与えられた非同次線形微分方程式の特殊解を未定係数法を用いて求める問題です。具体的には、以下の2つの微分方程式について解を求めます。 (e) $y'' - 2y' + y = 2e^x$ (f) $y'' - 3y' + 2y = 4x + e^{3x}$

応用数学微分方程式線形微分方程式未定係数法特殊解特性方程式
2025/6/15

1. 問題の内容

与えられた非同次線形微分方程式の特殊解を未定係数法を用いて求める問題です。具体的には、以下の2つの微分方程式について解を求めます。
(e) y2y+y=2exy'' - 2y' + y = 2e^x
(f) y3y+2y=4x+e3xy'' - 3y' + 2y = 4x + e^{3x}

2. 解き方の手順

(e) y2y+y=2exy'' - 2y' + y = 2e^x の場合:
まず、斉次方程式 y2y+y=0y'' - 2y' + y = 0 の特性方程式を求めます。
r22r+1=0r^2 - 2r + 1 = 0
(r1)2=0(r-1)^2 = 0
r=1r = 1 (重解)
したがって、斉次方程式の一般解は yh=c1ex+c2xexy_h = c_1 e^x + c_2 x e^x となります。
次に、非同次方程式の特殊解を未定係数法で求めます。右辺が 2ex2e^x であるため、yp=Ax2exy_p = Ax^2 e^xexe^xxexxe^xはすでに斉次解に含まれているため、x2exx^2e^xを仮定する)と仮定します。
yp=2Axex+Ax2exy_p' = 2Ax e^x + Ax^2 e^x
yp=2Aex+4Axex+Ax2exy_p'' = 2A e^x + 4Ax e^x + Ax^2 e^x
これらを元の微分方程式に代入します。
(2Aex+4Axex+Ax2ex)2(2Axex+Ax2ex)+(Ax2ex)=2ex(2A e^x + 4Ax e^x + Ax^2 e^x) - 2(2Ax e^x + Ax^2 e^x) + (Ax^2 e^x) = 2e^x
2Aex=2ex2A e^x = 2e^x
2A=22A = 2
A=1A = 1
したがって、特殊解は yp=x2exy_p = x^2 e^x です。
(f) y3y+2y=4x+e3xy'' - 3y' + 2y = 4x + e^{3x} の場合:
まず、斉次方程式 y3y+2y=0y'' - 3y' + 2y = 0 の特性方程式を求めます。
r23r+2=0r^2 - 3r + 2 = 0
(r1)(r2)=0(r-1)(r-2) = 0
r=1,2r = 1, 2
したがって、斉次方程式の一般解は yh=c1ex+c2e2xy_h = c_1 e^x + c_2 e^{2x} となります。
次に、非同次方程式の特殊解を未定係数法で求めます。右辺が 4x+e3x4x + e^{3x} であるため、特殊解を yp=Ax+B+Ce3xy_p = Ax + B + Ce^{3x} と仮定します。
yp=A+3Ce3xy_p' = A + 3Ce^{3x}
yp=9Ce3xy_p'' = 9Ce^{3x}
これらを元の微分方程式に代入します。
(9Ce3x)3(A+3Ce3x)+2(Ax+B+Ce3x)=4x+e3x(9Ce^{3x}) - 3(A + 3Ce^{3x}) + 2(Ax + B + Ce^{3x}) = 4x + e^{3x}
9Ce3x3A9Ce3x+2Ax+2B+2Ce3x=4x+e3x9Ce^{3x} - 3A - 9Ce^{3x} + 2Ax + 2B + 2Ce^{3x} = 4x + e^{3x}
2Ax+(2B3A)+2Ce3x=4x+e3x2Ax + (2B - 3A) + 2Ce^{3x} = 4x + e^{3x}
係数を比較すると、
2A=4    A=22A = 4 \implies A = 2
2B3A=0    2B6=0    B=32B - 3A = 0 \implies 2B - 6 = 0 \implies B = 3
2C=1    C=122C = 1 \implies C = \frac{1}{2}
したがって、特殊解は yp=2x+3+12e3xy_p = 2x + 3 + \frac{1}{2}e^{3x} です。

3. 最終的な答え

(e) y2y+y=2exy'' - 2y' + y = 2e^x の特殊解:
yp=x2exy_p = x^2 e^x
(f) y3y+2y=4x+e3xy'' - 3y' + 2y = 4x + e^{3x} の特殊解:
yp=2x+3+12e3xy_p = 2x + 3 + \frac{1}{2}e^{3x}

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