与えられた問題は、確率・統計に関する7つの小問から構成されています。 (1) 二項分布 $B(6, 1/2)$ に従う確率変数 $X$ に対して、$P(X \leq 2)$ を求める問題。 (2) サイコロを5回投げて、3の倍数の目が出る回数を $X$ とするとき、$X$ が従う二項分布と、$P(4 \leq X \leq 5)$ を求める問題。 (3) 二項分布 $B(9, 1/2)$ と $B(5, 1/4)$ の期待値、分散、標準偏差を求める問題。 (4) サイコロを100回投げて、3の倍数の目が出る回数を $X$ とするとき、$X$ の期待値、分散、標準偏差を求める問題。 (5) 赤玉6個、白玉4個が入った壺から玉を取り出して戻す操作を6回繰り返すとき、赤玉が出る回数を $X$ とするとき、$X$ の期待値、分散、標準偏差を求める問題。 (6) (a) サイコロを投げて2が出るまでにかかる回数 $X$ が従う分布を求める問題。 (b) 2人でじゃんけんをして決着がつくまでの回数 $X$ が従う分布を求める問題。 (7) 寝坊する確率が25%の人が、寝坊した日から次に寝坊するまでの日数 $X$ が従う分布とその期待値を求める問題。

確率論・統計学確率統計二項分布幾何分布期待値分散標準偏差
2025/6/29

1. 問題の内容

与えられた問題は、確率・統計に関する7つの小問から構成されています。
(1) 二項分布 B(6,1/2)B(6, 1/2) に従う確率変数 XX に対して、P(X2)P(X \leq 2) を求める問題。
(2) サイコロを5回投げて、3の倍数の目が出る回数を XX とするとき、XX が従う二項分布と、P(4X5)P(4 \leq X \leq 5) を求める問題。
(3) 二項分布 B(9,1/2)B(9, 1/2)B(5,1/4)B(5, 1/4) の期待値、分散、標準偏差を求める問題。
(4) サイコロを100回投げて、3の倍数の目が出る回数を XX とするとき、XX の期待値、分散、標準偏差を求める問題。
(5) 赤玉6個、白玉4個が入った壺から玉を取り出して戻す操作を6回繰り返すとき、赤玉が出る回数を XX とするとき、XX の期待値、分散、標準偏差を求める問題。
(6) (a) サイコロを投げて2が出るまでにかかる回数 XX が従う分布を求める問題。
(b) 2人でじゃんけんをして決着がつくまでの回数 XX が従う分布を求める問題。
(7) 寝坊する確率が25%の人が、寝坊した日から次に寝坊するまでの日数 XX が従う分布とその期待値を求める問題。

