質量 $m$ の質点が、速度に比例する抵抗力 (比例定数 $b > 0$) を受けながら、バネ定数 $k$ ($k > 0$) のバネにつながれて直線上を振動している。平衡位置を原点にしたときの質点の位置を $x$ で表すとき、以下の問いに答えよ。 (1) 質点の運動方程式を求めよ。 (2) (1) において、$2\gamma = \frac{b}{m}$、$\omega_0^2 = \frac{k}{m}$ とおき、特性方程式の方法で一般解を求めよ。ただし、(i) $\gamma^2 - \omega_0^2 > 0$、(ii) $\gamma^2 - \omega_0^2 = 0$、(iii) $\gamma^2 - \omega_0^2 < 0$ の場合に分けて一般解を求めよ。 (3) 初期条件 ($t = 0$ での $x, v$ の値) を $x(0) = 1$、$\dot{x}(0) = 0$ とするとき、(i)-(iii) のそれぞれについて横軸を $t$ 軸、縦軸を $x$ として解のグラフの形を描け。
2025/6/26
1. 問題の内容
質量 の質点が、速度に比例する抵抗力 (比例定数 ) を受けながら、バネ定数 () のバネにつながれて直線上を振動している。平衡位置を原点にしたときの質点の位置を で表すとき、以下の問いに答えよ。
(1) 質点の運動方程式を求めよ。
(2) (1) において、、 とおき、特性方程式の方法で一般解を求めよ。ただし、(i) 、(ii) 、(iii) の場合に分けて一般解を求めよ。
(3) 初期条件 ( での の値) を 、 とするとき、(i)-(iii) のそれぞれについて横軸を 軸、縦軸を として解のグラフの形を描け。
2. 解き方の手順
(1) 運動方程式の導出
質点に働く力は、バネによる力 と、速度に比例する抵抗力 である。ニュートンの運動方程式より、
移項して整理すると、運動方程式は
(2) 一般解の導出
(1) で求めた運動方程式を、 で割ると、
問題文の指示より、、 を代入すると、
この微分方程式を解くために、特性方程式を用いる。 と仮定すると、
この2次方程式の解は、
判別式 の符号によって場合分けする。
(i) (過減衰) の場合
、 は実数で異なる。
したがって、一般解は
(ii) (臨界減衰) の場合
(重解)
したがって、一般解は
(iii) (減衰振動) の場合
は複素数となる。 とおくと、
したがって、一般解は
(3) 初期条件とグラフの概形
初期条件 , を用いて、(i)-(iii) それぞれの場合について解を決定する。
(i) (過減衰) の場合
この連立方程式を解くと、
,
よって
グラフは、時間経過とともに に滑らかに減衰する。振動はない。
(ii) (臨界減衰) の場合
グラフは、時間経過とともに に滑らかに減衰する。振動はない。減衰の速さが(i)の場合よりも速い。
(iii) (減衰振動) の場合
グラフは、振幅が徐々に小さくなる振動をする。
3. 最終的な答え
(1)
(2)
(i) :
(ii) :
(iii) :
(3)
(i)過減衰:
(ii)臨界減衰:
(iii)減衰振動:
グラフの概形は上記の説明を参照。