以下の式を証明する。 $(a \times b) \cdot (a \times b) + (a \cdot b)^2 = |a|^2 |b|^2$

応用数学ベクトル内積外積ベクトル三重積正射影
2025/6/23
## 問題の解答
### 問1

1. 問題の内容

以下の式を証明する。
(a×b)(a×b)+(ab)2=a2b2(a \times b) \cdot (a \times b) + (a \cdot b)^2 = |a|^2 |b|^2

2. 解き方の手順

左辺を展開し、ベクトルの恒等式を利用して右辺を導く。
まず、左辺の第1項は、a×b2|a \times b|^2 と書き換えられる。
a×b2=a2b2sin2θ|a \times b|^2 = |a|^2 |b|^2 \sin^2 \theta
ここで、θ\theta はベクトル aabb のなす角である。
左辺の第2項は、(ab)2(a \cdot b)^2 である。
(ab)2=a2b2cos2θ(a \cdot b)^2 = |a|^2 |b|^2 \cos^2 \theta
したがって、左辺は
a2b2sin2θ+a2b2cos2θ=a2b2(sin2θ+cos2θ)|a|^2 |b|^2 \sin^2 \theta + |a|^2 |b|^2 \cos^2 \theta = |a|^2 |b|^2 (\sin^2 \theta + \cos^2 \theta)
三角関数の恒等式 sin2θ+cos2θ=1\sin^2 \theta + \cos^2 \theta = 1 を用いると、
a2b2(sin2θ+cos2θ)=a2b2|a|^2 |b|^2 (\sin^2 \theta + \cos^2 \theta) = |a|^2 |b|^2
これは右辺に等しい。したがって、与えられた式は証明された。

3. 最終的な答え

(a×b)(a×b)+(ab)2=a2b2(a \times b) \cdot (a \times b) + (a \cdot b)^2 = |a|^2 |b|^2
### 問2

1. 問題の内容

以下の式を示す。
(a×b)(c×d)=(ac)(bd)(ad)(bc)(a \times b) \cdot (c \times d) = (a \cdot c)(b \cdot d) - (a \cdot d)(b \cdot c)

2. 解き方の手順

左辺を変形するために、スカラー三重積の性質を用いる。
a×ba \times b を一つのベクトル pp と置くと、p=a×bp = a \times bである。
左辺は p(c×d)p \cdot (c \times d) となる。
スカラー三重積の性質より、p(c×d)=(p×c)dp \cdot (c \times d) = (p \times c) \cdot dである。
ここで、p=a×bp = a \times b を代入すると、
(a×b)(c×d)=((a×b)×c)d(a \times b) \cdot (c \times d) = ((a \times b) \times c) \cdot dとなる。
次に、ベクトル三重積の公式 (a×b)×c=(ac)b(bc)a(a \times b) \times c = (a \cdot c)b - (b \cdot c)a を用いると、
((a×b)×c)d=((ac)b(bc)a)d=(ac)(bd)(bc)(ad)((a \times b) \times c) \cdot d = ((a \cdot c)b - (b \cdot c)a) \cdot d = (a \cdot c)(b \cdot d) - (b \cdot c)(a \cdot d)
これは右辺に等しい。したがって、与えられた式は示された。

3. 最終的な答え

(a×b)(c×d)=(ac)(bd)(ad)(bc)(a \times b) \cdot (c \times d) = (a \cdot c)(b \cdot d) - (a \cdot d)(b \cdot c)
### 問3

1. 問題の内容

3次元空間上に任意のベクトル aa と、長さが1の単位ベクトル nn (n=1|n|=1) がある。以下の問いに答える。
(1) ベクトル aann 方向への投影ベクトルは (na)n(n \cdot a)n であることを示す。
(2) a(na)n=n×(a×n)a - (n \cdot a)n = n \times (a \times n) を示す。
(3) (2) より a=(na)n+n×(a×n)a = (n \cdot a)n + n \times (a \times n) と表されるが、右辺のそれぞれの2つの項は何を意味しているのか説明する。
(4) a=(1,1,1)a = (1, 1, 1), n=(1,0,0)n = (1, 0, 0) のとき、n×(a×n)n \times (a \times n) を求める。

