原子間に働く引力の最大値を与える原子間距離 $r_M$ を $\sigma$ で表すと、$r_M = (\frac{B}{7})^{\frac{1}{6}} \sigma$ と表される。このとき、$B$ として最も適した整数を求める。

応用数学物理学ポテンシャル微分極値
2025/6/26

1. 問題の内容

原子間に働く引力の最大値を与える原子間距離 rMr_Mσ\sigma で表すと、rM=(B7)16σr_M = (\frac{B}{7})^{\frac{1}{6}} \sigma と表される。このとき、BB として最も適した整数を求める。

2. 解き方の手順

原子間ポテンシャルの代表的なモデルである Lennard-Jones ポテンシャルは、次のように表される。
V(r)=4ϵ[(σr)12(σr)6]V(r) = 4\epsilon \left[ \left( \frac{\sigma}{r} \right)^{12} - \left( \frac{\sigma}{r} \right)^{6} \right]
ここで、rr は原子間距離、ϵ\epsilon はポテンシャルの深さ、σ\sigma は原子間距離が V(r)=0V(r) = 0 となる距離である。
原子間に働く力 F(r)F(r) は、ポテンシャル V(r)V(r) の負の勾配として計算される。
F(r)=dV(r)dr=4ϵ[12σ12r13+6σ6r7]=24ϵ[σ12r13σ62r7]F(r) = - \frac{dV(r)}{dr} = - 4\epsilon \left[ -12\frac{\sigma^{12}}{r^{13}} + 6\frac{\sigma^6}{r^7} \right] = 24\epsilon \left[ \frac{\sigma^{12}}{r^{13}} - \frac{\sigma^6}{2r^7} \right]
引力の最大値を与える距離 rMr_M は、F(r)F(r)rr で微分したものがゼロになる点で求められる。
dF(r)dr=24ϵ[13σ12r14+7σ62r8]=0\frac{dF(r)}{dr} = 24\epsilon \left[ -13\frac{\sigma^{12}}{r^{14}} + \frac{7\sigma^6}{2r^8} \right] = 0
13σ12r14+7σ62r8=0-13\frac{\sigma^{12}}{r^{14}} + \frac{7\sigma^6}{2r^8} = 0
7σ62r8=13σ12r14\frac{7\sigma^6}{2r^8} = 13\frac{\sigma^{12}}{r^{14}}
72=13σ6r6\frac{7}{2} = 13 \frac{\sigma^6}{r^6}
r6=267σ6r^6 = \frac{26}{7} \sigma^6
r=(267)16σr = \left( \frac{26}{7} \right)^{\frac{1}{6}} \sigma
問題文より、rM=(B7)16σr_M = \left( \frac{B}{7} \right)^{\frac{1}{6}} \sigma であるため、B7=267\frac{B}{7} = \frac{26}{7} となる。したがって、B=26B = 26 である。

3. 最終的な答え

26

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