2次方程式 $x^2 - 2\sqrt{3}x + 2 = 0$ の2つの実数解のうち、小さい方を $a$、大きい方を $b$ とします。$w = (a + bi)^2$ と定め、$i$ は虚数単位です。$\text{arg} \, z$ は複素数 $z$ の偏角を表し、その範囲は $0 \le \text{arg} \, z < 2\pi$ とします。このとき、以下の空欄に当てはまる値を求めます。 (1) $w = (\text{ア}) + (\text{イ})i$ (2) $|w| = (\text{ウ})$、$\text{arg} \, w = (\text{エ})$ (3) $|a+bi| = (\text{オ})$、$\text{arg}(a+bi) = (\text{カ})$、$\cos(\text{カ}) = (\text{キ})$

代数学二次方程式複素数絶対値偏角解の公式
2025/6/27

1. 問題の内容

2次方程式 x223x+2=0x^2 - 2\sqrt{3}x + 2 = 0 の2つの実数解のうち、小さい方を aa、大きい方を bb とします。w=(a+bi)2w = (a + bi)^2 と定め、ii は虚数単位です。argz\text{arg} \, z は複素数 zz の偏角を表し、その範囲は 0argz<2π0 \le \text{arg} \, z < 2\pi とします。このとき、以下の空欄に当てはまる値を求めます。
(1) w=()+()iw = (\text{ア}) + (\text{イ})i
(2) w=()|w| = (\text{ウ})argw=()\text{arg} \, w = (\text{エ})
(3) a+bi=()|a+bi| = (\text{オ})arg(a+bi)=()\text{arg}(a+bi) = (\text{カ})cos()=()\cos(\text{カ}) = (\text{キ})

2. 解き方の手順

まず、2次方程式 x223x+2=0x^2 - 2\sqrt{3}x + 2 = 0 を解きます。解の公式より、
x=23±(23)24(1)(2)2=23±1282=23±22=3±1x = \frac{2\sqrt{3} \pm \sqrt{(2\sqrt{3})^2 - 4(1)(2)}}{2} = \frac{2\sqrt{3} \pm \sqrt{12 - 8}}{2} = \frac{2\sqrt{3} \pm 2}{2} = \sqrt{3} \pm 1
したがって、a=31a = \sqrt{3} - 1b=3+1b = \sqrt{3} + 1 となります。
(1) w=(a+bi)2=(31+i(3+1))2w = (a + bi)^2 = (\sqrt{3} - 1 + i(\sqrt{3} + 1))^2. ここで、a+bia+bi は複素数なので、実部が31\sqrt{3} - 1、虚部が3+1\sqrt{3} + 1となります。従って、
\begin{align*} w &= (\sqrt{3} - 1 + (\sqrt{3} + 1)i)^2 \\ &= (\sqrt{3} - 1)^2 - (\sqrt{3} + 1)^2 + 2(\sqrt{3} - 1)(\sqrt{3} + 1)i \\ &= (3 - 2\sqrt{3} + 1) - (3 + 2\sqrt{3} + 1) + 2(3 - 1)i \\ &= 4 - 2\sqrt{3} - 4 - 2\sqrt{3} + 4i \\ &= -4\sqrt{3} + 4i\end{aligned}
よって、w=43+4iw = -4\sqrt{3} + 4i となります。
(2) w=43+4i=(43)2+42=48+16=64=8|w| = |-4\sqrt{3} + 4i| = \sqrt{(-4\sqrt{3})^2 + 4^2} = \sqrt{48 + 16} = \sqrt{64} = 8
argw\text{arg} \, w を求めます。w=43+4i=8(32+12i)w = -4\sqrt{3} + 4i = 8(-\frac{\sqrt{3}}{2} + \frac{1}{2}i) です。cosθ=32\cos \theta = -\frac{\sqrt{3}}{2} かつ sinθ=12\sin \theta = \frac{1}{2} となる θ\theta を考えると、θ=5π6\theta = \frac{5\pi}{6} です。したがって、argw=5π6\text{arg} \, w = \frac{5\pi}{6} となります。
(3) a+bi=31+(3+1)i=(31)2+(3+1)2=323+1+3+23+1=8=22|a+bi| = |\sqrt{3} - 1 + (\sqrt{3} + 1)i| = \sqrt{(\sqrt{3} - 1)^2 + (\sqrt{3} + 1)^2} = \sqrt{3 - 2\sqrt{3} + 1 + 3 + 2\sqrt{3} + 1} = \sqrt{8} = 2\sqrt{2}
arg(a+bi)\text{arg}(a+bi) を求めます。arg(a+bi)=θ\text{arg}(a+bi) = \theta とすると、cosθ=3122\cos \theta = \frac{\sqrt{3}-1}{2\sqrt{2}}sinθ=3+122\sin \theta = \frac{\sqrt{3}+1}{2\sqrt{2}} となります。
θ=5π12\theta = \frac{5\pi}{12} であることが知られています。
したがって、cos(arg(a+bi))=3122=624\cos(\text{arg}(a+bi)) = \frac{\sqrt{3}-1}{2\sqrt{2}} = \frac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4} となります。