2. 解き方の手順

(1) 投影ベクトルの定義から示す。
(2) ベクトル三重積の公式を用いて示す。
(3) (1)と(2)の結果を元に、それぞれの項が何を表しているのか説明する。
(4) ベクトルの外積の計算を行う。
(1) ベクトル aann 方向への投影ベクトルを ana_n とする。
投影ベクトルの大きさは acosθ|a| \cos \theta であり、θ\thetaaann のなす角である。
an=ancosθa \cdot n = |a||n|\cos \theta より、cosθ=anan\cos \theta = \frac{a \cdot n}{|a||n|}
an=acosθ=aanan=ann|a_n| = |a| \cos \theta = |a| \frac{a \cdot n}{|a||n|} = \frac{a \cdot n}{|n|}
nn は単位ベクトルなので n=1|n| = 1。よって an=an|a_n| = a \cdot n
ana_n の方向は nn と同じなので、an=(an)na_n = (a \cdot n) n
(2) ベクトル三重積の公式 n×(a×n)=(nn)a(na)nn \times (a \times n) = (n \cdot n) a - (n \cdot a) n を用いる。
nn は単位ベクトルなので nn=n2=1n \cdot n = |n|^2 = 1
よって、n×(a×n)=a(na)nn \times (a \times n) = a - (n \cdot a) n
(3) a=(na)n+n×(a×n)a = (n \cdot a)n + n \times (a \times n)
右辺第1項 (na)n(n \cdot a) n は、ベクトル aann 方向への**正射影ベクトル**を表す。
右辺第2項 n×(a×n)n \times (a \times n) は、ベクトル aa から nn 方向への正射影ベクトルを引いた残りのベクトルであり、nn に**垂直な成分**を表す。
(4) a=(1,1,1)a = (1, 1, 1), n=(1,0,0)n = (1, 0, 0) のとき、n×(a×n)n \times (a \times n) を求める。
まず、a×n=ijk111100=(00)i(01)j+(01)k=(0,1,1)a \times n = \begin{vmatrix} i & j & k \\ 1 & 1 & 1 \\ 1 & 0 & 0 \end{vmatrix} = (0-0)i - (0-1)j + (0-1)k = (0, 1, -1)
次に、n×(a×n)=n×(0,1,1)=ijk100011=(00)i(10)j+(10)k=(0,1,1)n \times (a \times n) = n \times (0, 1, -1) = \begin{vmatrix} i & j & k \\ 1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & -1 \end{vmatrix} = (0-0)i - (-1-0)j + (1-0)k = (0, 1, 1)

3. 最終的な答え

(1) ベクトル aann 方向への投影ベクトルは (na)n(n \cdot a)n である。
(2) a(na)n=n×(a×n)a - (n \cdot a)n = n \times (a \times n)
(3) (na)n(n \cdot a) n はベクトル aann 方向への正射影ベクトル、n×(a×n)n \times (a \times n) はベクトル aann に垂直な成分を表す。
(4) n×(a×n)=(0,1,1)n \times (a \times n) = (0, 1, 1)

「応用数学」の関連問題

小球が水平面に対して30°の角度で速度 $v$ で衝突し、跳ね返った直後の速度のx成分 $v'_x$ とy成分 $v'_y$ を、反発係数 $\frac{1}{3}$ を用いて、$v$ で表す問題です...

力学衝突ベクトル物理
2025/6/23

与えられた7つの2階常微分方程式の一般解を求める問題です。特に、(5)から(7)については、括弧内に与えられた斉次解を利用することが推奨されています。

常微分方程式微分方程式解法一般解
2025/6/23

与えられた問題はDSB(両側波帯)変調に関する3つの設問です。 1) DSB変調波 $f_{dsb}(t)$ を、搬送波 $V_c \sin(\omega_c t)$、情報信号 $s(t)$ および変...

信号処理フーリエ変換DSB変調周波数スペクトル
2025/6/23

質量0.50kgの球を軽い糸でつるし、糸の上端を持って鉛直上向きに球を引き上げる問題です。 (1) 球にはたらく重力の大きさを求めます。 (2) 球が一定の速さで上昇する場合と、鉛直下向きの加速度で上...

力学運動方程式重力張力加速度
2025/6/23

質量 $0.50 \mathrm{kg}$ の球に働く重力の大きさを求める問題です。重力加速度を $g = 9.8 \mathrm{m/s^2}$ とします。

物理力学重力質量重力加速度
2025/6/23

質量5.0kgの物体に、大きさ20Nの力が角度$\theta$で加えられています。ここで、$\tan \theta = \frac{3}{4}$です。物体の加速度の向きと大きさを求める問題です。

力学運動方程式ベクトル三角関数加速度
2025/6/23

質量 5.0 kg の物体が、傾斜角 $\theta$ ($\sin \theta = \frac{3}{5}$, $\cos \theta = \frac{4}{5}$) の斜面上に置かれている。物...

力学運動方程式加速度重力張力
2025/6/23

問題2-7は、初速度 $v_0$、角度 $\theta$ で打ち出された物体が放物線を描くこと、すなわち、物体の軌跡が $y = Ax^2 + Bx$ の形で表されることを示す問題です。

力学放物運動軌跡物理
2025/6/23

あるプロ野球球団の1年間の応援グッズの売上が、売場Aから売場Eまでまとめられています。売場Aから売場Dまでの売上高(万円)と、メガホン、タオル、Tシャツの売上個数が分かっています。売場Eの売上高を推測...

線形代数連立方程式回帰分析モデル化
2025/6/23

パソコンのセール販売実績が表で与えられており、A社からE社までの定価、セール時の価格、および販売実績(台数)が記載されています。E社の販売実績が不明であるため、他の社のデータからE社の販売実績を推測す...

統計データ分析線形近似割引率販売実績推測
2025/6/23