$m$ を整数とする。3次方程式 $x^3 + mx^2 + (m+8)x + 1 = 0$ は有理数の解 $\alpha$ を持つ。 (1) $\alpha$ は整数であることを示せ。 (2) $m$ を求めよ。

1. 問題の内容

$m$ を整数とする。3次方程式 $x^3 + mx^2 + (m+8)x + 1 = 0$ は有理数の解 $\alpha$ を持つ。

(1) $\alpha$ は整数であることを示せ。

(2) $m$ を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)

$\alpha$ は有理数であるから、$\alpha = \frac{p}{q}$ と表せる。ただし、$p, q$ は互いに素な整数で、$q \ne 0$。

$\alpha$ を方程式に代入すると、

$$(\frac{p}{q})^3 + m(\frac{p}{q})^2 + (m+8)(\frac{p}{q}) + 1 = 0$$

両辺に $q^3$ を掛けると、

$$p^3 + mp^2q + (m+8)pq^2 + q^3 = 0$$

$$p^3 + mp^2q + mpq^2 + 8pq^2 + q^3 = 0$$

$p^3 = -mp^2q - mpq^2 - 8pq^2 - q^3 = -q(mp^2 + mpq + 8pq + q^2)$

$p^3$ は $q$ の倍数である。$p, q$ は互いに素であるから、$q = \pm 1$。

したがって、$\alpha = \frac{p}{\pm 1} = \pm p$ となり、$\alpha$ は整数である。

(2)

$\alpha$ が整数であるから、方程式に代入して

$$\alpha^3 + m\alpha^2 + (m+8)\alpha + 1 = 0$$

$$\alpha^3 + m\alpha^2 + m\alpha + 8\alpha + 1 = 0$$

$$m(\alpha^2 + \alpha) = -(\alpha^3 + 8\alpha + 1)$$

$$\alpha^2 + \alpha \ne 0$$

のとき、

$$m = \frac{-(\alpha^3 + 8\alpha + 1)}{\alpha^2 + \alpha}$$

$m$ は整数なので、$\alpha^2 + \alpha$ は $\alpha^3 + 8\alpha + 1$ の約数である。

$\alpha = 0, -1$ は解ではないので $\alpha^2 + \alpha \ne 0$。

$\alpha = 1$ のとき、$m = \frac{-(1 + 8 + 1)}{1 + 1} = \frac{-10}{2} = -5$。

$\alpha = -1$ のとき、$m(-1)^2 + m(-1) = -(-1)^3 - 8(-1) - 1$。$0 = 1 + 8 - 1 = 8$となり矛盾する。

$\alpha = 2$ のとき、$m = \frac{-(8 + 16 + 1)}{4 + 2} = \frac{-25}{6}$ は整数ではない。

$\alpha = -2$ のとき、$m = \frac{-(-8 - 16 + 1)}{4 - 2} = \frac{23}{2}$ は整数ではない。

$\alpha = -4$ のとき、$m = \frac{-(-64 - 32 + 1)}{16 - 4} = \frac{95}{12}$は整数ではない。

方程式は $\alpha^3 + m\alpha^2 + (m+8)\alpha + 1 = 0$ であり、$x = \alpha$ が解であるとき $x = \frac{1}{\alpha}$も解となる。

($x^3 + m x^2 + (m+8)x + 1 = 0$)

$\alpha = 1$ のとき、$m = -5$。

$x^3 - 5x^2 + 3x + 1 = 0$

$(x-1)(x^2 - 4x - 1) = 0$

$x = 1, 2 \pm \sqrt{5}$。有理数解は $x = 1$ である。

$\alpha^2 + \alpha = 0$ のとき、$\alpha (\alpha + 1) = 0$。$\alpha = 0, -1$。

$\alpha = 0$ のとき、方程式は $1 = 0$ となり矛盾。

$\alpha = -1$ のとき、$(-1)^3 + m(-1)^2 + (m+8)(-1) + 1 = 0$。

$-1 + m - m - 8 + 1 = 0$。$-8 = 0$ となり矛盾。

$m = -5$

3. 最終的な答え

(1) $\alpha$ は整数である（証明終わり）。

(2) $m = -5$