集合$A, B, C, D$ は空集合ではないとする。写像 $f: A \to B$, $g: C \to D$ に対し、$f \times g: A \times C \to B \times D$ を $(a, c) \in A \times C$ に対し $f \times g(a, c) = (f(a), g(c))$ で定める。以下の命題が正しいか否かを判定し、正しければ証明し、正しくなければ反例を挙げる。 (1) $f$ と $g$ が共に単射ならば、$f \times g$ も単射である。 (2) $f$ と $g$ が共に全射ならば、$f \times g$ も全射である。 (3) $f \times g$ が単射ならば、$f$ と $g$ も共に単射である。 (4) $f \times g$ が全射ならば、$f$ と $g$ も共に全射である。

1. 問題の内容

集合$A, B, C, D$ は空集合ではないとする。写像 $f: A \to B$, $g: C \to D$ に対し、$f \times g: A \times C \to B \times D$ を $(a, c) \in A \times C$ に対し $f \times g(a, c) = (f(a), g(c))$ で定める。以下の命題が正しいか否かを判定し、正しければ証明し、正しくなければ反例を挙げる。

(1) $f$ と $g$ が共に単射ならば、$f \times g$ も単射である。

(2) $f$ と $g$ が共に全射ならば、$f \times g$ も全射である。

(3) $f \times g$ が単射ならば、$f$ と $g$ も共に単射である。

(4) $f \times g$ が全射ならば、$f$ と $g$ も共に全射である。

2. 解き方の手順

(1) $f$ と $g$ が共に単射ならば、$f \times g$ も単射であることを示す。

$f \times g(a_1, c_1) = f \times g(a_2, c_2)$ と仮定する。

このとき、$(f(a_1), g(c_1)) = (f(a_2), g(c_2))$ である。

したがって、$f(a_1) = f(a_2)$ かつ $g(c_1) = g(c_2)$ である。

$f$ と $g$ は単射なので、$a_1 = a_2$ かつ $c_1 = c_2$ である。

よって、$(a_1, c_1) = (a_2, c_2)$ である。

したがって、$f \times g$ は単射である。

(2) $f$ と $g$ が共に全射ならば、$f \times g$ も全射であることを示す。

任意の $(b, d) \in B \times D$ を考える。

$f$ は全射なので、ある $a \in A$ が存在して $f(a) = b$ である。

$g$ は全射なので、ある $c \in C$ が存在して $g(c) = d$ である。

よって、$f \times g(a, c) = (f(a), g(c)) = (b, d)$ である。

したがって、$f \times g$ は全射である。

(3) $f \times g$ が単射ならば、$f$ と $g$ も共に単射であることを示す。

$f(a_1) = f(a_2)$ と仮定する。ある $c \in C$ に対して、

$f \times g(a_1, c) = (f(a_1), g(c)) = (f(a_2), g(c)) = f \times g(a_2, c)$.

$f \times g$ は単射なので、$(a_1, c) = (a_2, c)$ である。

したがって、$a_1 = a_2$ であり、$f$ は単射である。

同様に、$g(c_1) = g(c_2)$ と仮定する。ある $a \in A$ に対して、

$f \times g(a, c_1) = (f(a), g(c_1)) = (f(a), g(c_2)) = f \times g(a, c_2)$.

$f \times g$ は単射なので、$(a, c_1) = (a, c_2)$ である。

したがって、$c_1 = c_2$ であり、$g$ は単射である。

(4) $f \times g$ が全射ならば、$f$ と $g$ も共に全射であることを示す。

$b \in B$ を任意とする。$g$ の値域は空でないので、$d \in D$ が存在する。

$f \times g$ は全射なので、$(f(a), g(c)) = (b, d)$ なる $(a, c) \in A \times C$ が存在する。

したがって、$f(a) = b$ であり、$f$ は全射である。

$d \in D$ を任意とする。$f$ の値域は空でないので、$b \in B$ が存在する。

$f \times g$ は全射なので、$(f(a), g(c)) = (b, d)$ なる $(a, c) \in A \times C$ が存在する。

したがって、$g(c) = d$ であり、$g$ は全射である。

3. 最終的な答え

(1) 正しい

(2) 正しい

(3) 正しい

(4) 正しい