$a$ を正の定数とするとき、不等式 $|x-2| < a$ を満たす整数 $x$ がちょうど5個存在するような $a$ の値の範囲を求める。

代数学不等式絶対値整数解数直線
2025/6/29

1. 問題の内容

aa を正の定数とするとき、不等式 x2<a|x-2| < a を満たす整数 xx がちょうど5個存在するような aa の値の範囲を求める。

2. 解き方の手順

まず、絶対値の不等式を解く。
x2<a|x-2| < aa<x2<a-a < x-2 < a と同値である。
各辺に2を加えると、
2a<x<2+a2-a < x < 2+a
この不等式を満たす整数 xx がちょうど5個存在するためには、
xx が整数であることに注意して、2+a2+a2a2-aの間に整数が5個存在する必要がある。
xxの整数値を小さい方から並べると、2a2-aより大きい最初の整数がx1x_1, 次の整数がx2x_2となり、5番目の整数がx5x_5とすると、x5<2+ax_5 < 2+aとなる必要がある。
x=2x=2のとき、22=0<a|2-2|=0<aとなり、このときx=2x=2は必ず不等式を満たす。
x=2x=2のとき、x=1x=1x=3x=3は、12=1|1-2|=132=1|3-2|=1より、1<a1<aであれば不等式を満たす。
x=0x=0x=4x=4は、02=2|0-2|=242=2|4-2|=2より、2<a2<aであれば不等式を満たす。
x=1x=-1x=5x=5は、12=3|-1-2|=352=3|5-2|=3より、3<a3<aであれば不等式を満たす。
整数解が5個であるためには、以下の条件を満たす必要がある。
2a2-aより大きい最初の整数をnnとすると、整数解は、n,n+1,n+2,n+3,n+4n, n+1, n+2, n+3, n+4の5個となる。そして、n+4<2+an+4 < 2+aでなければならない。
2+a2+aより小さい最大の整数をmmとすると、整数解は、m4,m3,m2,m1,mm-4, m-3, m-2, m-1, mの5個となる。そして、2a<m42-a < m-4でなければならない。
x=2x=2を中心として整数が5個並ぶためには、x=1,0,1,2,3,4,5x=-1,0,1,2,3,4,5の中で5つの整数が不等式を満たせば良い。
x=2x=2が中心なので、xxの値を小さい順に並べると、22,21,2,2+1,2+22-2, 2-1, 2, 2+1, 2+2のいずれかである必要がある。
このとき、5個の整数解は、22=0,21=1,2,2+1=3,2+2=42-2=0, 2-1=1, 2, 2+1=3, 2+2=4となり、0,1,2,3,40,1,2,3,4となる。
2a<02-a < 0 かつ 4<2+a4 < 2+a を満たす必要がある。
2a<02-a < 0 より 2<a2 < a
4<2+a4 < 2+a より 2<a2 < a
さらに、 x=2x=-2またはx=5x=5の少なくとも一方は、x2<a|x-2|<aを満たしてはいけない。
x=1,0,1,2,3,4x=-1, 0, 1, 2, 3, 4 の6つの整数はx2<a|x-2|<aを満たさない。
22=4<a|-2-2|=4<a または 52=3<a|5-2|=3<aの少なくとも一方が成り立たない。
a3a \le 3
以上より、2<a32 < a \le 3は誤り。
2a<x<2+a2-a<x<2+aを満たす整数が5個であるとき、2+a(2a)=2a2+a-(2-a)=2aの幅の中に5個の整数が入る。
a+2<x<a+2-a+2 < x < a+2を満たす整数xxが5個。
x=2x=2を中心として、1,0,3,41,0,3,422が含まれる必要がある。
x=1x= -1が含まれないとき、3a3 \le a
x=5x= 5が含まれないとき、3a3 \le a
1-155が含まれるとき、4a4 \le a
2,1,0,1,2,3,4,5,6-2, -1, 0, 1, 2, 3, 4, 5, 6の中でx=2x=2を中心として5個
a>0a > 0である必要があるので、2a<2<2+a2-a < 2 < 2+aとなる。
a=3a=3のとき1<x<5-1<x<5。整数解は0,1,2,3,40, 1, 2, 3, 4の5個。
a=4a=4のとき2<x<6-2<x<6。整数解は1,0,1,2,3,4,5-1, 0, 1, 2, 3, 4, 5の7個。
整数解が5個であるためには、3<a43<a \le 4

3. 最終的な答え

3<a43 < a \le 4

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