数列 $\{ \frac{1 - r^n}{1 + r^n} \}$ の極限を、$r > 1$, $r = 1$, $|r| < 1$, $r < -1$ のそれぞれの場合について求める。

解析学数列極限収束発散
2025/7/1

1. 問題の内容

数列 {1rn1+rn}\{ \frac{1 - r^n}{1 + r^n} \} の極限を、r>1r > 1, r=1r = 1, r<1|r| < 1, r<1r < -1 のそれぞれの場合について求める。

2. 解き方の手順

(1) r>1r > 1 のとき:
r>1r > 1 なので、limnrn=\lim_{n \to \infty} r^n = \infty である。したがって、
\lim_{n \to \infty} \frac{1 - r^n}{1 + r^n} = \lim_{n \to \infty} \frac{\frac{1}{r^n} - 1}{\frac{1}{r^n} + 1} = \frac{0 - 1}{0 + 1} = -1
(2) r=1r = 1 のとき:
数列は 11n1+1n=111+1=02=0\frac{1 - 1^n}{1 + 1^n} = \frac{1 - 1}{1 + 1} = \frac{0}{2} = 0 となる。したがって、
\lim_{n \to \infty} \frac{1 - 1^n}{1 + 1^n} = 0
(3) r<1|r| < 1 のとき:
r<1|r| < 1 なので、limnrn=0\lim_{n \to \infty} r^n = 0 である。したがって、
\lim_{n \to \infty} \frac{1 - r^n}{1 + r^n} = \frac{1 - 0}{1 + 0} = 1
(4) r<1r < -1 のとき:
r<1r < -1 なので、limnrn\lim_{n \to \infty} r^n は振動する。
\frac{1 - r^n}{1 + r^n} = \frac{\frac{1}{r^n} - 1}{\frac{1}{r^n} + 1}
ここで rnr^nnn が偶数のときに正で絶対値が増大し、 nn が奇数のときに負で絶対値が増大する。したがって1rn\frac{1}{r^n}00 に近づく。
\lim_{n \to \infty} \frac{\frac{1}{r^n} - 1}{\frac{1}{r^n} + 1} = \frac{0 - 1}{0 + 1} = -1

3. 最終的な答え

(1) r>1r > 1 のとき: 1-1
(2) r=1r = 1 のとき: 00
(3) r<1|r| < 1 のとき: 11
(4) r<1r < -1 のとき: 1-1

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