質量2.0 kgの物体1が、高さ1.7 mの点Aから斜面を滑り落ち、摩擦のない水平面を進んで静止している質量2.0 kgの物体2に衝突する。衝突後の物体1は2.4 m/sで運動する。 (1) 点Aと点Bにおける物体1に働く力を図示する。 (2) 点Cでの物体1の速度を求める。 (3) 衝突前の物体1の速度を$v_1$, 衝突後の物体1の速度を$v_1'$, 衝突後の物体2の速度を$v_2'$とするとき、$v_2'$を$v_1$と$v_1'$を用いて表し、また$v_2'$を求める。

応用数学力学エネルギー保存則運動量保存則衝突摩擦速度加速度
2025/6/10
はい、問題を解いていきましょう。

1. 問題の内容

質量2.0 kgの物体1が、高さ1.7 mの点Aから斜面を滑り落ち、摩擦のない水平面を進んで静止している質量2.0 kgの物体2に衝突する。衝突後の物体1は2.4 m/sで運動する。
(1) 点Aと点Bにおける物体1に働く力を図示する。
(2) 点Cでの物体1の速度を求める。
(3) 衝突前の物体1の速度をv1v_1, 衝突後の物体1の速度をv1v_1', 衝突後の物体2の速度をv2v_2'とするとき、v2v_2'v1v_1v1v_1'を用いて表し、またv2v_2'を求める。

2. 解き方の手順

(1) 点Aと点Bにおける物体1に働く力の図示
* 点A:重力、垂直抗力
* 点B:重力
**点Aにおける力**
重力: mg=2.0 kg×9.8 m/s2=19.6 Nmg = 2.0 \text{ kg} \times 9.8 \text{ m/s}^2 = 19.6 \text{ N} (鉛直下向き)
垂直抗力: 斜面に垂直な方向。斜面となす角は60°
**点Bにおける力**
重力: mg=2.0 kg×9.8 m/s2=19.6 Nmg = 2.0 \text{ kg} \times 9.8 \text{ m/s}^2 = 19.6 \text{ N} (鉛直下向き)
(2) 点Cでの物体1の速度の計算
点Aから点Bまでエネルギー保存則を適用する。斜面と物体間の動摩擦係数が与えられているので、摩擦によるエネルギー損失を考慮する必要がある。
まず、斜面の長さを求める。高さをh=1.7 mh=1.7 \text{ m}、斜面の角度をθ=60\theta = 60^\circとすると、斜面の長さLL
L=hsinθ=1.7 msin60=1.7 m3/2=3.4 m33.41.7 m=2.0 mL = \frac{h}{\sin \theta} = \frac{1.7 \text{ m}}{\sin 60^\circ} = \frac{1.7 \text{ m}}{\sqrt{3}/2} = \frac{3.4 \text{ m}}{\sqrt{3}} \approx \frac{3.4}{1.7} \text{ m} = 2.0 \text{ m}
点Aにおける物体の位置エネルギーをUA=mghU_A = mgh、点Bにおける物体の速度をvBv_Bとすると、エネルギー保存則は
mgh=12mvB2+μmgcosθLmgh = \frac{1}{2}mv_B^2 + \mu' mg \cos\theta \cdot L
vB2=2gh2μgcosθL=2g(hμLcosθ)v_B^2 = 2gh - 2\mu' g \cos\theta \cdot L = 2g(h-\mu'L \cos\theta)
vB=2g(hμLcosθ)=2(9.8)(1.70.702.0cos60)=19.6(1.70.7)=19.6=101.96101.963.21.4=4.48 m/sv_B = \sqrt{2g(h-\mu'L \cos\theta)} = \sqrt{2(9.8)(1.7 - 0.70 \cdot 2.0 \cdot \cos 60^\circ)} = \sqrt{19.6(1.7 - 0.7)} = \sqrt{19.6} = \sqrt{10\cdot 1.96}\approx \sqrt{10}\sqrt{1.96}\approx 3.2\cdot 1.4 = 4.48\text{ m/s}.
点Bから点Cまで摩擦がないので、速度は変化しない。したがって、点Cでの速度vC=vB=4.48 m/sv_C = v_B = 4.48\text{ m/s}
(3) 衝突後の物体2の速度の計算
衝突前後の運動量保存則と反発係数の式を用いる。衝突前の物体1の速度をv1v_1, 衝突後の物体1の速度をv1v_1', 衝突後の物体2の速度をv2v_2'とすると、
運動量保存則: m1v1+m20=m1v1+m2v2m_1 v_1 + m_2 \cdot 0 = m_1 v_1' + m_2 v_2'
2.0v1=2.0v1+2.0v22.0 v_1 = 2.0 v_1' + 2.0 v_2'
v1=v1+v2v_1 = v_1' + v_2'
したがって、v2=v1v1v_2' = v_1 - v_1'
反発係数eeが与えられていないので、弾性衝突を仮定するとe=1e=1となる。
v2v1=e(v10)=v1v_2' - v_1' = e(v_1 - 0) = v_1
v2=v1+v1v_2' = v_1 + v_1'
しかし、運動量保存則から、v2=v1v1v_2' = v_1 - v_1'であるので、v1+v1=v1v1v_1+v_1'=v_1-v_1'となり、v1=0v_1'=0となる。この場合、運動量保存則よりv2=v1v_2'=v_1となる。これは衝突後、物体1が停止し、物体2が物体1の衝突前の速度と同じになることを意味する。
ここでは非弾性衝突として考える。問題文には衝突後の物体1の速度が与えられているので、これを用いて計算できる。
v1=4.48v_1 = 4.48 m/s, v1=2.4v_1' = 2.4 m/s
v2=v1v1=4.482.4=2.08v_2' = v_1 - v_1' = 4.48 - 2.4 = 2.08 m/s

3. 最終的な答え

(1) 図は省略(上記参照)
(2) 点Cでの物体1の速度: 4.48 m/s
(3) v2=v1v1v_2' = v_1 - v_1', v2=2.08v_2' = 2.08 m/s

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