袋の中に白玉1個と赤玉2個が入っている。この袋から1個の玉を取り出して元に戻す操作を $n$ 回繰り返す。$k$ 回目に白玉が出れば $a_k = 1$, 赤玉が出れば $a_k = 2$ とする。和 $a_1 + a_2 + \dots + a_n$ を $S_n$ とおき、$S_n$ が偶数となる確率を $p_n$ とする。 (1) $p_1, p_2, p_3$ を求めよ。 (2) $p_{n+1}$ を $p_n$ を用いて表せ。 (3) $p_n$ を $n$ を用いて表せ。 (4) $\lim_{n \to \infty} p_n$ を求めよ。

確率論・統計学確率漸化式極限確率変数
2025/6/27

1. 問題の内容

袋の中に白玉1個と赤玉2個が入っている。この袋から1個の玉を取り出して元に戻す操作を nn 回繰り返す。kk 回目に白玉が出れば ak=1a_k = 1, 赤玉が出れば ak=2a_k = 2 とする。和 a1+a2++ana_1 + a_2 + \dots + a_nSnS_n とおき、SnS_n が偶数となる確率を pnp_n とする。
(1) p1,p2,p3p_1, p_2, p_3 を求めよ。
(2) pn+1p_{n+1}pnp_n を用いて表せ。
(3) pnp_nnn を用いて表せ。
(4) limnpn\lim_{n \to \infty} p_n を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
p1p_1 を求める。S1=a1S_1 = a_1 が偶数となるのは、赤玉が出た場合である。したがって、p1=23p_1 = \frac{2}{3}.
p2p_2 を求める。S2=a1+a2S_2 = a_1 + a_2 が偶数となるのは、(白, 白) または (赤, 赤) の場合である。
(白, 白) の確率は 1313=19\frac{1}{3} \cdot \frac{1}{3} = \frac{1}{9}
(赤, 赤) の確率は 2323=49\frac{2}{3} \cdot \frac{2}{3} = \frac{4}{9}
したがって、p2=19+49=59p_2 = \frac{1}{9} + \frac{4}{9} = \frac{5}{9}.
p3p_3 を求める。S3=a1+a2+a3S_3 = a_1 + a_2 + a_3 が偶数となるのは、
(白, 白, 偶数) or (白, 赤, 奇数) or (赤, 白, 奇数) or (赤, 赤, 偶数)
p3p_3 を求める別の方法として、まずS2S_2が偶数の場合、a3a_3が偶数であれば、S3S_3は偶数となり、S2S_2が奇数の場合、a3a_3が奇数であれば、S3S_3は偶数となることを利用する。
p3=p223+(1p2)13=5923+4913=1027+427=1427p_3 = p_2 \cdot \frac{2}{3} + (1-p_2) \cdot \frac{1}{3} = \frac{5}{9} \cdot \frac{2}{3} + \frac{4}{9} \cdot \frac{1}{3} = \frac{10}{27} + \frac{4}{27} = \frac{14}{27}.
(2)
Sn+1=Sn+an+1S_{n+1} = S_n + a_{n+1} が偶数となるのは、SnS_n が偶数のとき an+1a_{n+1} が偶数であるか、SnS_n が奇数のとき an+1a_{n+1} が奇数であるかのいずれかである。
したがって、
pn+1=pn23+(1pn)13=23pn+1313pn=13pn+13p_{n+1} = p_n \cdot \frac{2}{3} + (1 - p_n) \cdot \frac{1}{3} = \frac{2}{3} p_n + \frac{1}{3} - \frac{1}{3} p_n = \frac{1}{3} p_n + \frac{1}{3}.
pn+1=13pn+13p_{n+1} = \frac{1}{3}p_n + \frac{1}{3}.
(3)
pn+112=13(pn12)p_{n+1} - \frac{1}{2} = \frac{1}{3}(p_n - \frac{1}{2})
数列 {pn12}\{p_n - \frac{1}{2}\} は、初項 p112=2312=16p_1 - \frac{1}{2} = \frac{2}{3} - \frac{1}{2} = \frac{1}{6}、公比 13\frac{1}{3} の等比数列である。
したがって、pn12=16(13)n1p_n - \frac{1}{2} = \frac{1}{6} \left( \frac{1}{3} \right)^{n-1}.
pn=12+16(13)n1=12+12(13)np_n = \frac{1}{2} + \frac{1}{6} \left( \frac{1}{3} \right)^{n-1} = \frac{1}{2} + \frac{1}{2} \left( \frac{1}{3} \right)^n.
(4)
limnpn=limn(12+12(13)n)=12+120=12\lim_{n \to \infty} p_n = \lim_{n \to \infty} \left( \frac{1}{2} + \frac{1}{2} \left( \frac{1}{3} \right)^n \right) = \frac{1}{2} + \frac{1}{2} \cdot 0 = \frac{1}{2}.

3. 最終的な答え

(1) p1=23,p2=59,p3=1427p_1 = \frac{2}{3}, p_2 = \frac{5}{9}, p_3 = \frac{14}{27}
(2) pn+1=13pn+13p_{n+1} = \frac{1}{3}p_n + \frac{1}{3}
(3) pn=12+12(13)np_n = \frac{1}{2} + \frac{1}{2} \left( \frac{1}{3} \right)^n
(4) limnpn=12\lim_{n \to \infty} p_n = \frac{1}{2}

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