飼料の粗脂肪率のデータが与えられ、母集団は正規分布に従うが母平均は未知であるという条件の下で、母分散$\sigma^2$ の95%信頼区間を求める問題です。与えられたデータは以下の通りです。 10. 4, 11.1, 10.8, 11.1, 10.9, 11.3, 10.3, 9.7, 8.6, 9.0, 10.0, 9.2

確率論・統計学信頼区間母分散カイ二乗分布統計的推定
2025/6/19

1. 問題の内容

飼料の粗脂肪率のデータが与えられ、母集団は正規分布に従うが母平均は未知であるという条件の下で、母分散σ2\sigma^2 の95%信頼区間を求める問題です。与えられたデータは以下の通りです。
1

0. 4, 11.1, 10.8, 11.1, 10.9, 11.3, 10.3, 9.7, 8.6, 9.0, 10.0, 9.2

2. 解き方の手順

母分散の信頼区間は、カイ二乗分布を用いて求めます。
ステップ1: データのサンプルサイズ nn を求めます。
ステップ2: データの標本平均 xˉ\bar{x} を計算します。
xˉ=1ni=1nxi\bar{x} = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} x_i
ステップ3: データの不偏標本分散 s2s^2 を計算します。
s2=1n1i=1n(xixˉ)2s^2 = \frac{1}{n-1} \sum_{i=1}^{n} (x_i - \bar{x})^2
ステップ4: 信頼区間の計算に必要なカイ二乗分布の値を求めます。信頼度95%の場合、自由度 n1n-1 のカイ二乗分布の上側2.5%点 χ0.025,n12\chi^2_{0.025, n-1} と下側2.5%点 χ0.975,n12\chi^2_{0.975, n-1} を求めます。
ステップ5: 母分散 σ2\sigma^2 の95%信頼区間を計算します。
(n1)s2χ0.025,n12<σ2<(n1)s2χ0.975,n12\frac{(n-1)s^2}{\chi^2_{0.025, n-1}} < \sigma^2 < \frac{(n-1)s^2}{\chi^2_{0.975, n-1}}
それでは、計算を進めます。
ステップ1: データ数 n=12n = 12
ステップ2: 標本平均 xˉ\bar{x} を計算します。
xˉ=10.4+11.1+10.8+11.1+10.9+11.3+10.3+9.7+8.6+9.0+10.0+9.212=132.412=11.0333\bar{x} = \frac{10.4 + 11.1 + 10.8 + 11.1 + 10.9 + 11.3 + 10.3 + 9.7 + 8.6 + 9.0 + 10.0 + 9.2}{12} = \frac{132.4}{12} = 11.0333
ステップ3: 不偏標本分散 s2s^2 を計算します。
s2=1121i=112(xixˉ)2s^2 = \frac{1}{12-1} \sum_{i=1}^{12} (x_i - \bar{x})^2
s2=111[(10.411.0333)2+(11.111.0333)2+(10.811.0333)2+(11.111.0333)2+(10.911.0333)2+(11.311.0333)2+(10.311.0333)2+(9.711.0333)2+(8.611.0333)2+(9.011.0333)2+(10.011.0333)2+(9.211.0333)2]s^2 = \frac{1}{11} [(10.4-11.0333)^2 + (11.1-11.0333)^2 + (10.8-11.0333)^2 + (11.1-11.0333)^2 + (10.9-11.0333)^2 + (11.3-11.0333)^2 + (10.3-11.0333)^2 + (9.7-11.0333)^2 + (8.6-11.0333)^2 + (9.0-11.0333)^2 + (10.0-11.0333)^2 + (9.2-11.0333)^2]
s2=111[0.401889+0.004489+0.054489+0.004489+0.017789+0.071189+0.537789+1.777789+5.921189+4.133789+1.067789+3.361189]=17.35373211=1.577612s^2 = \frac{1}{11} [0.401889 + 0.004489 + 0.054489 + 0.004489 + 0.017789 + 0.071189 + 0.537789 + 1.777789 + 5.921189 + 4.133789 + 1.067789 + 3.361189] = \frac{17.353732}{11} = 1.577612
ステップ4: 自由度 n1=11n-1 = 11 のカイ二乗分布表から、χ0.025,112=21.920\chi^2_{0.025, 11} = 21.920χ0.975,112=3.816\chi^2_{0.975, 11} = 3.816 を読み取ります。
ステップ5: 母分散 σ2\sigma^2 の95%信頼区間を計算します。
(121)×1.57761221.920<σ2<(121)×1.5776123.816\frac{(12-1) \times 1.577612}{21.920} < \sigma^2 < \frac{(12-1) \times 1.577612}{3.816}
11×1.57761221.920<σ2<11×1.5776123.816\frac{11 \times 1.577612}{21.920} < \sigma^2 < \frac{11 \times 1.577612}{3.816}
17.35373221.920<σ2<17.3537323.816\frac{17.353732}{21.920} < \sigma^2 < \frac{17.353732}{3.816}
0.7917<σ2<4.54760.7917 < \sigma^2 < 4.5476

3. 最終的な答え

0.7917<σ2<4.54760.7917 < \sigma^2 < 4.5476

「確率論・統計学」の関連問題

白玉1個、赤玉2個、青玉4個がある。 (1) これらを机の上に円形に並べる方法は何通りあるか。 (2) これらで何通りの首飾りが作れるか。

順列円順列じゅず順列組み合わせ
2025/6/19

与えられた問題は、次の3つの問いから構成されています。 * 問題2: "BANANA"の6文字から4文字を選んで文字列を作る場合の数を求める。 * 問題4-1: 図1の格子において、点Aから点...

場合の数順列組み合わせ最短経路格子点
2025/6/19

8人の生徒を、(1) 4つの部屋P, Q, R, Sに2人ずつ入れる場合、(2) 2人ずつの4つの組に分ける場合、それぞれの場合の分け方を求めます。また、7人の生徒を2人、2人、3人の3つの組に分ける...

組み合わせ順列組合せ
2025/6/19

6人の中から4人を選び、円形に並べる並び方の総数を求める問題です。

組み合わせ円順列順列場合の数
2025/6/19

1つの試行において、以下の事象を全体集合$U$の部分集合として表す問題です。 (1) 事象A:「裏が1枚も出ない」 (2) 事象B:「表が1枚だけ出る」

確率事象集合
2025/6/19

"MEDICINE"という8文字の単語について、以下の問いに答える問題です。 (1) M, D, C, Nがこの順に並ぶ並べ方は何通りあるか。 (2) EとIが必ず偶数番目にある並べ方は何通りあるか。

順列組み合わせ場合の数重複順列
2025/6/19

10人を4人、5人、1人の3つのグループに分ける場合の数を求める問題です。

組み合わせ場合の数順列
2025/6/19

6人、5人、3人のグループからそれぞれ2人ずつ選ぶ選び方は全部で何通りか求める問題です。

組み合わせ場合の数組み合わせの公式
2025/6/19

市内に24店舗あるコンビニFの月曜日から金曜日までの売上個数が表にまとめられています。表の中の「その他のお弁当」の金曜日の売上個数が不明です。表の情報から、金曜日の「その他のお弁当」の売上個数を推測し...

統計平均データ分析推測
2025/6/19

呉服メーカーの呉服市の売上データが表で与えられています。6月の総売上を推測する問題です。与えられているデータは、会場総面積、総来場者数、総売上、宣伝費です。

データ分析売上予測相関関係平均推測統計
2025/6/19