$\mathbb{R}^2$ において、ベクトル $\mathbf{b}_1 = \begin{bmatrix} 3 \\ -2 \end{bmatrix}$, $\mathbf{b}_2 = \begin{bmatrix} 5 \\ 1 \end{bmatrix}$, $\mathbf{b}_3 = \begin{bmatrix} 4 \\ 6 \end{bmatrix}$ が1次従属であることを示し、$\mathbf{b}_3$ を $\mathbf{b}_1$ と $\mathbf{b}_2$ の1次結合で表せ。

1. 問題の内容

$\mathbb{R}^2$ において、ベクトル $\mathbf{b}_1 = \begin{bmatrix} 3 \\ -2 \end{bmatrix}$, $\mathbf{b}_2 = \begin{bmatrix} 5 \\ 1 \end{bmatrix}$, $\mathbf{b}_3 = \begin{bmatrix} 4 \\ 6 \end{bmatrix}$ が1次従属であることを示し、$\mathbf{b}_3$ を $\mathbf{b}_1$ と $\mathbf{b}_2$ の1次結合で表せ。

2. 解き方の手順

まず、$\mathbf{b}_1$, $\mathbf{b}_2$, $\mathbf{b}_3$ が1次従属であることを示す。これは、ある定数 $c_1, c_2, c_3$ が存在し、少なくとも1つが0ではなく、

$c_1 \mathbf{b}_1 + c_2 \mathbf{b}_2 + c_3 \mathbf{b}_3 = \mathbf{0}$

を満たすことを示す。

上記の式を成分ごとに書くと、以下の連立方程式を得る。

$3c_1 + 5c_2 + 4c_3 = 0$

$-2c_1 + c_2 + 6c_3 = 0$

この連立方程式を行列で表現すると、

$\begin{bmatrix} 3 & 5 & 4 \\ -2 & 1 & 6 \end{bmatrix} \begin{bmatrix} c_1 \\ c_2 \\ c_3 \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} 0 \\ 0 \end{bmatrix}$

この行列を簡約化する。

まず、1行目を2/3倍して2行目に足すと、

$\begin{bmatrix} 3 & 5 & 4 \\ 0 & 13/3 & 26/3 \end{bmatrix} \begin{bmatrix} c_1 \\ c_2 \\ c_3 \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} 0 \\ 0 \end{bmatrix}$

2行目を3/13倍すると、

$\begin{bmatrix} 3 & 5 & 4 \\ 0 & 1 & 2 \end{bmatrix} \begin{bmatrix} c_1 \\ c_2 \\ c_3 \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} 0 \\ 0 \end{bmatrix}$

2行目を-5倍して1行目に足すと、

$\begin{bmatrix} 3 & 0 & -6 \\ 0 & 1 & 2 \end{bmatrix} \begin{bmatrix} c_1 \\ c_2 \\ c_3 \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} 0 \\ 0 \end{bmatrix}$

1行目を1/3倍すると、

$\begin{bmatrix} 1 & 0 & -2 \\ 0 & 1 & 2 \end{bmatrix} \begin{bmatrix} c_1 \\ c_2 \\ c_3 \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} 0 \\ 0 \end{bmatrix}$

これから、$c_1 - 2c_3 = 0$ と $c_2 + 2c_3 = 0$ が得られる。すなわち、$c_1 = 2c_3$ と $c_2 = -2c_3$ である。$c_3$ に任意の値（0以外）を設定すれば、1次従属な解が見つかる。例えば、$c_3 = 1$ とすると、$c_1 = 2$ と $c_2 = -2$ となる。

したがって、

$2\mathbf{b}_1 - 2\mathbf{b}_2 + \mathbf{b}_3 = \mathbf{0}$

次に、$\mathbf{b}_3$ を $\mathbf{b}_1$ と $\mathbf{b}_2$ の1次結合で表す。

上記の式を書き換えると、

$\mathbf{b}_3 = -2\mathbf{b}_1 + 2\mathbf{b}_2$

3. 最終的な答え

$\mathbf{b}_3 = -2\mathbf{b}_1 + 2\mathbf{b}_2$