長さLの片持ち梁が、線形に変化する分布荷重を受けています。分布荷重は、自由端(A)で0、固定端(B)でωです。この梁の軸力図(N図)、せん断力図(Q図)、曲げモーメント図(M図)を描きます。

応用数学構造力学積分せん断力曲げモーメント
2025/6/22

1. 問題の内容

長さLの片持ち梁が、線形に変化する分布荷重を受けています。分布荷重は、自由端(A)で0、固定端(B)でωです。この梁の軸力図(N図)、せん断力図(Q図)、曲げモーメント図(M図)を描きます。

2. 解き方の手順

(1) 座標の設定
自由端Aを原点として、梁の長手方向にx軸を設定します。
(2) 軸力図(N図)
梁に軸方向の荷重が作用していないため、軸力は常に0です。
よって、軸力図は0の直線になります。
(3) せん断力図(Q図)
xxにおける分布荷重の大きさ w(x)w(x) は、w(x)=ωLxw(x) = \frac{\omega}{L}x と表されます。
xxまでの荷重の合計(=せん断力)をQ(x)Q(x)とすると、
Q(x)=0xw(x)dx=0xωLxdx=ωLx22=ωx22LQ(x) = -\int_0^x w(x) dx = -\int_0^x \frac{\omega}{L}x dx = -\frac{\omega}{L} \frac{x^2}{2} = -\frac{\omega x^2}{2L}
したがって、せん断力はxxの2次関数となります。
x=0x=0 (A点) では Q(0)=0Q(0) = 0
x=Lx=L (B点) では Q(L)=ωL22L=ωL2Q(L) = -\frac{\omega L^2}{2L} = -\frac{\omega L}{2}
せん断力図は、原点を通る下に凸の二次曲線になり、B点では ωL2-\frac{\omega L}{2} となります。
(4) 曲げモーメント図(M図)
xxまでの曲げモーメントをM(x)M(x)とすると、せん断力Q(x)Q(x)を積分することで求められます。
M(x)=0xQ(x)dx=0xωx22Ldx=ω2Lx33=ωx36LM(x) = \int_0^x Q(x) dx = \int_0^x -\frac{\omega x^2}{2L} dx = -\frac{\omega}{2L} \frac{x^3}{3} = -\frac{\omega x^3}{6L}
したがって、曲げモーメントはxxの3次関数となります。
x=0x=0 (A点) では M(0)=0M(0) = 0
x=Lx=L (B点) では M(L)=ωL36L=ωL26M(L) = -\frac{\omega L^3}{6L} = -\frac{\omega L^2}{6}
曲げモーメント図は、原点を通る下に凸の三次曲線になり、B点では ωL26-\frac{\omega L^2}{6} となります。
曲げモーメントは負の値なので、引張側は上側になります。

3. 最終的な答え

* 軸力図(N図): 0の直線
* せん断力図(Q図): A点で0、B点でωL2-\frac{\omega L}{2}となる下に凸の二次曲線
* 曲げモーメント図(M図): A点で0、B点でωL26-\frac{\omega L^2}{6}となる下に凸の三次曲線。引張側は上側。

「応用数学」の関連問題

(1) 等差数列 $\{a_n\}$ について、$a_1 + a_2 + a_3 = -12$ と $a_1a_2a_3 = 80$ が与えられている。このとき、初項、公差、初項から第 $n$ 項まで...

数列ベクトル積分対数関数最大値最小値定積分
2025/6/22

この問題は、以下の3つの在庫管理に関する問題を解くものです。 (1) 経済的発注量(EOQ)を求める問題。年間需要量、年間保管費用、発注費用が与えられています。 (2) 発注点法における発注点と経済的...

在庫管理経済的発注量EOQ発注点法定期発注法
2025/6/22

静水上で4.0 m/sの速さで進むボートが、流れの速さ3.0 m/sの川を進んでいます。以下の3つの場合について、川岸から見たボートの速さを求めます。ただし、$\sqrt{7} = 2.6$とします。...

ベクトル速度三平方の定理物理
2025/6/22

川の流速が3.0 m/s の川で、ボートが(1)川の上流に向かって進む場合、(2)へさきを川の流れに直角に保って進む場合、(3)川の流れに対して直角に進む場合のそれぞれについて、川岸から見たボートの速...

ベクトル速度三角関数ピタゴラスの定理物理
2025/6/22

岸壁に平行に1.6m/sで東向きに進む船上にいる人BとCを、岸壁に立っている人Aが見ています。 (1) Bが船の進む向きと同じ向きに船に対して2.1m/sで動いているとき、Aから見たBの速度の向きと大...

速度ベクトル相対速度運動
2025/6/22

太陽光からエネルギーを得る地球において、単位面積あたり毎秒 $1.4 \times 10^3 J$ のエネルギーを受け取るとする。変換効率が12%で面積が $12 m^2$ の太陽電池を設置した場合、...

エネルギー変換効率電力物理
2025/6/22

1.0 g のウラン235がすべて核分裂したときに得られるエネルギーは $8.2 \times 10^{10} \mathrm{J}$ である。石油を燃やしてこれと同じ量のエネルギーを得るには、何 k...

エネルギー計算比例計算物理
2025/6/22

地球が太陽から受ける光エネルギーは、太陽に垂直な単位面積あたり毎秒約 $1.4 \times 10^3$ Jである。変換効率が10%で、表面積が10 $m^2$の太陽電池を太陽光に対して垂直に設置する...

エネルギー計算物理太陽電池電力
2025/6/22

等加速度直線運動をする物体について、以下の3つの問いに答える。 (1) 物体の加速度を求める。 (2) 物体が点Oから最も遠くなる時間と、その時の点Oからの距離を求める。 (3) 物体が再び点Oに戻っ...

物理等加速度直線運動運動の法則力学
2025/6/21

一定の速度12m/sで進む自動車を、静止していたオートバイが追いかける問題です。オートバイは出発から5.0秒後に自動車に追いつきます。以下の3つの問いに答えます。 (1) オートバイが自動車に追いつく...

運動加速度速度距離物理
2025/6/21