$M = \{(x_1, x_2) \in \mathbb{R}^2 \mid |x_1| + |x_2| = 1\}$、 $S = \{(x_1, x_2) \in \mathbb{R}^2 \mid x_1^2 + x_2^2 = 1\}$とする。 $P$は$M$上の点、$Q$は原点を端点とする半直線$OP$と$S$との交点とする。 $P$に$Q$を対応させる写像$\varphi: M \to S$を定義する。 (1) 点$P$の座標を$(x_1, x_2)$とおくとき、点$Q$の座標を$x_1, x_2$で表せ。 (2) 写像$\varphi$は全単射であることを示せ。 (3) $\varphi$の逆写像$\varphi^{-1}$について、$(x_1, x_2) \in S$に対し、$\varphi^{-1}(x_1, x_2)$を$x_1, x_2$で表せ。

幾何学写像全単射距離座標
2025/6/12

1. 問題の内容

M={(x1,x2)R2x1+x2=1}M = \{(x_1, x_2) \in \mathbb{R}^2 \mid |x_1| + |x_2| = 1\}
S={(x1,x2)R2x12+x22=1}S = \{(x_1, x_2) \in \mathbb{R}^2 \mid x_1^2 + x_2^2 = 1\}とする。
PPMM上の点、QQは原点を端点とする半直線OPOPSSとの交点とする。
PPQQを対応させる写像φ:MS\varphi: M \to Sを定義する。
(1) 点PPの座標を(x1,x2)(x_1, x_2)とおくとき、点QQの座標をx1,x2x_1, x_2で表せ。
(2) 写像φ\varphiは全単射であることを示せ。
(3) φ\varphiの逆写像φ1\varphi^{-1}について、(x1,x2)S(x_1, x_2) \in Sに対し、φ1(x1,x2)\varphi^{-1}(x_1, x_2)x1,x2x_1, x_2で表せ。

2. 解き方の手順

(1) 点PPの座標を(x1,x2)(x_1, x_2)とする。点QQは半直線OPOP上にあるので、QQの座標はt(x1,x2)t(x_1, x_2)と表せる(ただし、t>0t > 0)。
QQSS上にあるので、QQの座標はx12+x22=1x_1^2 + x_2^2 = 1を満たす。
したがって、(tx1)2+(tx2)2=1(tx_1)^2 + (tx_2)^2 = 1となるから、t2(x12+x22)=1t^2(x_1^2 + x_2^2) = 1
よって、t=1x12+x22t = \frac{1}{\sqrt{x_1^2 + x_2^2}}となる。
したがって、QQの座標は
(x1x12+x22,x2x12+x22) \left(\frac{x_1}{\sqrt{x_1^2 + x_2^2}}, \frac{x_2}{\sqrt{x_1^2 + x_2^2}}\right)
(2) φ\varphiが全単射であることを示す。
(a) 単射性: P1(x1,x2),P2(x1,x2)MP_1(x_1, x_2), P_2(x_1', x_2') \in Mに対して、φ(P1)=φ(P2)\varphi(P_1) = \varphi(P_2)を仮定する。このとき、
(x1x12+x22,x2x12+x22)=(x1x12+x22,x2x12+x22) \left(\frac{x_1}{\sqrt{x_1^2 + x_2^2}}, \frac{x_2}{\sqrt{x_1^2 + x_2^2}}\right) = \left(\frac{x_1'}{\sqrt{x_1'^2 + x_2'^2}}, \frac{x_2'}{\sqrt{x_1'^2 + x_2'^2}}\right)
より、x1x12+x22=x1x12+x22\frac{x_1}{\sqrt{x_1^2 + x_2^2}} = \frac{x_1'}{\sqrt{x_1'^2 + x_2'^2}}かつx2x12+x22=x2x12+x22\frac{x_2}{\sqrt{x_1^2 + x_2^2}} = \frac{x_2'}{\sqrt{x_1'^2 + x_2'^2}}.
したがって、x1=x1x_1 = x_1'かつx2=x2x_2 = x_2'であるから、P1=P2P_1 = P_2。よって、φ\varphiは単射である。
(b) 全射性: 任意のQ(x1,x2)SQ(x_1, x_2) \in Sに対し、P=(x1,x2)x1+x2P = \frac{(x_1, x_2)}{|x_1| + |x_2|}とする。
x1+x2=1|x_1|+|x_2| = 1を満たすことを確認する。
PMP \in Mであり、
φ(P)=(x1/(x1+x2)(x1/(x1+x2))2+(x2/(x1+x2))2,x2/(x1+x2)(x1/(x1+x2))2+(x2/(x1+x2))2) \varphi(P) = \left( \frac{x_1/(|x_1|+|x_2|)}{\sqrt{(x_1/(|x_1|+|x_2|))^2 + (x_2/(|x_1|+|x_2|))^2}}, \frac{x_2/(|x_1|+|x_2|)}{\sqrt{(x_1/(|x_1|+|x_2|))^2 + (x_2/(|x_1|+|x_2|))^2}} \right)
=(x1x12+x22,x2x12+x22)=(x1,x2) = \left(\frac{x_1}{\sqrt{x_1^2 + x_2^2}}, \frac{x_2}{\sqrt{x_1^2 + x_2^2}}\right) = (x_1, x_2)
となるので、Q=(x1,x2)Q = (x_1, x_2)が存在する。よって、φ\varphiは全射である。
(a), (b)より、φ\varphiは全単射である。
(3) 任意の(x1,x2)S(x_1, x_2) \in Sに対し、φ1(x1,x2)\varphi^{-1}(x_1, x_2)を求めると、φ1(x1,x2)=(x1,x2)x1+x2\varphi^{-1}(x_1, x_2) = \frac{(x_1, x_2)}{|x_1|+|x_2|}

3. 最終的な答え

(1) 点QQの座標は(x1x12+x22,x2x12+x22)\left(\frac{x_1}{\sqrt{x_1^2 + x_2^2}}, \frac{x_2}{\sqrt{x_1^2 + x_2^2}}\right).
(2) 写像φ\varphiは全単射である。(証明は上記参照)
(3) φ1(x1,x2)=(x1,x2)x1+x2\varphi^{-1}(x_1, x_2) = \frac{(x_1, x_2)}{|x_1|+|x_2|}

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