与えられた行列 $A = \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & 0 \end{pmatrix}$ について、以下の問いに答える。 (1) 平面 $R^2$ 上の点 $(x, y)$ を縦ベクトル $\mathbf{a}$ で表したとき、$\mathbf{a}' = A\mathbf{a}$ はどのような変換(点の移動)を起こすか。 (2) $A$ の起こす変換の様子から、$A$ が逆行列を持たないことを示せ。

代数学線形代数行列線形変換射影逆行列
2025/6/8

1. 問題の内容

与えられた行列 A=(1000)A = \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & 0 \end{pmatrix} について、以下の問いに答える。
(1) 平面 R2R^2 上の点 (x,y)(x, y) を縦ベクトル a\mathbf{a} で表したとき、a=Aa\mathbf{a}' = A\mathbf{a} はどのような変換(点の移動)を起こすか。
(2) AA の起こす変換の様子から、AA が逆行列を持たないことを示せ。

2. 解き方の手順

(1) 点 (x,y)(x, y) を縦ベクトル a=(xy)\mathbf{a} = \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} で表す。a=Aa\mathbf{a}' = A\mathbf{a} を計算し、変換後の点の座標を求める。
\mathbf{a}' = \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & 0 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} x \\ 0 \end{pmatrix}
この結果から、変換後の点の座標は (x,0)(x, 0) であることがわかる。したがって、変換は、yy 座標を 0 にする射影である。
(2) 行列 AA による変換によって、平面上のすべての点は xx 軸上に写像される。つまり、変換後の点の集合は 1 次元空間(xx 軸)に縮退する。もし AA が逆行列を持つならば、この変換は可逆であり、縮退した空間から元の平面に戻すことができるはずである。しかし、1 次元空間から 2 次元空間への可逆な変換は存在しないため、AA は逆行列を持たない。

3. 最終的な答え

(1) a=Aa\mathbf{a}' = A\mathbf{a} は、点 (x,y)(x, y)xx 軸上に射影する変換(すなわち、(x,y)(x, y)(x,0)(x, 0) に写す変換)である。
(2) AA の起こす変換は R2R^2 上の点を xx軸に射影する写像であり、これにより全ての点が xx軸上に潰れてしまう。この変換は可逆ではないので、AA は逆行列を持たない。

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