$A$を$m \times n$行列、$B$を$n \times m$行列とする。$m > n$ ならば、$AB$は正則でないことを示す。

代数学線形代数行列正則ランク線形従属列空間
2025/6/27

1. 問題の内容

AAm×nm \times n行列、BBn×mn \times m行列とする。m>nm > n ならば、ABABは正則でないことを示す。

2. 解き方の手順

AAm×nm \times n行列、BBn×mn \times m行列なので、ABABm×mm \times m行列である。
m>nm>nという条件より、AAの列数nnは、AAの行数mmよりも小さい。
AAの列ベクトルをa1,a2,...,ana_1, a_2, ..., a_nとすると、A=[a1,a2,...,an]A = [a_1, a_2, ..., a_n]と表せる。ここで、aia_imm次元ベクトルである。n<mn < mなので、mm次元ベクトル空間において、nn個のmm次元ベクトルa1,a2,...,ana_1, a_2, ..., a_nは線形独立ではない。すなわち、線形従属である。したがって、少なくとも1つのベクトルは他のベクトルの線形結合で表せる。
一方、ABABの像空間(列空間)は、AAの列空間に含まれる。つまり、ABABの列空間の次元は、AAの列空間の次元以下である。
AAの列空間の次元はnn以下なので、ABABの列空間の次元もnn以下である。
ABABm×mm \times m行列なので、正則であるための必要十分条件は、rank(AB)=m\text{rank}(AB) = mであることである。
しかし、m>nm>nであり、ABABの列空間の次元はnn以下であるため、rank(AB)n<m\text{rank}(AB) \le n < mである。
したがって、rank(AB)<m\text{rank}(AB) < mであるため、ABABは正則ではない。

3. 最終的な答え

ABABは正則ではない。

「代数学」の関連問題

(1) $y=(x-2)^2 + 3$ のグラフに関する情報を求める問題です。具体的には、どのグラフを平行移動したものか、グラフは上に凸か下に凸か、頂点の座標、y軸との交点の座標を求めます。 (2) ...

二次関数放物線グラフ平行移動頂点y軸との交点
2025/6/27

(1) $y=(x+2)^2 - 5$ のグラフについて、元のグラフ、平行移動、グラフの凹凸、頂点を求める。 (2) $y=-2(x-3)^2 + 1$ のグラフについて、元のグラフ、平行移動、グラフ...

二次関数グラフ平行移動頂点放物線グラフの凹凸
2025/6/27

与えられた2次関数について、頂点の座標を求め、xとyの対応表を完成させ、グラフを描く問題です。具体的には、 (1) $y = (x - 3)^2$ (2) $y = -(x + 1)^2$ の2つの関...

二次関数グラフ頂点平行移動放物線
2025/6/27

数列 $\{a_n\}$ は等差数列で、$a_1 + a_2 + a_3 + a_4 + a_5 = 35$ かつ $a_6 = 13$ である。数列 $\{b_n\}$ は、初項から第 $n$ 項ま...

数列等差数列一般項Σ計算
2025/6/27

2次関数 $y = -2x^2$ と $y = x^2 - 4$ について、頂点の座標を求め、xとyの対応表を完成させ、グラフの概形を記述する問題です。

二次関数グラフ放物線頂点
2025/6/27

複素数 $z = r(\cos\theta + i\sin\theta)$ (ただし、$r > 0$) が与えられたとき、以下の複素数を極形式で表す問題です。 (1) $\frac{1}{z}$ (2...

複素数極形式複素共役ド・モアブルの定理
2025/6/27

数列 $\{a_n\}$ の初項から第 $n$ 項までの和 $S_n$ が、$S_n = n^2 - n$ で表されるとき、数列 $\{a_n\}$ の一般項 $a_n$ を求める問題です。

数列漸化式和の公式一般項
2025/6/27

2次方程式 $x^2 + 7x + 3 = 0$ を解きます。

二次方程式解の公式方程式
2025/6/27

関数 $y = \frac{bx+1}{x-a}$ ($a>0$, $b>0$) の定義域が $\{x | -a \le x \le 0\}$ であり、値域が $\{y | -1 \le y \le ...

関数定義域値域分数関数方程式
2025/6/27

与えられた2次方程式 $(2x-1)^2 = 6$ を解く問題です。

二次方程式方程式平方根
2025/6/27