3. 最終的な答え

(1) w=43+4iw = -4\sqrt{3} + 4i
(2) w=8|w| = 8argw=5π6\text{arg} \, w = \frac{5\pi}{6}
(3) a+bi=22|a+bi| = 2\sqrt{2}arg(a+bi)=5π12\text{arg}(a+bi) = \frac{5\pi}{12}cos(5π12)=624\cos(\frac{5\pi}{12}) = \frac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4}

「代数学」の関連問題

与えられた4x4行列の行列式を、基本変形を用いて計算する問題です。サラスの方法は禁止されており、少なくとも一度は列基本変形を用いる必要があります。また、どのような基本変形を行ったかを記述する必要があり...

行列行列式線形代数基本変形
2025/6/27

$n \ge 4$ に対して、$n$次正方行列の行列式($n$次行列式)がどうなるか考える。$n=4$の場合の展開式を書き、項数を求める。

行列式線形代数行列展開式
2025/6/27

問題は、ある表面から得られた3次の行列式について、以下の点を考察・議論することを求めています。 * 行列式の式の形、多重線形性、交代性、退化性 * 転置行列との関係 * $a_...

行列式線形代数多重線形性交代性転置行列多項式
2025/6/27

(1) 複素数 $z$ が $z + \frac{16}{z}$ が実数となるように動くとき、$z$ が描く図形を複素数平面上に図示する。ただし、$z \neq 0$ とする。 (2) (1)の条件に...

複素数複素数平面図形実数
2025/6/27

(1) 複素数 $z + \frac{16}{z}$ が実数となるような、0でない複素数 $z$ が複素数平面上に描く図形を求め、図示する。 (2) (1)の条件に加えて、$2 \le z + \fr...

複素数複素数平面絶対値三角関数
2025/6/27

(1) 複素数 $z + \frac{16}{z}$ が実数となるような、0でない複素数 $z$ が描く図形を複素数平面上に図示する。 (2) (1)の条件に加えて、$2 \leq z + \frac...

複素数複素数平面図形実数
2025/6/27

(1) 複素数 $z$ が $z + \frac{16}{z}$ が実数となるような0でない複素数 $z$ が描く図形を複素数平面上に図示せよ。 (2) (1)の条件に加えて、$2 \le z + \...

複素数複素数平面絶対値
2025/6/27

(1) 複素数 $z$ が $z + \frac{16}{z}$ が実数となるような $0$ でない $z$ の軌跡を複素数平面上に図示せよ。 (2) (1)の条件に加えて、$2 \le z + \f...

複素数複素数平面軌跡絶対値偏角
2025/6/27

与えられた画像には2つの問題が含まれています。 * **問題2:** 3次行列式の展開式が与えられています。この式を観察し、式の形、多重線形性、交代性、転置との関係、各成分の多項式としての性質など...

行列式行列線形代数置換展開
2025/6/27

3次正方行列 $A = \begin{pmatrix} a_1 & b_1 & c_1 \\ a_2 & b_2 & c_2 \\ a_3 & b_3 & c_3 \end{pmatrix}$ に対し...

線形代数行列式多重線形性交代性
2025/6/27