xy平面上の原点(0,0)に点Aがある。以下の試行を行う。 試行:1つのサイコロを振る。出た目によって点Aを移動させる。 ルール: - 1, 2, 3が出たら、x軸の正の方向に+1進める。 - 4が出たら、点Aは移動しない。 - 5, 6が出たら、y軸の正の方向に+1進める。 問題: (1) 2回の試行を行い、点Aが(1,1)にいる確率と、(0,1)にいる確率をそれぞれ求めよ。 (2) 3回の試行を行い、点Aが(2,0)にいる確率を求めよ。 (3) 4回の試行を行い、4回目の試行で点Aが(2,1)にいるとき、3回目の試行で(2,0)にいたときの条件付き確率を求めよ。

確率論・統計学確率条件付き確率確率分布サイコロ
2025/6/8

1. 問題の内容

xy平面上の原点(0,0)に点Aがある。以下の試行を行う。
試行:1つのサイコロを振る。出た目によって点Aを移動させる。
ルール:
- 1, 2, 3が出たら、x軸の正の方向に+1進める。
- 4が出たら、点Aは移動しない。
- 5, 6が出たら、y軸の正の方向に+1進める。
問題:
(1) 2回の試行を行い、点Aが(1,1)にいる確率と、(0,1)にいる確率をそれぞれ求めよ。
(2) 3回の試行を行い、点Aが(2,0)にいる確率を求めよ。
(3) 4回の試行を行い、4回目の試行で点Aが(2,1)にいるとき、3回目の試行で(2,0)にいたときの条件付き確率を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
x軸方向に+1進む確率は 3/6=1/23/6 = 1/2
y軸方向に+1進む確率は 2/6=1/32/6 = 1/3
移動しない確率は 1/61/6
点Aが(1,1)にいる場合:
- 1回目にx方向に+1、2回目にy方向に+1。確率は 12×13=16\frac{1}{2} \times \frac{1}{3} = \frac{1}{6}
- 1回目にy方向に+1、2回目にx方向に+1。確率は 13×12=16\frac{1}{3} \times \frac{1}{2} = \frac{1}{6}
よって、点Aが(1,1)にいる確率は 16+16=13\frac{1}{6} + \frac{1}{6} = \frac{1}{3}
点Aが(0,1)にいる場合:
- 1回目にy方向に+1、2回目に移動しない。確率は 13×16=118\frac{1}{3} \times \frac{1}{6} = \frac{1}{18}
- 1回目に移動しない、2回目にy方向に+1。確率は 16×13=118\frac{1}{6} \times \frac{1}{3} = \frac{1}{18}
よって、点Aが(0,1)にいる確率は 118+118=19\frac{1}{18} + \frac{1}{18} = \frac{1}{9}
(2)
点Aが(2,0)にいる場合:
- 3回ともx方向に+1進む。確率は (12)3=18(\frac{1}{2})^3 = \frac{1}{8}
- 2回x方向に+1進み、1回移動しない。進む順番は3通り。確率は 3×(12)2×16=324=183 \times (\frac{1}{2})^2 \times \frac{1}{6} = \frac{3}{24} = \frac{1}{8}
よって、点Aが(2,0)にいる確率は 18+18=28=14\frac{1}{8} + \frac{1}{8} = \frac{2}{8} = \frac{1}{4}
(3)
求める条件付き確率は P(3回目に(2,0)にいる4回目に(2,1)にいる)P(3回目に(2,0)にいる|4回目に(2,1)にいる)
P(AB)=P(AB)P(B)P(A|B) = \frac{P(A \cap B)}{P(B)}を使用する。
AA: 3回目に(2,0)にいる
BB: 4回目に(2,1)にいる
P(AB)P(A \cap B): 3回目に(2,0)にいて、4回目に(2,1)にいる確率。
3回目に(2,0)にいる確率は(2)より 14\frac{1}{4}
4回目にy方向に+1進む確率は 13\frac{1}{3}
よって、P(AB)=14×13=112P(A \cap B) = \frac{1}{4} \times \frac{1}{3} = \frac{1}{12}
P(B)P(B): 4回目に(2,1)にいる確率。
4回目に(2,1)にいるには、
- (2,1)に3回で到達して、4回目に移動しない。
- (2,0)に3回で到達して、4回目にy方向に+1。
- (1,1)に3回で到達して、4回目にx方向に+1。
- (1,0)に3回で到達して、4回目にx方向に+1、y方向に+1
3回目に(2,1)にいる確率は 3×(12)2×13=143 \times (\frac{1}{2})^2 \times \frac{1}{3} = \frac{1}{4}
3回目に(2,0)にいる確率は 14\frac{1}{4}
3回目に(1,1)にいる確率は上記参考
求める確率 P(AB)=P(AB)P(B)=1/12P(B)P(A|B) = \frac{P(A \cap B)}{P(B)} = \frac{1/12}{P(B)}
4回目における到達点を求めるのが難しい
3回目に(2,0)にいて、4回目に(2,1)にいる場合、1/41/3=1/121/4 \cdot 1/3 = 1/12
4回目に(2,1)にいるには、
(i)3回目に(2,0)にいて、4回目にy軸方向に+1。確率は 14×13=112\frac{1}{4} \times \frac{1}{3} = \frac{1}{12}
(ii)3回目に(2,1)にいて、4回目に移動しない。確率は 14×16=124\frac{1}{4} \times \frac{1}{6} = \frac{1}{24}
(iii)3回目に(1,1)にいて、4回目にx軸方向に+1。確率は わからないが x=1, y=1 にいる確率は 13\frac{1}{3} , したがって 3回後 (1,1) にいる確率は 2 * 1/2 * 1/3 * 1/6 = 1/9 
P(B)=112+124+118P(B) = \frac{1}{12} + \frac{1}{24} + \frac{1}{18} が成り立つ
P(AB)=1/121/12+1/24+1/18=1/126+3+472=1/1213/72=7212×13=613P(A|B) = \frac{1/12}{1/12+1/24+1/18} = \frac{1/12}{\frac{6+3+4}{72}} = \frac{1/12}{13/72} = \frac{72}{12 \times 13} = \frac{6}{13}

3. 最終的な答え

(1) 点Aが(1,1)にいる確率は 13\frac{1}{3}。点Aが(0,1)にいる確率は 19\frac{1}{9}
(2) 点Aが(2,0)にいる確率は 14\frac{1}{4}
(3) 条件付き確率は 613\frac{6}{13}

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