間隔が $l$ の平行平板コンデンサの中に、厚さ $d$ の金属板を挿入した場合と、同じ寸法の誘電体を挿入した場合の静電容量の比 $C_0/C_1$ を求める問題です。ただし、$l > d$ とし、極板面積は $S$ で、両極板には $\pm Q$ の電荷が与えられているとします。

応用数学電気回路静電容量コンデンサ電磁気学
2025/6/26

1. 問題の内容

間隔が ll の平行平板コンデンサの中に、厚さ dd の金属板を挿入した場合と、同じ寸法の誘電体を挿入した場合の静電容量の比 C0/C1C_0/C_1 を求める問題です。ただし、l>dl > d とし、極板面積は SS で、両極板には ±Q\pm Q の電荷が与えられているとします。

2. 解き方の手順

(i) 金属板を挿入した場合
極板間の電場 EEE=Dϵ0=QSϵ0E = \frac{D}{\epsilon_0} = \frac{Q}{S\epsilon_0} であり、金属板内では電場は 0 です。
したがって、電位差 VVV=E(ld)=Q(ld)Sϵ0V = E(l - d) = \frac{Q(l - d)}{S\epsilon_0} となります。
静電容量 C0C_0 は、C0=QV=QQ(ld)Sϵ0=ϵ0SldC_0 = \frac{Q}{V} = \frac{Q}{\frac{Q(l-d)}{S\epsilon_0}} = \frac{\epsilon_0 S}{l - d} となります。
(ii) 誘電体を挿入した場合
誘電体中の電束密度は D=QSD = \frac{Q}{S} であり、誘電体中の電場の強さは E=DϵE' = \frac{D}{\epsilon} となります。空気中の電場の強さは E=Dϵ0E = \frac{D}{\epsilon_0} です。
したがって、電位差 VVV=Dϵ0(ld)+Dϵd=QS(ldϵ0+dϵ)V = \frac{D}{\epsilon_0}(l - d) + \frac{D}{\epsilon}d = \frac{Q}{S} \left(\frac{l - d}{\epsilon_0} + \frac{d}{\epsilon}\right) となります。
静電容量 C1C_1 は、C1=QV=QQS(ldϵ0+dϵ)=Sldϵ0+dϵ=ϵ0Sld+dϵ0ϵC_1 = \frac{Q}{V} = \frac{Q}{\frac{Q}{S} \left(\frac{l - d}{\epsilon_0} + \frac{d}{\epsilon}\right)} = \frac{S}{\frac{l - d}{\epsilon_0} + \frac{d}{\epsilon}} = \frac{\epsilon_0 S}{l - d + \frac{d \epsilon_0}{\epsilon}} となります。
静電容量の比 C0C1\frac{C_0}{C_1} は、
C0C1=ϵ0Sldϵ0Sld+dϵ0ϵ=ld+dϵ0ϵld=1+dϵ0ϵ(ld)\frac{C_0}{C_1} = \frac{\frac{\epsilon_0 S}{l - d}}{\frac{\epsilon_0 S}{l - d + \frac{d \epsilon_0}{\epsilon}}} = \frac{l - d + \frac{d \epsilon_0}{\epsilon}}{l - d} = 1 + \frac{d \epsilon_0}{\epsilon (l - d)} となります。

3. 最終的な答え

C0C1=1+dϵ0(ld)ϵ\frac{C_0}{C_1} = 1 + \frac{d \epsilon_0}{(l - d)\epsilon}

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