(1) 複素数 $z + \frac{16}{z}$ が実数となるような、0でない複素数 $z$ が描く図形を複素数平面上に図示する。 (2) (1)の条件に加えて、$2 \leq z + \frac{16}{z} \leq 10$ を満たすような0でない複素数 $z$ が描く図形を複素数平面上に図示する。

代数学複素数複素数平面図形実数
2025/6/27

1. 問題の内容

(1) 複素数 z+16zz + \frac{16}{z} が実数となるような、0でない複素数 zz が描く図形を複素数平面上に図示する。
(2) (1)の条件に加えて、2z+16z102 \leq z + \frac{16}{z} \leq 10 を満たすような0でない複素数 zz が描く図形を複素数平面上に図示する。

2. 解き方の手順

(1) z=r(cosθ+isinθ)z = r(\cos\theta + i\sin\theta) (r>0r>0, 0θ<2π0 \leq \theta < 2\pi)と表す。
このとき、
16z=16r(cosθ+isinθ)=16r(cosθisinθ)\frac{16}{z} = \frac{16}{r(\cos\theta + i\sin\theta)} = \frac{16}{r}(\cos\theta - i\sin\theta)
したがって、
z+16z=r(cosθ+isinθ)+16r(cosθisinθ)=(r+16r)cosθ+i(r16r)sinθz + \frac{16}{z} = r(\cos\theta + i\sin\theta) + \frac{16}{r}(\cos\theta - i\sin\theta) = (r + \frac{16}{r})\cos\theta + i(r - \frac{16}{r})\sin\theta
z+16zz + \frac{16}{z} が実数となるためには、虚部が0である必要がある。
したがって、(r16r)sinθ=0 (r - \frac{16}{r})\sin\theta = 0 を満たす必要がある。
この式は、r16r=0r - \frac{16}{r} = 0 または sinθ=0\sin\theta = 0 を意味する。
* r16r=0r - \frac{16}{r} = 0 のとき、r2=16r^2 = 16 より、r=4r = 4 (∵r>0r>0)
このとき、zz は原点中心、半径4の円となる。ただし、原点は含まない。
* sinθ=0\sin\theta = 0 のとき、θ=0\theta = 0 または θ=π\theta = \pi
このとき、zz は実軸上の点となる。
θ=0\theta = 0 のとき、z=rz = r
θ=π\theta = \pi のとき、z=rz = -r
ただし、z0z \neq 0 より、r>0r > 0 である。
z+16z=r+16rz + \frac{16}{z} = r + \frac{16}{r} (z=rz = r)または z+16z=r16rz + \frac{16}{z} = -r - \frac{16}{r} (z=rz = -r)
したがって、zz が描く図形は、半径4の円(原点を除く)と実軸である。
(2)
(1)より、z+16zz + \frac{16}{z} が実数であるとき、
2z+16z102 \leq z + \frac{16}{z} \leq 10 を満たす zz を考える。
* zz が半径4の円上にあるとき、z=4(cosθ+isinθ)z = 4(\cos\theta + i\sin\theta)
z+16z=(4+164)cosθ+i(4164)sinθ=8cosθz + \frac{16}{z} = (4 + \frac{16}{4})\cos\theta + i(4 - \frac{16}{4})\sin\theta = 8\cos\theta
28cosθ102 \leq 8\cos\theta \leq 10
14cosθ54\frac{1}{4} \leq \cos\theta \leq \frac{5}{4}
cosθ1\cos\theta \leq 1より、14cosθ1\frac{1}{4} \leq \cos\theta \leq 1 を満たす。
arccos(1/4)1.318\arccos(1/4) \approx 1.318 なので、arccos(1/4)θarccos(1/4)-\arccos(1/4) \leq \theta \leq \arccos(1/4) すなわち 1.318θ1.318-1.318 \leq \theta \leq 1.318
したがって、円弧となる。
* zz が実軸上にあるとき、
z=rz = r のとき、2r+16r102 \leq r + \frac{16}{r} \leq 10
r>0r>0より、2rr2+1610r2r \leq r^2 + 16 \leq 10r
r22r+160r^2 - 2r + 16 \geq 0 は常に成り立つ
r210r+160r^2 - 10r + 16 \leq 0 より (r2)(r8)0(r-2)(r-8) \leq 0
2r82 \leq r \leq 8
z=rz = -r のとき、2r16r102 \leq -r - \frac{16}{r} \leq 10
10r+16r2-10 \leq r + \frac{16}{r} \leq -2
r>0r > 0 より r+16r>0r + \frac{16}{r} > 0 なので、これは成り立たない。
したがって、実軸上では 2z82 \leq z \leq 8 である。

3. 最終的な答え

(1) 原点を除く半径4の円と実軸全体
(2)
半径4の円 z=4|z| = 4 において、arccos(1/4)arg(z)arccos(1/4)-\arccos(1/4) \leq \arg(z) \leq \arccos(1/4) の範囲の円弧と、実軸上の 2z82 \leq z \leq 8 の範囲。

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