ある物体の温度 $T$ と周囲の温度 $T_0$ の関係が $\frac{dT}{dt} = -k(T - T_0)$ で与えられる。ここで、$k$ は定数である。100℃で沸騰したお湯を気温20℃の大気中に置いたとき、以下の問いに答える。 (1) 微分方程式を解き、温度 $T$ を時間 $t$ の関数で表す。 (2) 100℃のお湯は1分後に60℃になった。このときの $k$ の値を求める。 (3) 4分後のお湯の温度を求める。

1. 問題の内容

ある物体の温度 $T$ と周囲の温度 $T_0$ の関係が $\frac{dT}{dt} = -k(T - T_0)$ で与えられる。ここで、$k$ は定数である。100℃で沸騰したお湯を気温20℃の大気中に置いたとき、以下の問いに答える。

(1) 微分方程式を解き、温度 $T$ を時間 $t$ の関数で表す。

(2) 100℃のお湯は1分後に60℃になった。このときの $k$ の値を求める。

(3) 4分後のお湯の温度を求める。

2. 解き方の手順

(1) 微分方程式 $\frac{dT}{dt} = -k(T - T_0)$ を解く。

まず、変数を分離する。

$\frac{dT}{T - T_0} = -k dt$

両辺を積分する。

$\int \frac{dT}{T - T_0} = \int -k dt$

$\ln|T - T_0| = -kt + C_1$ (ここで $C_1$ は積分定数)

$|T - T_0| = e^{-kt + C_1} = e^{C_1}e^{-kt}$

$T - T_0 = Ae^{-kt}$ (ここで $A = \pm e^{C_1}$ は定数)

$T = T_0 + Ae^{-kt}$

初期条件を考慮する。$T_0 = 20$℃、初期温度は100℃なので、$t=0$ のとき $T=100$ である。

$100 = 20 + Ae^{-k(0)}$

$100 = 20 + A$

$A = 80$

よって、$T = 20 + 80e^{-kt}$

(2) 1分後に60℃になったので、$t=1$ のとき $T=60$ である。

$60 = 20 + 80e^{-k(1)}$

$40 = 80e^{-k}$

$e^{-k} = \frac{40}{80} = \frac{1}{2}$

$-k = \ln(\frac{1}{2}) = -\ln 2$

$k = \ln 2$

(3) 4分後の温度を求める。$t=4$ のとき、$T = 20 + 80e^{-(\ln 2)4} = 20 + 80e^{\ln(2^{-4})} = 20 + 80(\frac{1}{16}) = 20 + 5 = 25$

3. 最終的な答え

(1) $T = 20 + 80e^{-kt}$

(2) $k = \ln 2$

(3) 25℃