S4 の生成系であるかを調べるには、与えられた置換から S4 の全ての要素が生成できるかどうかを確認する必要があります。 まず、与えられた置換は互換です。互換(1,4) は1と4を入れ替える置換を表します。同様に、(2,4) は2と4を、(3,4) は3と4を入れ替える置換です。 S4は互換で生成されることが知られています。特に隣接互換(i,i+1)はS4の生成系となります。 そこで与えられた互換を用いて、隣接互換を生成できるか検討します。
(1,2)=(2,4)(1,4)(2,4) (2,3)=(3,4)(2,4)(3,4) しかし、(1,2) や (2,3) を生成できたとしても、(1,2), (2,3)と与えられた互換 (1,4),(2,4),(3,4) から (i,i+1)の形の互換を全て生成できるわけではありません。 また、S4の位数は4!=24です。したがって、与えられた3つの互換から24個の全ての要素を生成できるか、あるいは生成される群の位数が24になるかを調べることもできます。 ここで、与えられた3つの互換 (1,4),(2,4),(3,4) で生成される群を G とします。G に含まれる要素をいくつか計算してみます。 * (1,4)(2,4)=(1,4,2) * (2,4)(1,4)=(1,2,4) * (1,4)(2,4)(1,4)=(2,4) * (1,4)(2,4)(3,4)=(1,4,2)(3,4) * (1,4)(2,4)(1,4)(2,4)=(1,2)(2,4)(2,4)=(1,2) また、(1,4), (2,4), (3,4) はそれぞれ位数2の元なので、これらを組み合わせて生成される元の位数はそれほど大きくはなりません。 例えば、3つの互換全てを作用させても、
(1,4)(2,4)(3,4)=(1,4,2)(3,4) ですが、位数2の互換と位数3の巡回置換の積なので、位数は6となります。
以上のことから、S4の全ての要素を生成するのは難しそうです。 別の考え方として、S4は置換群なので、ある集合 X 上の置換とみなすことができます。今回の場合は X={1,2,3,4} です。与えられた互換は全て4を動かします。つまり、4を固定する置換は生成できません。しかし、例えば恒等置換は4を固定する置換なので、(1,2)など4を固定する互換は生成できません。したがって、S4の全ての要素を生成することはできません。