Oを中心とする半径1の円周上の点Pに対し、三角形PABの面積Sが最大となるときの$\vec{OP}$を$\vec{a}$と$\vec{b}$を用いて表す問題です。ただし、$\vec{OA}=\vec{a}$, $\vec{OB}=\vec{b}$, $|\vec{a}|=3$, $|\vec{b}|=2$, $\angle AOB = \frac{\pi}{3}$ です。

幾何学ベクトル面積最大化三角関数内積
2025/6/15

1. 問題の内容

Oを中心とする半径1の円周上の点Pに対し、三角形PABの面積Sが最大となるときのOP\vec{OP}a\vec{a}b\vec{b}を用いて表す問題です。ただし、OA=a\vec{OA}=\vec{a}, OB=b\vec{OB}=\vec{b}, a=3|\vec{a}|=3, b=2|\vec{b}|=2, AOB=π3\angle AOB = \frac{\pi}{3} です。

2. 解き方の手順

三角形PABの面積は、三角形OABの面積と三角形OAPの面積と三角形OBPの面積を用いて表すことができます。三角形OABの面積は固定なので、三角形OAPの面積と三角形OBPの面積の和を最大化することを考えます。
まず、三角形OABの面積S(OAB)は
S(OAB)=12absinAOB=1232sinπ3=12632=332S(OAB) = \frac{1}{2}|\vec{a}||\vec{b}|\sin{\angle AOB} = \frac{1}{2} \cdot 3 \cdot 2 \cdot \sin{\frac{\pi}{3}} = \frac{1}{2} \cdot 6 \cdot \frac{\sqrt{3}}{2} = \frac{3\sqrt{3}}{2}
次に、三角形OAPの面積S(OAP)は
S(OAP)=12aOPsinAOP=1231sinAOP=32sinAOPS(OAP) = \frac{1}{2}|\vec{a}||\vec{OP}|\sin{\angle AOP} = \frac{1}{2} \cdot 3 \cdot 1 \cdot \sin{\angle AOP} = \frac{3}{2} \sin{\angle AOP}
そして、三角形OBPの面積S(OBP)は
S(OBP)=12bOPsinBOP=1221sinBOP=sinBOPS(OBP) = \frac{1}{2}|\vec{b}||\vec{OP}|\sin{\angle BOP} = \frac{1}{2} \cdot 2 \cdot 1 \cdot \sin{\angle BOP} = \sin{\angle BOP}
三角形PABの面積S(PAB)は
S(PAB)=S(OAP)+S(OBP)S(OAB)S(PAB) = S(OAP) + S(OBP) - S(OAB)
=32sinAOP+sinBOP332= \frac{3}{2} \sin{\angle AOP} + \sin{\angle BOP} - \frac{3\sqrt{3}}{2}
面積S(PAB)を最大にするには、32sinAOP+sinBOP\frac{3}{2} \sin{\angle AOP} + \sin{\angle BOP}を最大にすればよいです。ここで、OP=sa+tb\vec{OP} = s\vec{a} + t\vec{b} (s,ts,tは実数)と表せると仮定します。ただし、OP=1|\vec{OP}|=1です。
点Pが線分ABから最も遠い位置にあるとき、三角形PABの面積が最大になることを利用します。
OP\vec{OP}a\vec{a}b\vec{b} が張る平面上にある単位ベクトルなので、OP\vec{OP}a\vec{a}b\vec{b} がなす角の二等分線方向に伸びていると考えられます。a/a+b/b\vec{a}/|\vec{a}| + \vec{b}/|\vec{b}| の方向に OP\vec{OP} が伸びるときに面積が最大になります。
e=aa+bb=a3+b2\vec{e} = \frac{\vec{a}}{|\vec{a}|} + \frac{\vec{b}}{|\vec{b}|} = \frac{\vec{a}}{3} + \frac{\vec{b}}{2}とおくと、
e2=(a3+b2)2=a29+b24+26ab|\vec{e}|^2 = (\frac{\vec{a}}{3} + \frac{\vec{b}}{2})^2 = \frac{|\vec{a}|^2}{9} + \frac{|\vec{b}|^2}{4} + \frac{2}{6} \vec{a} \cdot \vec{b}
=99+44+13abcosπ3=1+1+133212=2+1=3= \frac{9}{9} + \frac{4}{4} + \frac{1}{3} |\vec{a}||\vec{b}|\cos{\frac{\pi}{3}} = 1 + 1 + \frac{1}{3} \cdot 3 \cdot 2 \cdot \frac{1}{2} = 2 + 1 = 3
e=3|\vec{e}| = \sqrt{3}
OP=ee=13(a3+b2)=33(a3+b2)=39a+36b\vec{OP} = \frac{\vec{e}}{|\vec{e}|} = \frac{1}{\sqrt{3}} (\frac{\vec{a}}{3} + \frac{\vec{b}}{2}) = \frac{\sqrt{3}}{3} (\frac{\vec{a}}{3} + \frac{\vec{b}}{2}) = \frac{\sqrt{3}}{9} \vec{a} + \frac{\sqrt{3}}{6} \vec{b}

3. 最終的な答え

OP=39a+36b\vec{OP} = \frac{\sqrt{3}}{9} \vec{a} + \frac{\sqrt{3}}{6} \vec{b}

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