体積 $3V_0$ の断熱容器Aと体積 $2V_0$ の断熱容器Bが細管で接続されている。容器Aには圧力 $2p_0$, 温度 $T_0$ の単原子分子理想気体が、容器Bには圧力 $p_0$, 温度 $3T_0$ の気体が入っている。コックを開いて十分時間が経過した後の圧力を求める。

応用数学物理理想気体状態方程式熱力学
2025/6/15

1. 問題の内容

体積 3V03V_0 の断熱容器Aと体積 2V02V_0 の断熱容器Bが細管で接続されている。容器Aには圧力 2p02p_0, 温度 T0T_0 の単原子分子理想気体が、容器Bには圧力 p0p_0, 温度 3T03T_0 の気体が入っている。コックを開いて十分時間が経過した後の圧力を求める。

2. 解き方の手順

まず、容器Aと容器Bのそれぞれの気体の物質量を求める。
理想気体の状態方程式 PV=nRTPV=nRT より、
容器Aの物質量 nAn_A
nA=2p03V0RT0=6p0V0RT0n_A = \frac{2p_0 \cdot 3V_0}{R T_0} = \frac{6p_0V_0}{RT_0}
容器Bの物質量 nBn_B
nB=p02V0R3T0=2p0V03RT0n_B = \frac{p_0 \cdot 2V_0}{R \cdot 3T_0} = \frac{2p_0V_0}{3RT_0}
全体の物質量は n=nA+nB=6p0V0RT0+2p0V03RT0=18p0V0+2p0V03RT0=20p0V03RT0n = n_A + n_B = \frac{6p_0V_0}{RT_0} + \frac{2p_0V_0}{3RT_0} = \frac{18p_0V_0 + 2p_0V_0}{3RT_0} = \frac{20p_0V_0}{3RT_0} となる。
次に、コックを開いて十分時間が経った後の温度を求める。
断熱容器であるため、外部との熱のやり取りはない。したがって、内部エネルギーの変化は0である。単原子分子理想気体の内部エネルギーは 32nRT\frac{3}{2}nRT であるから、
32nART0+32nBR(3T0)=32nRT\frac{3}{2} n_A R T_0 + \frac{3}{2} n_B R (3T_0) = \frac{3}{2} n R T
326p0V0RT0RT0+322p0V03RT0R(3T0)=3220p0V03RT0RT\frac{3}{2} \frac{6p_0V_0}{RT_0} RT_0 + \frac{3}{2} \frac{2p_0V_0}{3RT_0} R (3T_0) = \frac{3}{2} \frac{20p_0V_0}{3RT_0} RT
6p0V0+2p0V0=20p0V03T0T6p_0V_0 + 2p_0V_0 = \frac{20p_0V_0}{3T_0}T
8p0V0=20p0V03T0T8p_0V_0 = \frac{20p_0V_0}{3T_0}T
T=8p0V03T020p0V0=2420T0=65T0T = \frac{8p_0V_0 \cdot 3T_0}{20p_0V_0} = \frac{24}{20} T_0 = \frac{6}{5} T_0
最後に、コックを開いて十分時間が経った後の圧力を求める。
全体の体積は 3V0+2V0=5V03V_0 + 2V_0 = 5V_0 であるから、理想気体の状態方程式より
P5V0=nRTP \cdot 5V_0 = n R T
P=nRT5V0=20p0V03RT0R65T05V0=20p0V06RT03RT055V0=206325p0=425p0=85p0P = \frac{nRT}{5V_0} = \frac{\frac{20p_0V_0}{3RT_0} R \frac{6}{5} T_0}{5V_0} = \frac{20p_0V_0 \cdot 6 R T_0}{3 R T_0 \cdot 5 \cdot 5V_0} = \frac{20 \cdot 6}{3 \cdot 25} p_0 = \frac{4 \cdot 2}{5} p_0 = \frac{8}{5} p_0

3. 最終的な答え

85p0\frac{8}{5} p_0

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