質量 $m$ の小球が高さ $h$ の位置から滑り台を滑り降り、質量 $2m$ の台車に乗り、台車と共に高さ $H$ まで登る問題です。摩擦や空気抵抗は無視できるものとして、以下の問いに答えます。 (1) 小球が滑り台を下るまでに保存されるものはどれか。 (2) 小球が台車に乗ってから固定されるまでに保存されるものはどれか。 (3) 小球が台車上で固定された後の速さ $V$ は $v$ の何倍か。 (4) $H$ は $h$ の何倍か。 (5) 高さ $H$ に至った時までに失った力学的エネルギーは $mgh$ の何倍か。

応用数学力学エネルギー保存運動量保存力学的エネルギー摩擦
2025/6/26

1. 問題の内容

質量 mm の小球が高さ hh の位置から滑り台を滑り降り、質量 2m2m の台車に乗り、台車と共に高さ HH まで登る問題です。摩擦や空気抵抗は無視できるものとして、以下の問いに答えます。
(1) 小球が滑り台を下るまでに保存されるものはどれか。
(2) 小球が台車に乗ってから固定されるまでに保存されるものはどれか。
(3) 小球が台車上で固定された後の速さ VVvv の何倍か。
(4) HHhh の何倍か。
(5) 高さ HH に至った時までに失った力学的エネルギーは mghmgh の何倍か。

2. 解き方の手順

(1) 小球が滑り台を下る間は、重力と垂直抗力のみが作用し、垂直抗力は仕事をしないため、力学的エネルギーが保存されます。したがって、小球の力学的エネルギーが保存されます。
(2) 小球が台車に乗ってから固定されるまでは、小球と台車の間に摩擦力が働き、運動量の水平成分が保存されます。運動量の和が保存されます。
(3) 小球が台車に衝突する直前の速さを vv とすると、力学的エネルギー保存則より、
mgh=12mv2mgh = \frac{1}{2}mv^2
v=2ghv = \sqrt{2gh}
小球と台車が一体となった後の速さを VV とすると、運動量保存則より、
mv=(m+2m)Vmv = (m + 2m)V
V=13v=132ghV = \frac{1}{3}v = \frac{1}{3}\sqrt{2gh}
したがって、
V=13vV = \frac{1}{3}v
(4) 高さ HH に達したとき、運動エネルギーは0になるので、力学的エネルギー保存則より、
12(m+2m)V2=(m+2m)gH\frac{1}{2}(m + 2m)V^2 = (m + 2m)gH
12×3m×(13v)2=3mgH\frac{1}{2} \times 3m \times (\frac{1}{3}v)^2 = 3mgH
12×3m×19(2gh)=3mgH\frac{1}{2} \times 3m \times \frac{1}{9} (2gh) = 3mgH
13mgh=3mgH\frac{1}{3}mgh = 3mgH
H=19hH = \frac{1}{9}h
(5) 最初に小球が持っていた力学的エネルギーは mghmgh です。高さ HH に達したときの力学的エネルギーは (m+2m)gH=3mgH=3mg(19h)=13mgh(m+2m)gH = 3mgH = 3mg(\frac{1}{9}h) = \frac{1}{3}mgh です。失った力学的エネルギーは、
mgh13mgh=23mghmgh - \frac{1}{3}mgh = \frac{2}{3}mgh
よって、23\frac{2}{3} 倍です。

3. 最終的な答え

(1) 7
(2) 3
(3) 5
(4) 7
(5) 6

「応用数学」の関連問題

与えられた微分方程式 $M \frac{d^2 l}{dt^2} = - \mu M g$ の一般解を求める問題です。ここで、$l$ は位置、$t$ は時間、$M$ は質量、$g$ は重力加速度、$\...

微分方程式物理運動
2025/6/26

地上から高さ $h$ [m] の高さで地球を回る人工衛星の速さと周期を求めよ。ただし、地球の半径を $R$ [m]、地表での重力加速度の大きさを $g$ [m/s^2] とする。

万有引力力学運動方程式人工衛星物理
2025/6/26

質量 $4.0 \times 10^{24} kg$ の惑星から $1.3 \times 10^{10} m$ だけ離れたところに小物体を置き、静かに離した。惑星からの距離が $6.7 \times ...

万有引力エネルギー保存則物理
2025/6/26

4つの不等式 $x \ge 0$, $y \ge 0$, $2x+y \le 6$, $x+2y \le 6$ をすべて満たすとき、$2x+3y$ の最大値と最小値を求めよ。

線形計画法不等式最大値最小値領域
2025/6/26

間隔が $l$ の平行平板コンデンサの中に、厚さ $d$ の金属板を挿入した場合と、同じ寸法の誘電体を挿入した場合の静電容量の比 $C_0/C_1$ を求める問題です。ただし、$l > d$ とし、極...

電気回路静電容量コンデンサ電磁気学
2025/6/26

1950年の年少人口をXとおいたとき、2012年の年少人口がXを使ってどのように表されるか、最も近いものを選択肢から選ぶ問題です。

割合人口統計近似計算
2025/6/26

サウジアラビアの主要10カ国・地域との貿易に関する表が与えられています。この表から、米国への輸出額が前年と比べておよそいくら増えたかを、最も近い選択肢の中から選ぶ問題です。

割合計算貿易
2025/6/26

問題1: 質量の無視できるばねの両端におもりA, Bが取り付けられている。おもりA, Bとばねをまとめたものを系Cとする。A, Bに作用する力は地球からの引力とばねの復元力のみと仮定し、以下の(1)~...

力学運動量保存則力学的エネルギー保存則内力外力
2025/6/26

日本の技術交流(技術貿易)の推移を表にしたものを見て、1986年度の技術輸出による受領額を求める問題です。ただし、表には1986年度の受領額が直接記載されておらず、対前年度比(-3.5%)のみが記載さ...

割合計算ビジネス
2025/6/26

金属球にはたらく力の大きさ $F$ を計算する問題です。式は $F = 9.0 \times 10^9 \times \frac{2.0 \times 10^{-7} \times 4.0 \time...

物理電磁気学クーロン力指数計算
2025/6/26