密閉容器に $n$ モルの揮発性の液体Aが入っており、外圧 $P_0$、温度 $T_0$ に保たれている。気体状態のAは理想気体の状態方程式 $PV = nRT$ に従うものとする。以下の2つの問いに答える。 問1: 外圧 $P_0$ を一定にしたまま、温度を上げていくと、気相部分の体積 $V$ は温度 $T$ に対してどのように変化するか。グラフの概形を描け。 問2: 温度 $T_0$ を一定にしたまま、圧力を下げていくと、気相部分の体積 $V$ は圧力 $P$ に対してどのように変化するか。グラフの概形を描け。

応用数学理想気体状態方程式グラフ物理化学
2025/6/27
以下に問題の解答を示します。

1. 問題の内容

密閉容器に nn モルの揮発性の液体Aが入っており、外圧 P0P_0、温度 T0T_0 に保たれている。気体状態のAは理想気体の状態方程式 PV=nRTPV = nRT に従うものとする。以下の2つの問いに答える。
問1: 外圧 P0P_0 を一定にしたまま、温度を上げていくと、気相部分の体積 VV は温度 TT に対してどのように変化するか。グラフの概形を描け。
問2: 温度 T0T_0 を一定にしたまま、圧力を下げていくと、気相部分の体積 VV は圧力 PP に対してどのように変化するか。グラフの概形を描け。

2. 解き方の手順

問1: 外圧 P0P_0 を一定にしたまま温度を上げていく場合。
初期状態では、液体Aと気体Aが共存している。温度を上げていくと、液体の蒸発が進み、気体部分の物質量が増加する。
* 温度が T0T_0 よりも低い場合、気体は存在しない(液体のみ)。したがって、V=0V=0
* 温度が T0T_0 のとき、気体が発生し始める。
* 温度が T0T_0 より高くなると、気体の状態方程式 PV=nRTPV=nRT が適用できる。外圧 P=P0P=P_0 は一定なので、V=(nR/P0)TV = (nR/P_0)T。この式は VVTT に比例することを示す。したがって、VVTT とともに直線的に増加する。
* グラフの概形は、T<T0T < T_0V=0V = 0TT0T \ge T_0VVTT に比例して増加する直線になる。
問2: 温度 T0T_0 を一定にしたまま圧力を下げていく場合。
初期状態では、液体Aと気体Aが共存している。圧力を下げていくと、液体の蒸発が進み、気体部分の物質量が増加する。
* 圧力が P0P_0 よりも高い場合、液体のみが存在し気体は存在しないので、V=0V=0
* 圧力が P0P_0 のとき、気体が発生し始める。
* 圧力が P0P_0 より低くなると、気体の状態方程式 PV=nRTPV=nRT が適用できる。温度 T=T0T=T_0 は一定なので、V=(nRT0)/PV = (nR T_0)/P。この式は VVPP に反比例することを示す。したがって、VVPP が減少するにつれて増加する。
* グラフの概形は、P>P0P > P_0V=0V = 0PP0P \le P_0VVPP に反比例して増加する曲線になる。

3. 最終的な答え

問1:
温度 TT と気相部分の体積 VV の関係のグラフは、T<T0T < T_0V=0V = 0TT0T \ge T_0VVTT に比例して増加する直線。
問2:
圧力 PP と気相部分の体積 VV の関係のグラフは、P>P0P > P_0V=0V = 0PP0P \le P_0VVPP に反比例して増加する曲線。

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