1であるのに対し、固有値0は重複度2を持つ。したがって線形独立な固有ベクトルは2個であり、3x3行列を対角化するための3個の独立な固有ベクトルを得ることができない。よって対角化不可能。
### (3) の行列
1. **固有値の計算**: 行列 $A = \begin{pmatrix} 0 & 1 & 1 \\ 1 & 0 & 1 \\ 1 & 1 & 0 \end{pmatrix}$ の固有方程式を計算する。
したがって、固有値は , ,
2. **固有ベクトルの計算**: 各固有値に対応する固有ベクトルを求める。
* のとき:
一つ目と二つ目の式から、
したがって、
* のとき:
。よって、 と を選ぶ。
3. **対角化可能性の判定**: 固有値-1は重複度2を持ち、対応する固有空間の次元も2である。固有値2の固有空間の次元は1である。したがって線形独立な固有ベクトルは3個存在する。よって対角化可能。
4. **対角化**:
とすると、。
## 最終的な答え
(1) 対角化可能。,
(2) 対角化不可能。
(3) 対角化可能。,