3つの数 $\alpha$, $\beta$, $\alpha\beta$ ($\alpha < 0 < \beta$) を並び替えると等差数列になり、また並び替えると等比数列になる。$\alpha$と$\beta$を求めよ。

1. 問題の内容

3つの数 $\alpha$, $\beta$, $\alpha\beta$ ($\alpha < 0 < \beta$) を並び替えると等差数列になり、また並び替えると等比数列になる。$\alpha$と$\beta$を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、$\alpha, \beta, \alpha\beta$ が等差数列となる場合を考える。$\alpha < 0 < \beta$ であることに注意する。

等差数列の並び方は以下の6通りが考えられるが、$\alpha < \beta$の条件より、$\alpha \beta$が真ん中の項になる場合と、$\beta$が真ん中の項になる場合を考えればよい。

(1) $\alpha, \alpha\beta, \beta$

(2) $\beta, \alpha\beta, \alpha$

等比数列となる場合も同様に、$\alpha < 0 < \beta$の条件より、$\alpha$ が真ん中の項になる場合と、$\beta$が真ん中の項になる場合を考えればよい。

(3) $\alpha\beta, \alpha, \beta$

(4) $\beta, \alpha, \alpha\beta$

(i) $\alpha, \alpha\beta, \beta$ が等差数列、かつ、$\alpha\beta, \alpha, \beta$ が等比数列の場合：

等差数列であることから、

$2\alpha\beta = \alpha + \beta$

等比数列であることから、

$\alpha^2 = \alpha\beta \cdot \beta = \alpha \beta^2$

$\alpha \neq 0$ なので、$\alpha = \beta^2$ となる。

これを$2\alpha\beta = \alpha + \beta$ に代入すると、

$2\beta^3 = \beta^2 + \beta$

$2\beta^2 = \beta + 1$ ($\beta \neq 0$ より割ってよい。)

$2\beta^2 - \beta - 1 = 0$

$(2\beta + 1)(\beta - 1) = 0$

$\beta = 1, -1/2$

$\beta > 0$ より、$\beta = 1$ 。このとき、$\alpha = 1$ となるが、$\alpha < 0$ に反する。

(ii) $\alpha, \alpha\beta, \beta$ が等差数列、かつ、$\beta, \alpha, \alpha\beta$ が等比数列の場合：

等差数列であることから、

$2\alpha\beta = \alpha + \beta$

等比数列であることから、

$\alpha^2 = \beta \cdot \alpha\beta = \alpha \beta^2$

$\alpha \neq 0$ なので、$\alpha = \beta^2$ となる。

これは(i)と同じとなり矛盾する。

(iii) $\beta, \alpha\beta, \alpha$ が等差数列、かつ、$\alpha\beta, \alpha, \beta$ が等比数列の場合：

等差数列であることから、

$2\alpha\beta = \beta + \alpha$

等比数列であることから、

$\alpha^2 = \alpha\beta \cdot \beta = \alpha \beta^2$

$\alpha \neq 0$ なので、$\alpha = \beta^2$ となる。

これも(i)と同じとなり矛盾する。

(iv) $\beta, \alpha\beta, \alpha$ が等差数列、かつ、$\beta, \alpha, \alpha\beta$ が等比数列の場合：

等差数列であることから、

$2\alpha\beta = \beta + \alpha$

等比数列であることから、

$\alpha^2 = \beta \cdot \alpha\beta = \alpha \beta^2$

$\alpha \neq 0$ なので、$\alpha = \beta^2$ となる。

$2\alpha\beta = \beta + \alpha$ は $2\beta^3 = \beta + \beta^2$, $2\beta^2 - \beta - 1 = 0$ となり、

$(2\beta+1)(\beta-1) = 0$。

$\beta > 0$ なので$\beta = 1$。よって$\alpha = 1$ となるが、$\alpha<0$ に反する。

$\alpha, \beta, \alpha\beta$ が等差数列となる順番が異なるものを試す。

$\alpha < \alpha\beta < \beta$ もあり得る。

この場合、

$2\alpha\beta = \alpha + \beta$

同様に、等比数列となる順番が異なるものを試す。

$\alpha \beta = \alpha/\beta$ または $\alpha \beta = \beta / \alpha$ もあり得る。

$\alpha, \beta$ は 0 でない。

等比中項の候補として $\alpha^2 = \beta \alpha \beta$ または $\beta^2 = \alpha \alpha\beta$

$2\alpha\beta = \alpha+\beta$

$\alpha, \beta$ は異符号であるので、 $\alpha < 0$

仮に等比中項が $\beta$ とすると、$\beta^2 = \alpha \cdot \alpha \beta$, $\beta = \sqrt{\alpha^2 \beta } = | \alpha | \sqrt{\beta}$.

もし$\alpha = - \frac{1}{2}, \beta = 1$だとすると、$\alpha + \beta = \frac{1}{2}, 2\alpha \beta = -1$。

成り立たない。

$\alpha, \beta, \alpha \beta$ が等差数列をなすとき、$x,y,z$ の順番だとすると$2y= x+z$

$\alpha, \beta, \alpha \beta$ が等比数列をなすとき、$x,y,z$ の順番だとすると$y^2= xz$

等比数列の並び順を $\beta, \alpha , \alpha \beta$ とすると、$\alpha^2 = \beta \alpha \beta$, $\alpha ^2 / \alpha = \beta^2$,$\alpha = \beta^2$. 矛盾する.

$\alpha\beta, \beta, \alpha$ だとすると、 $\beta ^2 = \alpha^2 \beta$. $\beta(1- \alpha^2) = 0$.$\alpha = \pm 1$

$\alpha < 0$ より $\alpha= -1$。

$2 \alpha\beta = \beta + \alpha, -2 \beta = \beta-1, -3 \beta =-1$

よって $\beta= 1/3$

3. 最終的な答え

$\alpha = -1, \beta = 1/3$