(1) f(x)=ex2 の場合 この関数については、ライプニッツの公式を直接適用するより、微分を繰り返して漸化式を見つける方が簡単です。
f(x)=ex2 f′(x)=2xex2=2xf(x) f′′(x)=2f(x)+2xf′(x)=2f(x)+4x2f(x)=(2+4x2)f(x) f(n+1)(x) を f(n)(x) と f(n−1)(x) などで表す漸化式を求めます。 f′(x)=2xf(x) をライプニッツの公式を用いて n 回微分すると、 (f′(x))(n)=(2xf(x))(n) f(n+1)(x)=∑k=0n(kn)(2x)(k)(f(x))(n−k) (2x)(0)=2x,(2x)(1)=2,(2x)(k)=0(k≥2) であるから f(n+1)(x)=(0n)(2x)f(n)(x)+(1n)(2)f(n−1)(x)=2xf(n)(x)+2nf(n−1)(x) したがって、f(n+1)(x)=2xf(n)(x)+2nf(n−1)(x) 次に、f(n)(0) を求めます。 f(n+1)(0)=2(0)f(n)(0)+2nf(n−1)(0)=2nf(n−1)(0) したがって、f(n+1)(0)=2nf(n−1)(0) f(0)=e0=1, f′(0)=2(0)e0=0 です。 nが奇数のとき f(n)(0)=0. n=2kのとき、f(2k)(0)=2(2k−1)f(2k−2)(0)=2(2k−1)2(2k−3)f(2k−4)(0)=⋯ f(2k)(0)=2k(2k−1)(2k−3)⋯1f(0)=2k(2k−1)!! ただし、(−1)!!=1とします。 (2) f(x)=1+x2x の場合 f(x)=1+x2x=(x+i)(x−i)x=21(x−i1+x+i1) f(n)(x)=21((−1)nn!(x−i)−n−1+(−1)nn!(x+i)−n−1) f(n)(x)=2(−1)nn!((x−i)n+11+(x+i)n+11) f(n)(0)=2(−1)nn!((−i)n+11+(i)n+11)=2(−1)nn!(in+1+(−i)n+1) in+1+(−i)n+1=in+1+(−1)n+1in+1=(1+(−1)n+1)in+1 したがって、f(n)(0)=2(−1)nn!(1+(−1)n+1)in+1 もし n が偶数なら、n=2k なので、 f(2k)(0)=2(−1)2k(2k)!(1+(−1)2k+1)i2k+1=0 もし n が奇数なら、n=2k+1 なので、 f(2k+1)(0)=2(−1)2k+1(2k+1)!(1+(−1)2k+2)i2k+2=2(−1)2k+1(2k+1)!(2)i2k+2 f(2k+1)(0)=(−1)2k+1(2k+1)!i2k+2=(−1)2k+1(2k+1)!(i2)k+1=(−1)2k+1(2k+1)!(−1)k+1 f(2k+1)(0)=(−1)3k+2(2k+1)!=(−1)k(2k+1)!