関数 $S(t)$ が $S(t) = \int_0^1 |x^2 - t^2| dx$ で定義されている。$0 \le t \le 1$ における $S(t)$ の最大値と最小値を求め、そのときの $t$ の値を求めよ。

解析学積分絶対値最大値最小値微分
2025/6/30

1. 問題の内容

関数 S(t)S(t)S(t)=01x2t2dxS(t) = \int_0^1 |x^2 - t^2| dx で定義されている。0t10 \le t \le 1 における S(t)S(t) の最大値と最小値を求め、そのときの tt の値を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、x2t2|x^2 - t^2| の積分を、x2t2x^2 - t^2 の符号によって場合分けして計算する。0t10 \le t \le 1 であるから、xx0xt0 \le x \le t のとき x2t20x^2 - t^2 \le 0 であり、tx1t \le x \le 1 のとき x2t20x^2 - t^2 \ge 0 である。したがって、積分は次のように分割できる。
S(t)=01x2t2dx=0t(t2x2)dx+t1(x2t2)dxS(t) = \int_0^1 |x^2 - t^2| dx = \int_0^t (t^2 - x^2) dx + \int_t^1 (x^2 - t^2) dx
それぞれの積分を計算する。
0t(t2x2)dx=[t2xx33]0t=t3t33=23t3\int_0^t (t^2 - x^2) dx = [t^2 x - \frac{x^3}{3}]_0^t = t^3 - \frac{t^3}{3} = \frac{2}{3}t^3
t1(x2t2)dx=[x33t2x]t1=(13t2)(t33t3)=13t2+23t3\int_t^1 (x^2 - t^2) dx = [\frac{x^3}{3} - t^2 x]_t^1 = (\frac{1}{3} - t^2) - (\frac{t^3}{3} - t^3) = \frac{1}{3} - t^2 + \frac{2}{3}t^3
したがって、
S(t)=23t3+13t2+23t3=43t3t2+13S(t) = \frac{2}{3}t^3 + \frac{1}{3} - t^2 + \frac{2}{3}t^3 = \frac{4}{3}t^3 - t^2 + \frac{1}{3}
次に、S(t)S(t) の最大値と最小値を求めるために、S(t)S'(t) を計算する。
S(t)=4t22t=2t(2t1)S'(t) = 4t^2 - 2t = 2t(2t - 1)
S(t)=0S'(t) = 0 となるのは、t=0t = 0 または t=12t = \frac{1}{2} のときである。
S(0)=13S(0) = \frac{1}{3}
S(12)=43(18)14+13=1614+13=23+412=312=14S(\frac{1}{2}) = \frac{4}{3}(\frac{1}{8}) - \frac{1}{4} + \frac{1}{3} = \frac{1}{6} - \frac{1}{4} + \frac{1}{3} = \frac{2 - 3 + 4}{12} = \frac{3}{12} = \frac{1}{4}
S(1)=431+13=531=23S(1) = \frac{4}{3} - 1 + \frac{1}{3} = \frac{5}{3} - 1 = \frac{2}{3}
したがって、S(t)S(t)t=1t = 1 で最大値 23\frac{2}{3} をとり、t=12t = \frac{1}{2} で最小値 14\frac{1}{4} をとる。

3. 最終的な答え

最大値:23\frac{2}{3} (t=1t=1のとき)
最小値:14\frac{1}{4} (t=12t=\frac{1}{2}のとき)

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