2人の従業員が目視で製品の異常を検知した結果が表にまとめられています。この表をもとに、(1) カイ二乗統計量、(2) 単純一致係数、(3) Jaccard係数をそれぞれ計算します。
2025/6/14
1. 問題の内容
2人の従業員が目視で製品の異常を検知した結果が表にまとめられています。この表をもとに、(1) カイ二乗統計量、(2) 単純一致係数、(3) Jaccard係数をそれぞれ計算します。
2. 解き方の手順
(1) カイ二乗統計量
カイ二乗統計量は、観測度数と期待度数のずれを表す指標です。期待度数は、各行と各列の合計から計算します。
まず、観測度数と期待度数を以下の表のように整理します。
| | 従業員B:異常あり | 従業員B:異常なし | 合計 |
|----------|-----------------|-----------------|------|
| 従業員A:異常あり | 85 | 15 | 100 |
| 従業員A:異常なし | 20 | 80 | 100 |
| 合計 | 105 | 95 | 200 |
期待度数は、
- (従業員A:異常あり, 従業員B:異常あり) :
- (従業員A:異常あり, 従業員B:異常なし) :
- (従業員A:異常なし, 従業員B:異常あり) :
- (従業員A:異常なし, 従業員B:異常なし) :
カイ二乗統計量 は以下の式で計算されます。
ここで、 は観測度数、 は期待度数です。
(2) 単純一致係数
単純一致係数は、2人の評価が一致した割合を示す指標です。
単純一致係数 = (一致した数) / (全体の数)
一致した数 = (従業員A:異常あり, 従業員B:異常あり) + (従業員A:異常なし, 従業員B:異常なし) = 85 + 80 = 165
全体の数 = 200
単純一致係数 = 165 / 200 = 0.825
(3) Jaccard係数
Jaccard係数は、2つの集合の共通部分の要素数を、和集合の要素数で割ったものです。この問題では、両方の従業員が異常ありと判断した場合の割合を、少なくともどちらかの従業員が異常ありと判断した場合の割合で割ったものと解釈できます。
Jaccard係数 = (両方異常あり) / (少なくともどちらか異常あり)
両方異常あり = 85
少なくともどちらか異常あり = (従業員A:異常あり) + (従業員A:異常なし, 従業員B:異常あり) = 100 + 20 = 120
あるいは、(従業員B:異常あり) + (従業員B:異常なし、従業員A:異常あり) = 105 + 15 = 120
または、全部 - (従業員A:異常なし, 従業員B:異常なし) = 200 - 80 = 120
Jaccard係数 = 85 / 120 = 0.708333... ≒ 0.708
3. 最終的な答え
(1) カイ二乗統計量: 84.72
(2) 単純一致係数: 0.825
(3) Jaccard係数: 0.708