2. 解き方の手順

(1) 二項分布 B(n,p)B(n, p) において、P(X=k)=(nk)pk(1p)nkP(X=k) = \binom{n}{k} p^k (1-p)^{n-k} です。
P(X2)=P(X=0)+P(X=1)+P(X=2)P(X \leq 2) = P(X=0) + P(X=1) + P(X=2) を計算します。
n=6n=6, p=1/2p=1/2 なので、
P(X=0)=(60)(1/2)0(1/2)6=1/64P(X=0) = \binom{6}{0} (1/2)^0 (1/2)^6 = 1/64
P(X=1)=(61)(1/2)1(1/2)5=6/64P(X=1) = \binom{6}{1} (1/2)^1 (1/2)^5 = 6/64
P(X=2)=(62)(1/2)2(1/2)4=15/64P(X=2) = \binom{6}{2} (1/2)^2 (1/2)^4 = 15/64
P(X2)=164+664+1564=2264=1132P(X \leq 2) = \frac{1}{64} + \frac{6}{64} + \frac{15}{64} = \frac{22}{64} = \frac{11}{32}
(2) 3の倍数の目は、1, 2, 3, 4, 5, 6 のうち3と6なので、出る確率は p=2/6=1/3p = 2/6 = 1/3 です。サイコロを5回投げるので、XX は二項分布 B(5,1/3)B(5, 1/3) に従います。
P(4X5)=P(X=4)+P(X=5)P(4 \leq X \leq 5) = P(X=4) + P(X=5) を計算します。
P(X=4)=(54)(1/3)4(2/3)1=5×(1/81)×(2/3)=10/243P(X=4) = \binom{5}{4} (1/3)^4 (2/3)^1 = 5 \times (1/81) \times (2/3) = 10/243
P(X=5)=(55)(1/3)5(2/3)0=1×(1/243)×1=1/243P(X=5) = \binom{5}{5} (1/3)^5 (2/3)^0 = 1 \times (1/243) \times 1 = 1/243
P(4X5)=10243+1243=11243P(4 \leq X \leq 5) = \frac{10}{243} + \frac{1}{243} = \frac{11}{243}
(3) 二項分布 B(n,p)B(n, p) の期待値は E[X]=npE[X] = np、分散は V[X]=np(1p)V[X] = np(1-p)、標準偏差は σ=V[X]=np(1p)\sigma = \sqrt{V[X]} = \sqrt{np(1-p)} です。
(a) B(9,1/2)B(9, 1/2) のとき、E[X]=9×(1/2)=4.5E[X] = 9 \times (1/2) = 4.5
V[X]=9×(1/2)×(1/2)=9/4=2.25V[X] = 9 \times (1/2) \times (1/2) = 9/4 = 2.25
σ=2.25=1.5\sigma = \sqrt{2.25} = 1.5
(b) B(5,1/4)B(5, 1/4) のとき、E[X]=5×(1/4)=5/4=1.25E[X] = 5 \times (1/4) = 5/4 = 1.25
V[X]=5×(1/4)×(3/4)=15/16=0.9375V[X] = 5 \times (1/4) \times (3/4) = 15/16 = 0.9375
σ=0.93750.968\sigma = \sqrt{0.9375} \approx 0.968
(4) 3の倍数の目は、1, 2, 3, 4, 5, 6 のうち3と6なので、出る確率は p=2/6=1/3p = 2/6 = 1/3 です。サイコロを100回投げるので、XX は二項分布 B(100,1/3)B(100, 1/3) に従います。
E[X]=np=100×(1/3)=100/333.33E[X] = np = 100 \times (1/3) = 100/3 \approx 33.33
V[X]=np(1p)=100×(1/3)×(2/3)=200/922.22V[X] = np(1-p) = 100 \times (1/3) \times (2/3) = 200/9 \approx 22.22
σ=V[X]=200/9=(102)/34.71\sigma = \sqrt{V[X]} = \sqrt{200/9} = (10\sqrt{2})/3 \approx 4.71
(5) 赤玉が出る確率は p=6/(6+4)=6/10=3/5p = 6/(6+4) = 6/10 = 3/5 です。6回繰り返すので、XX は二項分布 B(6,3/5)B(6, 3/5) に従います。
E[X]=np=6×(3/5)=18/5=3.6E[X] = np = 6 \times (3/5) = 18/5 = 3.6
V[X]=np(1p)=6×(3/5)×(2/5)=36/25=1.44V[X] = np(1-p) = 6 \times (3/5) \times (2/5) = 36/25 = 1.44
σ=V[X]=36/25=6/5=1.2\sigma = \sqrt{V[X]} = \sqrt{36/25} = 6/5 = 1.2
(6) (a) 2が出るまでにかかる回数は、幾何分布に従います。 P(X=k)=(1p)k1pP(X=k)=(1-p)^{k-1}p ここでpは2が出る確率なのでp=1/6p=1/6
(b) じゃんけんで決着がつくまでの回数も幾何分布に従います。P(X=k)=(1p)k1pP(X=k)=(1-p)^{k-1}p。ここでpは一度のじゃんけんで決着がつく確率です。あいこになる確率が1/3なので、p=11/3=2/3p=1-1/3=2/3
(7) 寝坊するまでの日数は幾何分布に従います。寝坊する確率がp=25%=1/4p=25\% = 1/4 なので、期待値はE[X]=1/p=1/(1/4)=4E[X] = 1/p = 1/(1/4) = 4 日です。

3. 最終的な答え

(1) P(X2)=1132P(X \leq 2) = \frac{11}{32}
(2) XXB(5,1/3)B(5, 1/3) に従う。 P(4X5)=11243P(4 \leq X \leq 5) = \frac{11}{243}
(3) (a) 期待値: 4.5, 分散: 2.25, 標準偏差: 1.5
(b) 期待値: 1.25, 分散: 0.9375, 標準偏差: 約0.968
(4) 期待値: 約33.33, 分散: 約22.22, 標準偏差: 約4.71
(5) 期待値: 3.6, 分散: 1.44, 標準偏差: 1.2
(6) (a) 幾何分布
(b) 幾何分布
(7) 幾何分布、期待値: 4日

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