複素数 $z$ ($z \neq i$) に対して、複素数 $w$ を $w = \frac{z+i}{z-i}$ で定める。複素数平面上で、点 $z$ が以下の図形上を動くとき、点 $w$ はどのような図形を描くか。また、その図形を複素数平面上に図示せよ。 (1) 原点を中心とする半径1の円。 (2) 点 $-i$ を中心とする半径1の円。

代数学複素数複素数平面図形
2025/6/11

1. 問題の内容

複素数 zz (ziz \neq i) に対して、複素数 www=z+iziw = \frac{z+i}{z-i} で定める。複素数平面上で、点 zz が以下の図形上を動くとき、点 ww はどのような図形を描くか。また、その図形を複素数平面上に図示せよ。
(1) 原点を中心とする半径1の円。
(2) 点 i-i を中心とする半径1の円。

2. 解き方の手順

(1) zz が原点を中心とする半径1の円上にあるとき、z=1|z| = 1 である。
w=z+iziw = \frac{z+i}{z-i} を変形すると、
w(zi)=z+iw(z-i) = z+i
wzwi=z+iwz - wi = z + i
wzz=wi+iwz - z = wi + i
z(w1)=i(w+1)z(w-1) = i(w+1)
z=iw+1w1z = i\frac{w+1}{w-1}
z=1|z|=1 なので、
iw+1w1=1\left| i\frac{w+1}{w-1} \right| = 1
iw+1w1=1|i| \left| \frac{w+1}{w-1} \right| = 1
w+1w1=1\left| \frac{w+1}{w-1} \right| = 1
w+1=w1|w+1| = |w-1|
w=x+yiw=x+yi とおくと、x+yi+1=x+yi1|x+yi+1| = |x+yi-1| より
(x+1)+yi=(x1)+yi|(x+1)+yi| = |(x-1)+yi|
(x+1)2+y2=(x1)2+y2\sqrt{(x+1)^2+y^2} = \sqrt{(x-1)^2+y^2}
(x+1)2+y2=(x1)2+y2(x+1)^2+y^2 = (x-1)^2+y^2
x2+2x+1+y2=x22x+1+y2x^2+2x+1+y^2 = x^2-2x+1+y^2
4x=04x = 0
x=0x=0
したがって、ww は虚軸上にある。
(2) zz が点 i-i を中心とする半径1の円上にあるとき、z+i=1|z+i| = 1 である。
w=z+iziw = \frac{z+i}{z-i} を変形すると、z+i=w(zi)z+i = w(z-i) より
z+i=wzwiz+i = wz - wi
zwz=iwiz-wz = -i-wi
z(1w)=i(1+w)z(1-w) = -i(1+w)
z=i1+w1wz = -i \frac{1+w}{1-w}
z+i=i1+w1w+i=i(11+w1w)=i1w1w1w=i2w1wz+i = -i \frac{1+w}{1-w} + i = i \left(1 - \frac{1+w}{1-w}\right) = i\frac{1-w-1-w}{1-w} = i \frac{-2w}{1-w}
z+i=1|z+i| = 1 なので、i2w1w=1\left| i\frac{-2w}{1-w} \right| = 1 より
2w1w=1\frac{2|w|}{|1-w|} = 1
2w=1w2|w| = |1-w|
2x+yi=1(x+yi)2|x+yi| = |1-(x+yi)|
2x2+y2=(1x)2+y22\sqrt{x^2+y^2} = \sqrt{(1-x)^2+y^2}
4(x2+y2)=(1x)2+y24(x^2+y^2) = (1-x)^2+y^2
4x2+4y2=12x+x2+y24x^2+4y^2 = 1-2x+x^2+y^2
3x2+3y2+2x1=03x^2+3y^2+2x-1 = 0
x2+y2+23x13=0x^2 + y^2 + \frac{2}{3} x - \frac{1}{3} = 0
(x+13)2+y2=19+13=49=(23)2\left( x + \frac{1}{3} \right)^2 + y^2 = \frac{1}{9} + \frac{1}{3} = \frac{4}{9} = \left( \frac{2}{3} \right)^2
したがって、ww は中心 13-\frac{1}{3}、半径 23\frac{2}{3} の円を描く。

3. 最終的な答え

(1) ww は虚軸上にある。
(2) ww は中心 13-\frac{1}{3}、半径 23\frac{2}{3} の円を描く。

「代数学」の関連問題

与えられた連立一次方程式について、以下の問いに答える。 (1) 解をもつための $a$ の条件を求める。 (2) $a = -2$ のとき、この連立方程式を解く。 連立一次方程式は、 $\begin{...

連立一次方程式線形代数行列行基本変形
2025/6/12

与えられた行列 $A$ の行列式を計算します。 $ A = \begin{bmatrix} 3 & 2 & -1 \\ 1 & 2 & 1 \\ 1 & -2 & 3 \end{bmatrix} $

行列式線形代数行列
2025/6/12

与えられた対数方程式 $\log_3 9x - 6\log_x 9 = 3$ を解きます。

対数対数方程式底の変換二次方程式
2025/6/12

0 < x ≤ y ≤ z を満たす整数 $x$, $y$, $z$ について、以下の問題を解く。 (1) $xyz + x + y + z = xy + yz + zx + 5$ を満たす整数 $x...

整数問題方程式不等式因数分解
2025/6/12

放物線 $y = x^2 - 2$ と直線 $y = 3x - a$ が接するときの定数 $a$ の値を求め、そのときの接点の座標を求める。

二次関数接する判別式接点の座標
2025/6/12

ベクトル $a$ とベクトル $b$ が線形独立であるとき、以下の等式が成り立つように $x$ と $y$ の値を求める問題です。 (1) $2xa - 5b = 8a + (3y + 1)b$ (2...

ベクトル線形独立連立方程式ベクトルの演算
2025/6/12

問題は、「$xy \neq 6$」が「$x \neq 2$ または $y \neq 3$」であるための何であるかを答える問題です。

論理必要条件十分条件必要十分条件不等式
2025/6/12

与えられた4つの方程式(①~④)から、$a, b, c, d$ の値を求める問題です。 方程式は以下の通りです。 ① $3a + 2b + c = 0$ ② $12a + 4b + c = 0$ ③ ...

連立方程式線形方程式代入法
2025/6/12

実数 $x, y$ が $x^2 + y^2 = 2$ を満たすとき、$2x + y$ のとりうる値の最大値と最小値を求め、そのときの $x, y$ の値を求めよ。

最大・最小二次方程式判別式
2025/6/12

与えられた連立方程式を掃き出し法で解く。 (1) $\begin{cases} 3x + 2y = 0 \\ x - 2y = 8 \end{cases}$ (2) $\begin{cases} -x...

連立方程式掃き出し法線形代数
2025/6/12