(3) $A \geq 0$, $B \geq 0$, $A^2 \geq B^2$ ならば $A \geq B$ となることを証明する。 (4) 実数 $x, y$ に対して、不等式 $|x + y| \leq |x| + |y|$ を証明し、等号が成り立つ場合を調べる。

代数学不等式絶対値証明数式処理
2025/6/26

1. 問題の内容

(3) A0A \geq 0, B0B \geq 0, A2B2A^2 \geq B^2 ならば ABA \geq B となることを証明する。
(4) 実数 x,yx, y に対して、不等式 x+yx+y|x + y| \leq |x| + |y| を証明し、等号が成り立つ場合を調べる。

2. 解き方の手順

(3) A0A \geq 0 かつ B0B \geq 0 であるから、A+B0A+B \geq 0 が成り立つ。
A2B2A^2 \geq B^2 より、 A2B20A^2 - B^2 \geq 0 となる。
ここで、A2B2=(A+B)(AB)A^2 - B^2 = (A+B)(A-B) であるから、
(A+B)(AB)0(A+B)(A-B) \geq 0 となる。
A+B0A+B \geq 0 より、 AB0A-B \geq 0 である必要がある。
したがって、ABA \geq B が成り立つ。
(4) 不等式 x+yx+y|x+y| \leq |x| + |y| を証明する。ヒントにある通り、両辺の2乗の差を考える。
(x+y)2x+y2=x2+2xy+y2(x+y)2=x2+2xy+y2(x2+2xy+y2)=2(xyxy)(|x| + |y|)^2 - |x+y|^2 = |x|^2 + 2|x||y| + |y|^2 - (x+y)^2 = x^2 + 2|x||y| + y^2 - (x^2 + 2xy + y^2) = 2(|x||y| - xy)
ここで、xyxy|x||y| \geq xy が常に成り立つ。
なぜなら、xyxy0|x||y| - xy \geq 0 は、xxyy の符号が同じ場合 xyxy=0xy - xy = 0 となり、符号が異なる場合 xyxy=2xy0-xy - xy = -2xy \geq 0 となるため。(xyxy は負なので xy-xy は正)
したがって、xyxy0|x||y| - xy \geq 0 が成り立つので、
(x+y)2x+y2=2(xyxy)0(|x| + |y|)^2 - |x+y|^2 = 2(|x||y| - xy) \geq 0 となる。
(x+y)2x+y2(|x| + |y|)^2 \geq |x+y|^2 が成り立つ。
x+y0|x| + |y| \geq 0 かつ x+y0|x+y| \geq 0 であるから、両辺の平方根を取って x+yx+y|x| + |y| \geq |x+y| が成り立つ。
したがって、x+yx+y|x+y| \leq |x| + |y| が証明された。
等号が成り立つのは、xy=xy|x||y| = xy のときである。
これは、xy0xy \geq 0 のときに成り立つ。
つまり、xxyy の符号が同じ(両方とも正か両方とも負)か、少なくともどちらか一方が0のときに等号が成り立つ。

3. 最終的な答え

(3) ABA \geq B
(4) x+yx+y|x+y| \leq |x| + |y| であり、等号が成り立つのは xy0xy \geq 0 のとき。

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